ジョルノ達に向かって全力で走って来るラスボスの姿に一瞬笑ってしまったんだけど、中身はブチャラティでしたか
それにしても声優の皆さんの演技は流石というか。中身の違いにより求められる演技の差を充分に声に表現していたね
ポルナレフが倒され、ディアボロが矢を手にし。希望はジョルノ達に渡されないかと思いきや意外な形で希望は伝えられる。まるで一旦ゲームセットになった試合が不意に延長線に突入したかのよう
その延長戦としての効果は各所で現れる。中身が入れ替わったことで本来は死に絶える筈だったポルナレフは亀として生き延び、スタンドをパワーアップさせる方法を伝授する
また、同じ場所に到着し本来なら衝突しても可怪しくなかったボスとジョルノ達はこの騒動で邂逅しなくなる。ボスとの激突が延長される
一方でローマ市民にとっては迷惑千万な事態。カビに因る騒動が終わったと思ったら今度は中身が入れ替わってしまうという事態。彼らにとっては不幸が延長される
そもそも考えてみればスタンドを得る行為だって命を延長しているようなもの。矢に選ばれなければそのまま刺されて死んでしまう訳で。矢に選ばれた者だけが蘇生し、スタンド使いとして力を振るえるようになる
そして今回のパワーアップ判明はスタンド使いとしての延長線上にある姿についての話と捉えることが出来るね
今回の入れ替わりによる延長の恩恵を最大に受けたのはやはりブチャラティということになるんだろうか?
元々、ベネツィアでボスに殺され終わっていたはずの彼の命。ゴールド・エクスペリエンスでその生命は延長されたが、コロッセオを前にして限界に達していた。それがボスの身体に入れ替わることで再び満足に動きスタンドを使えるように。
それは喜ばしいことでは在るんだけど、ボスの身体になってしまったという一点がブチャラティに新たな問題を引き起こしそうで……
ああ、「世界で一番馬鹿な旅人」の話って何となく覚えてるなぁ。
周りから見れば滑稽なほど哀れで「何もそこまでしなくて良いだろう」と言いたくなるんだけど、その旅人の側に立って考えてみると紅葉が言うように途端に愛おしく思えるようになってしまう不思議
その旅人の姿勢はどこか透に通じるものが在る。草摩家に居候し始めた頃は申し訳無さからか、由希達に遠慮し相手に尽くし過ぎているような印象が少し有った。
けれど、今は違う。修学旅行の積み立てを難しくしてもチョコを渡したのも、8話で由希達を宴に参加させる為に寂しさを隠して送り出したことも、9話でマラソン大会よりも由希の看病を優先したのも相手の為を想ってのこと。それはきっと自己犠牲的であることは変えられないのだけど、相手を立てるための優しさに溢れた尊い自己犠牲なのだろうなと思う
透がそんな姿勢をしていると知れば、夾だって我慢せざるを得なくなる。それは自分が我慢すれば周りは楽しめるだろうというよりも、自分が我慢して参加することで透を喜ばせたいという自己犠牲
夾の行動によって、透は涙を流して喜ぶ。夾としてはその表情が見れただけで我慢する対価として充分だろうね
だから今回の旅行は紅葉が企画したものだけど、メインとなるのは普段自分たちに温かい想いを提供してくれる透を饗すことであって。
由希も旅行を優先するために一旦は用意していたプレゼントを引っ込める。バレンタインのお返しであるそれを渡すのは透が旅行をきちんと楽しんでから。
それにしても、あの渡し方は幾ら何でもイケメン過ぎると言うか何と言うか。あんなことして恋人ではないということが信じられないくらいの距離感と雰囲気だったよ?
あと、自宅に居候している女子高生にメイド服着せようと考える紫呉は一回くらい逮捕されたほうが良いと思う
中野って性欲よりもモフり欲が勝ってしまうタイプなのか……
社会人である中野にとって大雪なんて、通勤を難しくする非常に傍迷惑なもの
しかし、仙狐さんに釣れられ童心を思い出してみれば雪は彼を楽しませる最高のシチュエーションに様変わりする展開は面白い
それは家に帰ってからも変わらない。中野は子供のように仙狐さんの尻尾をモフりたくて堪らない
だから、夜空がやってきて大人の色香で中野を誘惑しようとするが、雪と仙狐さんの尻尾によって童心に帰ったままの彼に色香は効かない。むしろ夜空の尻尾をモフりたくて仕方ない。本当にしょうもない男である
そんなしょうもない中野に釣られてか、800年を生きる仙狐さんも少し幼さを見せる。夜空の尻尾に魅せられた中野にヤキモチを焼き、夕食は質素なものにしてしまう。
こういった子供じみた遣り取りは本当の年上である夜空からはどう見えているのだろう?何やら彼女は不穏な発言ばかり繰り返すけど
ゴウケツが一足先に会場を出たのって、サイタマと鉢合わせ無いためかと考えていたんだけど、そんなの関係なしにサイタマはゴウケツすらワンパンしてしまうのね(笑)
サイタマの他の追随を許さない、そしてその強さゆえの孤独はこれまでも描かれて来たのだけど、その孤独感についてキングのようなコメントをする者は初めてか
キングのコメントって詰まりは物質的な強さよりも精神的な強さを目指せということでも在るんだよね
武術大会でのサイタマの振る舞いやキングの挑発にあっさり乗ってしまったり。そういった部分からはサイタマの精神面の不足が見えてくるの。……まあ、精神的にも最強になってしまったら流石にサイタマには人間味を感じなくなってしまう気がするけど
一方、舐めていた番犬マンに負けてしまったガロウ。サイタマにも再びワンパンされてしまったし、本当の強者には勝てていないせいかガロウの戦績が芳しくない印象。
彼がここから挽回するチャンスは有るのだろうか?
壁の中でアルミンは海を見たいと望み、壁の中でフェイは飛行船から見る光景を望んだ。この違いは文化レベルの違いなんだろうか
今回は遂に長年の目的であったイェーガー家の地下室に辿り着き真実が描かれ始めるわけだけど、家のある場所へ辿る道の中でエレンとミカサは巨人に襲われる前の街の光景を思い返す。それは全てが壊れ戻ってこないという事実を受け入れるための準備なのかも知れないね
ただ、それだけゆっくりと家へ辿り着き、本を探す時間が有ったと言うのに、いざ本を前にすればエレンはすぐに開く勇気がない。ミカサと一緒に開かざるを得なかったように、誰もがその真実を受け入れる準備が出来ていたわけではない。
アルミンは目覚めて早々明かされたエルヴィンの代わりに生かされたという話を受け入れることが出来ない。自分よりエルヴィンを生かすべきだった、自分はエルヴィンの代わりなんてなれないと蒼白な表情で言う。
ハンジの言葉で一旦は矛を収めるけど、納得できたわけではないだろうね
ナイルはエルヴィンから歴史書が改ざんされているのではないかと言う話を聞いた際、受け入れることが出来なかった。その時は茶化してしまったが、ようやくエルヴィンの話を受け入れられる下地が出来た。しかし、エルヴィンが死んだ今となってはそれはもう遅すぎる。
調査兵団の帰還、ウォール・マリアの奪還。その報を聞き歓喜する住民たち。けれど、一方でその偉業を成し遂げた調査兵団が壊滅状態であるなんて真実を受け入れる準備など欠片も出来ていないのだろうな……
グリシャは地下室を普通の実験室に見えるように偽装していた。いわばすぐに真実に気付け無いようにする細工
それは子供の頃、壁の外に何が在るのか、その真実への備えを全くしないまま飛び出した経験からの反省なのかもしれないなんて思ってしまった。
そして真実が明かされる回想編が始まり。ここからイェーガー一家の因縁が始まるかと思うと……
バレンタインにダブルデート。そんなお題目で子供向けアニメ映画見るってどういうチョイスなの……?
今日がバレンタインと知り、逃げるために全力を振り絞った夾。それに追いついてしまう楽羅にはちょっと笑ってしまう
楽羅はいつものノリで夾を強引に誘い出す。でも、その中で楽羅は夾と由希が仲良くなって嬉しいと言う。更に紫呉も追随する意見を言う
これは由希を嫌いなままで居たい夾にとって受け入れ難いもの。由希を嫌うことで自分の心を守っている夾は紫呉から逃げ森の奥で子供のように蹲ってしまう。必死になって触れたくないものから目を逸らそうとする
でも、そんな夾を透が肯定してくれるのはいいシーンだったね。由希と仲良くなって欲しいと言いつつも、由希を嫌うことを責めない。
このように寄り添ってくれる透が居るから夾は閉じこもっていた場所から出て家に帰ることが出来る
後半で描かれる紫呉は、自分の内にある触れたくないものから逃げる夾とはまた別方向のタイプ
触れてはいけないものを手に入れるために何でもする気でいる。誰かを傷つけるとしても。
そんな自分勝手で理不尽な望みを話す紫呉をはとりは褒めはしない。けれど、同時に責めもしない。そんな彼が居るからこそ紫呉も自分の汚い部分を話すことができるのだろうね。もしかしたら自分の望むものを手に入れるために酷いことをしていると自覚在る紫呉にとって懺悔のようなものなのかもしれない
終盤、紫呉は透に「僕の分は?」とチョコを催促する。罪の意識が在る彼にとっては「忘れてましたっ」みたいな返しを望んでいたのかな?
けれど、透は紫呉に対しても変わらずにチョコを用意してくれているどころか、優しい表情で「食べて下さると嬉しいです」と返す
あまりに綺麗すぎる透の在り方は自分の汚さを自覚させると共に、救いのようなものでも在るんじゃなかろうか?
あの汚部屋な高円寺が料理スキルを備えていたとは……
これまでも中野と仙狐さんの遣り取りにはお互いへの思い遣りや愛情を感じさせるものが数多く有ったのだけど、それは今回も同じ
忙しい日々を過ごす中野のためにグラタンを作った仙弧さん。高円寺から教わったやり方を守りつつ、そこに自分なりの隠し味を入れることを忘れない。プラスアルファをしたくなるのはグラタンを食べる中野への愛情の現れだね
それはカップラーメンに大量の砂糖を入れたシロにも通じる話。シロとしては高円寺に美味しい食事をして欲しいから良かれと思って砂糖を入れたんだろうね。……食べさせられる側は堪ったもんじゃないけど
愛情故に相手の為の行動に更にプラスアルファする構図はBパートも変わらない
暑苦しいスーツで毎日出勤する中野に少しでも涼しい想いをして欲しいと考える仙狐さんによる散髪。涼しい髪型にするだけでなく洗髪もしてくれる。中野への愛情溢れるその行為は中野を昇天させかけるほど
最後は冗談を交えつつも互いに感謝と楽しかった想いを伝えあう二人。本当にこの二人はとてもお似合いな二人だね
エルヴィンに薬を使う為に「私情を捨てろ」とエレンに言ったリヴァイが、最後は私情によってエルヴィンに注射を使わない決断を。彼を想うがゆえに彼の安寧な死を願うか……
一度は諦められても二度も諦めることは難しい。そんなことを感じさせた回だった
エレンはアルミンが犠牲になると判っていても作戦を実行することを止められなかった。リヴァイは獣の巨人を倒すためにエルヴィンを犠牲にした。ジャンは自分たちが生き残る為にライナーを倒した
それぞれの決断は危機の中で行われた。だからよくよく考える時間はない。諦めて受け入れるしか無い。
けれど、危機が去ってもう一度同じ決断を迫られれば意見は変わってしまう。諦められなくなる
ジャンは友人だったライナーをすぐに殺す決断が出来ず、彼が生き延びる道を用意してしまった。エルヴィンに死んでくれと言ったリヴァイは彼を蘇らせるために理屈をこね周囲と軋轢を生じさせる。エレンはアルミンを蘇生させるためにリヴァイに刃を向ける
アルミンとエルヴィンのどちらに薬を使うか。その選択はとても難しく、どれが最上の決断になるというわけでもない
そして、選択の決定打となったものが夢を諦めせることだったのは印象的
アルミンの海を見に行きたいという夢は害はないし、本人を苦しめるものでもない。けれど、エルヴィンの真実を知りたいという夢はそれによって大勢を死なせてしまったし、本人も地獄の苦しみを味わい続ける
もし、ここでエルヴィンを蘇らせてしまったらエルヴィンは夢を諦められなくなる。それによって更に苦しみを増殖させてしまう
そして一度エルヴィンが夢を諦められたなら、ここで蘇らせて再び夢を追わせるというのはあまりに酷な話。だからリヴァイはエルヴィンをこのまま死なせる決断をするというわけか
エルヴィンが死に、アルミンが生き残った。これは物語の転換点となったように思える回だった
女友達を避けて下着を買いに行ったというのに、まさかの男友達に見られてしまった文乃。それだけじゃなく無謀にも自分に合わないサイズに挑戦する姿をバッチリ知られてしまうとは……
神は死んだとニヒリズムの境地に達したというのにクレープ奢りで許してくれる。そんな文乃さんは何だかんだ素敵だと思います
ゴキブリが出たからと言ってまたもや成幸を自宅に上げてしまう真冬。前回の緊張は何処へ行った?ただ、それだけ彼女にとってあの虫の存在は嫌なものだったわけで
じゃあ、女性なら誰でもあの虫が苦手なのかと言ったらそうでもなく。理珠が慣れた手付きで「太郎さん」を処理する姿は面白い。飲食店の娘はこういう方面は強いのだろうね
次回は遂にあしゅみー先輩が登場するのか。楽しみ。
学校行事の持久走を休んでポーカーに興じる咲達。そのフリーダムな行動はいつしか紫呉や夾、先生まで巻き込んでしまう。飛んでもない光景である
今回、メインとなる潑春は色々な意外性を備えた人物。遊んでそうなイケメンかと思えばママチャリに格好悪く乗り、白髪の老人かと思えば中学3年生。礼儀正しくぼ~っとしているかと思えばブラック春なんて人格を備えている
外側と実情が一致していない。
でも、それは他のものにも言えることで
夾と由希は相変わらず口喧嘩ばかり。ちっとも仲良さそうには見えない。しかし、昔を知る潑春からは随分仲良くなったと見られてしまう
潑春は鼠に先を越された牛であるというだけでバカにされていた。そんな評価潑春は受け入れられない。その歪みはブラック春を生み出してしまう
ただ、潑春も由希が鼠というだけで怒りをぶつけてしまう。けれど、由希は優しい言葉を潑春に掛け、その心を癒してくれる
潑春の入れ知恵で由希を名前呼びした透。透からすれば大したことない行動のはずで、だというのに由希は鼠になった。これを透は駄目だった証と受け取ってしまうが、実際はその逆。由希にとっては良い意味で大ダメージだったようで
透、由希、夾。三人の関係性はあまりに穏やかであるために変化が生じにくい。今回のように由希と今日の昔を知る潑春の登場で関係性に変化が生じる話は良いね
前回、前々回とチョコラータとセッコの絆が描かれていたけど、チョコラータが強いからセッコは付き従っていただけだったんかい。あの過激な懐きようで実はそれほど慕っていなかったとかちょっと衝撃的
ただし、そんな風にチョコラータを見限ったセッコも最後はチョコラータと同じようにゴミ収集車に回収される羽目に。やっぱあんたらお似合いだよ!
ブチャラティの戦いはチョコラータが倒れたことでジョルノ達からセッコを引き離す目的からコロッセオに先にたどり着く競争にスライド
その為、ブチャラティは地面に潜りつつセッコから逃げ目的地を目指すような形になる。その競争の中で二人は相手が残した様々な痕跡を頼りに彼我の距離を測ろうとし、また相手が何をしているかを推し量る。それは音であったり、パイプであったり、溶ける皮膚であったり。
相手を直接見ずに痕跡を重ねていくからどうしたって間違いは生じてしまう。音を追って近づいたセッコはハズレを引いてしまうし、格闘戦を避けるため地面を進み機転を利かせ続けたブチャラティの目算は空中から地面を降らせる攻撃によって窮地に陥る
何よりも音でブチャラティの場所を探っていたセッコは、地中でタイヤがパンクした際の音で大ダメージを喰らってしまう
それによってセッコは相手の痕跡を探る能力を失ってしまう。キックをすれば車に轢かれてしまうし、地面に出れば撥ねられる。更にはブチャラティとの会話すら成立しない
だから、人質に穴を開けて手を攻撃するなんてとても簡単な技も察知できない
ただ、探る能力が有っても痕跡がなければ察知できなくも有り。
ブチャラティはあれほど近くに居てもドッピオの中に潜んだボスに気づくことが出来ない
同時にドッピオも突然の状況に何が起こっているか、断片的にしか察知することしか出来ない
そんな状況下で蹲るブチャラティに対してドッピオはどのような行動に出るのだろうか?
突然の水着回に見ているこちらはテンションが爆上げですよ。そして、水着女子ばかりだと言うのに過度にやらしい感じにしない絵作りは好印象
特にシロと高円寺がはしゃぐ様子を見守る中野と仙狐がまるで長年連れ添った夫婦であるかのように見えたのは面白い
誰も居ないプライベートビーチ。でも、実施はあの世とこの世の境目というどこか不安になるような場所。それもあってか今後を不安視させるような描写が
もっと言えば前回は中野の先祖と仙狐の繋がりを指摘して仙狐は過去を見ているのではないかと。そして今回はどんな楽しい時間もいつか終わりは来ると提示して。でも、どちらの不安に対しても、中野も仙狐も楽しい今を最優先し精一杯楽しもうという心構えで居る。そしてそうしていれば再び楽しい日に巡り会えると信じている
そういった二人である限り、これから訪れるかもしれない不安な何かに対してもきちんと向き合えるのかもしれないね
待ちに待ったリヴァイの独擅場。これまで多くの兵士が苦戦し命を落としてきた獣の巨人を数瞬にしてバラバラにしてしまった。やはり彼の戦闘シーンは格好良すぎるね
冒頭で落馬したエルヴィンの代わりにマルロが「進め!」と命令する。これは前回、エルヴィン達が行った役割の継承の流れ。対して、今回アルミン達が行ったのは役割の詐称と見ることが出来るのかな?
超大型巨人が痩せているのを見て、遂に超大型を倒す策を思いついたアルミン。けれど、それを実行する為には自分の命を懸けた上でエレンを騙す必要があって……
自由を取り返すためなら力が湧いてくるエレン。外の世界のことを考えると勇気が湧いてくるアルミン。二人の共通の夢である「海を見に行くこと」。アルミンがこの言葉を言えばエレンは目覚め戦う力が湧き上がる。一方でアルミンはもう自分が海を見に行けないことを知っている。その上で彼は戦おうとする
アルミンはここで一番の親友を騙さなくてはいけない。一時はゲスミンなんて呼ばれるほど敵を騙してきたアルミンだけど、エレンを騙す手法はちょっと稚拙。アルミンのことをきちんと評価しているエレンに向かって「自分は勇敢じゃない」なんて言う。自分を詐称している。その上で自分が嘘をついたことが有ったかなんてバレバレの嘘を……
けれど、エレンはアルミンを問い詰めることが出来ない。時間はないし、何よりもそこまでしてアルミンが嘘をつく状況を崩せない。エレンはアルミンの嘘を信じたかのように作戦を実行していく
超大型撃破はエレンとアルミン、親友の二人が自分を騙し合うことで成立しているのはなんとも悲しいね
一方で足止め役の筈が連携によって鎧の巨人を仕留めるに至ったジャン達。ここで最後のひと押しとなるのが、もう死んでしまったと思われ戦力に数えられていなかったハンジであるのは面白い展開
視聴者に対して戦力の詐称が行われていたようなもの
バラバラの場所で偽りの肉体から引きずり出されたジーク、ライナー、ベルトルト。これは大戦果と言えるのだろうけど、ここまで到達するために掛かった犠牲が大きすぎるね……。特にアルミンの炭化した姿が……
紫呉、はとり、潑春による和やかな会話が繰り広げられた後、一転して紫呉の悪い表情が披露される展開はインパクトある。十二支の殆どが草摩家や慊人に縛られ苦しんでいる中で、紫呉だけやりたいことやってる気がしないでもない
透は今の自分が在るのは由希達のお陰だというけど、端から見る分には透の方が由希や夾に与えている物が多いように思える
それは透が相手を想い、相手の幸福を心がけて行動しているからなのかもしれない。そして今回も透は相手を想い遣って行動している
母が亡くなって初めての正月、そして親戚もハワイに行ってしまった。だから透は誰かを頼るしか無いのだけど、ありさや咲の誘いには家族を優先してと断ってしまう。紫呉に申し出ても正月の集まりが在ると知れば、由希達には草摩の宴を楽しんできてと言ってしまう
透は自分のことよりも相手を優先してしまう。相手の為に我慢してしまう
由希達は当初、透に見送られる形で草摩の家を目指す。道中で一人残した透を心配するが帰りはしない。紫呉が強盗が出たなんて言っても帰る切っ掛けにはならない。
透を信頼して家に残してきたのだから、由希達にとって「心配」は戻る理由にならない。それが変わるのは咲の発言。透は家で寂しい思いをしているかもしれないと知らされて、由希達は走って家に戻る
由希達が戻る切っ掛けとなった理由は「透の為に何かしたい」という感情によるものだね
透が親戚の家に戻った際には草摩家という「場所」を透と共有した由希達。今回は正月を独りで過ごしかけた透の為に「時間」を共有することになったわけだね
今度は由希達が只今と言い、透が「お帰りなさい」と返す。第5話のラストと逆になったみたいで良い描写だね
主人公に寄る長時間ラッシュといえば、第三部のスティーリー・ダン戦を思い出す。あれも承太郎に様々なゲス行為を働いた敵だったっけ
グリーン・デイの効力から逃れるためには下がる訳にはいかず、上に昇り続ける必要がある。また、チョコラータはヘリコプターの中にいる。彼を倒す為にはどうしたってヘリまで昇る必要がある
そういった背景から考えれば、チョコラータは最初から上に位置する存在と見ることも出来る。また、チョコラータはセッコへの電話の中で「他人を支配しなくてはならない宿命が強い者には在るのだ」と言う。強者として上位に位置するチョコラータは更に上を目指すことが出来て、だからこそボスすらも超える気で居る
そんな彼からすれば下からやってくるジョルノやミスタは下等存在の挑戦者。植物のせいもあるがチョコラータはヘリから降りてくることなく、挑戦を受ける者の如くジョルノ達の攻撃を待ち受け反撃する。
だからジョルノの攻撃を上手く退けた後にはジョルノが悔しがる絶望の表情を見ようとする。チョコラータは上位に居るから、自分に倒され落下する相手が更に反撃できるとは思わない。それが油断となる
ジョルノはチョコラータに「お前には最初から勝っていたからな」と返す。他人よりも上位に居たつもりのチョコラータにそんな関係など無いように反撃する
強者としての下や上ではなく、人間性としての勝ち負けでジョルノは捉える。だからこそ、ジョルノの反撃は落下する中で勝機が生まれる。ジョルノが落下しチョコラータが窓から顔を出すことで彼の上方から放たれる弾丸が意味を成すようになる。
また、身体を小さくしミスタに騙し討ちを仕掛けたチョコラータに対し、今度はジョルノが騙し討ちを仕掛ける。まるで交渉の余地が在るかのように見せかけた上で彼の中に予め仕掛けた虫によってトドメへ繋げていく
上下など関係なく、勝ち負けによってジョルノは優位に立ち続ける
チョコラータはどう考えてもゲス人間だし、それに可愛がられているセッコも気味が悪い。それでも二人には確かな絆が有ったわけで
どうやらチョコラータの死を知ったらしいセッコがブチャラティに対してどう攻撃してくるのか……
まさかあの仙狐さんが自分から「わらわが踏んでやるのじゃ」なんて提案してくるとは思わなかった。体重25キログロムくらいなら丁度良い塩梅だったりするのだろうか?
どこからどう見ても仲睦まじい中野と仙狐。そんな二人を外野はまた違った目線で見ているのは面白い
高円寺は仙狐が中野を踏んでやったら特に良い表情をしたと聞いてドン引きする。高円寺は二人の仲の良さを勘違いする
またシロは中野と仙狐があまりにも何も考えていなさそうなままに仲良くしていることを懸念し、仙狐が中野の家に居る意味を再考させようとする
シロは仙狐が中野とその先祖を重ねているのでは?と話す。これは中野が変に勘違いし傷つくことを避けるための助言だね
それに対する中野の返答が素敵。今が幸せだからきっと仙狐さんも幸せという、過去よりも今を重視した考え方は良いね
今を重視するということは、仙狐さんが中野に向ける笑顔の意味を正しく受け取るという意味でも有って。そういった返答なら仙狐と中野の仲を不安視したシロも満足できる回答だろうね
そして終電を逃すほどの深夜に帰宅した中野は仙狐の出迎えを笑顔で受けると共に仙狐が作ってくれたわさび稲荷を味わおうとする
仕事の疲れや眠気が在るはずなのにそれを感じさせない中野の態度。そして中野を精一杯癒そうとする仙狐の優しさ。中野が答えたとおり、二人が今をとても大切にしていることが伝わってくるような終わり方だった
これはどう見てもラブコメ……!まさかどろろでこのような回を見ることになるとは……
というか妖怪や鬼神が登場すれば必ずと言っていい程誰かが犠牲になって来たことを考えると今回は本当に平和な内容だったね
寺に行った辺りから百鬼丸の言動はあべこべになる。
この時、刀を置く台にどろろを置いたって事は百鬼丸にとって刀の対義語はどろろということになるのかな?
という事はおこわが祝言を挙げようとする様を見て百鬼丸が二度も呟いた「刀が此処に来る」とは、「どろろがここに居ない」という意味になるのだろうか?
どろろは自分や百鬼丸があべこべな言葉を発してしまう理由に気付く。
そして天の邪鬼と対峙するどろろを見て百鬼丸は天の邪鬼と戦おうとするが、天の邪鬼の力によって逆にどろろに襲いかかってしまう。守るべき対象を傷付けてしまうとはあべこべな状況。結局、天の邪鬼は百鬼丸ではなく刀工が退治してしまう。いわば百鬼丸は助けられた立場
通常であれば妖怪を倒す百鬼丸が助けられてしまうというあべこべにも程がある状況
大局的に見ればシリアス成分の多い本作でギャグ回というだけで充分あべこべと感じられる現象だったと見ることも出来るのかな?
壁の内側も外側も酷い状態。安易な希望は全く見えず誰かが犠牲になってようやく道が切り開けるという程
その絶望的な状況にアルミンは何も策が思い浮かばずジャンに指揮を託してしまう。しかし、ジャンは咄嗟の指示を出し仲間を纏めることは出来ても、一発逆転の策を思い付くことは出来ない。結局作戦を考える役はアルミンに返ってきてしまう
それはアルミンに参謀という役割が割り振られ、その役割に準ずるしか無いからだろうね。ただ、この回ではアルミンは何も作戦は思い浮かばないまま
一方、獣の巨人と対峙するエルヴィン達はアルミン達より絶望的
投石によって兵の大部分が死滅、残ったのは新兵とリヴァイとエルヴィンだけ。
この時、リヴァイはエルヴィンとエレンだけでも生きて逃そうとする。リヴァイからすれば人類が巨人に勝利するためにはせめてその二人だけでも生きなければならないと考えているからだね。つまり、エルヴィンとエレンの二人は他の誰を犠牲にしてでも生き逃れなければならない役割が割り振られている
エルヴィンに一発逆転の策はある。しかし、それを実行すれば生き延びなければならない自分を犠牲にしなければならないどころか、長年の望みであった真実を知ることも無くなる。兵を指揮し真実を知る役割を自分に課しているエルヴィンはその策をすぐに選ぶことが出来ない
だからこそ、リヴァイはエルヴィンに死んでくれと言い、代わりに獣の巨人を仕留める役割を引き受ける。それによってエルヴィンは夢を諦めると同時に様々な役割から開放される。新兵達と共に無意味でありながら同時に次の生者に意味を託す死を迎えられる
役割の受け渡しが描かれているわけだけど、それにしたってあの特攻はあまりに壮絶な展開……
ベルトルトは諦めて受け入れることを選んだ残酷な世界。対して、エルヴィンは怒りと共に抗うことを選んだ
次回はアルミンの選択が描かれるわけか