Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
良い


良い


良い

度々恋愛相談に来るあのカップルは準レギュラーになりそうな勢いだね

何と言うか、石上は登場二話目にして既にキャラが固まりきっているような。彼が話し始めるだけで落ちが読めてしまう(笑)
部活をして彼女が居る者への僻みが噴出してしまったからといって、かぐやと藤原書紀を弄りの対象にしなくてもいいだろうに(笑)

そして問題のCパート。これまではちょっといい話が配置されることが多いパートだったのだけど……
女性二人にあの単語を連呼させるってどういう内容なんですかね……。ちょっとした伝説回ですよ、あの内容!
二人のはっちゃけ具合が凄すぎて逆に白銀のドン引きが意外な姿に映ってしまうのは笑えた部分



良い

本作は基本的に夏生の視点で描かれるから、陽菜が何を考えているかは完全には読めない。けど、どろどろしたこと考えてそうな気が……

陽菜とドライブで江ノ島まで来た夏生。他に知り合いは居ないから二人は姉弟というより、以前の先生と教え子のような距離感で接しているように見える
だからか、陽菜が語った柊との過去も夏生が想像しやすい学生時代の逸話が中心に。想像しやすいから夏生は瑠衣やももとの絡みを思い出し、自分に陽菜を責める資格があるのかと悩んでしまう
ここで夏生が陽菜をモデルにした小説を渡しつつ「好きだった」と過去形で想いを告げたのは踏ん切りをつけようとしたからか。でも、それ以上の攻勢で陽菜が踏ん切りをつけてきたのは驚き
夏生が散々自分への想いを引きずっていることを知っている彼女からしたら、強烈なパンチを叩き込み現実を教える必要があると考えたのかな

ただ、それでも想いを振り切れないのが夏生のまだまだな部分か。陽菜の言葉を否定したいからって瑠衣の明らかにおかしな行動を受け入れてしまうのは宜しくないだろうに
夏生は陽菜への想いを振り切れず、その状態で瑠衣を受け入れてしまった。同時に瑠衣も夏生への無自覚な想いが暴走しかけていることを考えると、この家庭は近い将来崩壊しそうな気がするけれど……

そんな泥沼化しそうな夏生と瑠衣よりもどろどろしているのが陽菜
陽菜は第四話で家族を優先すると言って柊との浮気を辞めたと言ったけど、その言葉はどこか怪しい
陽菜は夏生に改めて想いを告げられた場面で、夏生の想いを完全に砕くために心中する振りをした。自分達が付き合うとは家族も社会的立場も捨てることであり、心中するようなものだと。これって陽菜の不倫行為にも少し当てはまるような気がしてしまう。そしてこんな言葉をすっと出してくる陽菜は柊に対してそこまでの覚悟を抱いていたのではないかと。ならそんな彼女が家族を理由に柊を諦めるとは考えにくいような
これが最後と言って夏生は陽菜を抱きしめる場面、瑠衣と夏生が恋バナをする場面で陽菜は瞳を揺らし曇らせる。又、自身をモデルにした小説を読みつつ涙を流す。この描写は柊を思い出していたように見える。だから終盤のあの行為に繋がってしまうのかな

誰も彼も自分の中にあるどうしようもない想いに振り回され藻掻いている様子が伝わってくるような内容だった



とても良い

浜面だけヘビーオブジェクトの世界に居るという意見を見て、なんか納得してしまった…

一方通行はミサカワーストを助けられたものの、前回のミサカワーストによる追い詰めや救助のために無理をした事で暴走状態になったのかな?
雪原で黒い竜巻を撒き散らす一方通行の姿は恐ろしいとしか言いようがない。けれど、そんな一方通行に対して余計な事を何も言わず殴りに行き説教をかます当麻が格好良すぎる

一方通行は以前当麻に負けたこと、そして自分がラストオーダーを守ると決めたときから当麻が持つヒーロー性に対して劣等感を覚えていたのかな?
だからこそミサカワーストによって自身の罪が突きつけられ、更に暴走している状態で当麻に会ってしまい、当麻に自分の中にあるぐちゃぐちゃした想いをぶつけるしかなくなる。自分はヒーローではなくただの悪党でしか無いと感じている一方通行にとってかつて狂気の実験からシスターズを救った当麻は誰が相手でも救えるように見えてしまうのかも知れない
でも、当麻自身は自分がヒーローだからとか、善人だから救えるなんて考えない。誰かを助けるために特別な理由も立ち位置も必要としない当麻は駄々っ子のような一方通行の論理は間違ったものだと判るからぶん殴って修正する
状況も一方通行の背景も判らなくても、一方通行が助けてほしくて喚いているならそれを殴った上で助けようとする

そんな当麻の言葉だから、ラストオーダーを守るためには悪党を極めなければと考えていた一方通行は考えを改められる。ミサカワーストによって追い詰められた心も平静を取り戻せる
同時に当麻も一方通行に告げた言葉が自分に返ってくるものだと気付き、力強い眼を取り戻す
やっぱり当麻は細かいことなんて何も考えず、誰かを助けてこそという感じがする

次回は美琴までロシア入り?オールスターの様相を呈してきたね



とても良い

ブチャラティの行動原理がかなり見えた回だったように思う

ブチャラティが両親のどちらかを選ぶ場面で父親を選んだの印象的
ここでブチャラティが父親を弱い存在、誰かが支えなくてはならない人間だと見たのは確かなのだけど、かといって母親が弱い人間かといえばそうではない。母親はブチャラティが選びなさいと言いながら、盛んにブチャラティが自分を選びたくなるような言葉を投げかける。つまり、母親は弱さを持ちつつも同時に他人に縋れる人間なのだろうね。だから離婚の2年後には再婚できる
対して父親は選ばれる場面で何も言わず、ブチャラティに視線も向けない。弱さを持ち、それを訴えられない人間。

父親が麻薬取引犯に撃たれた後、ブチャラティはナイフを持ってベッド下に潜んでいた。これはベッドで眠る父親が見る中で、これまで支える対象だった父親が守るべき対象へと変わり、それによって麻薬取引犯が再びやってくると予想し待機するに至ったのだろうね
そして父親を守り続けるためにギャングとなった。凄い覚悟だ

ブチャラティにとってギャングを続けるのは誰かを守るため。だから彼のチームに誘われた者も誰かが守り導いてやる必要があった者ばかり
彼らは父親を慕うが如くブチャラティに恩義を感じている。フーゴ達はブチャラティが受け持つ護衛任務の最後が失敗するなんて疑わない。このまま組織の上を目指せると思っている
しかし、ジョルノと志しを同じくしボスの打倒を考えているブチャラティはフーゴ達の眼を見返すことが出来ない

ブチャラティは不安がるトリッシュに優しい言葉をかける。これまでは任務の最中である為に余計な言葉は使わなかったのに。父親との関係に悩むかに見えるトリッシュは、ブチャラティからすれば無用な心配をしているように見えてしまう部分もあるのだろね
かつて父親を守ったブチャラティにとって、親子関係は絶対であるのだから、父親が子供を守らないなどある訳無いと考えてしまう
だからこそ、直後のボスの裏切りを理解できない。激しい怒りを覚える

組織の父親とも言えるボスのこの裏切りに対してブチャラティチームはどのような行動を起こすのだろうか?



普通


普通


とても良い

人を襲う絡新婦、人攫いが出ているからと守りを固める村、絡新婦を村に招き入れた男。こういった要素が揃えば、そこから始まる展開なんて惨劇以外を想像出来ないと言うのに、ラストは心温まるような締め方をするとは…!本当に本作は恐ろしいね

終盤でどろろは今回の話を総括して「世の中判んないよな」と言う。判ったつもりになって物事を判断してしまうと、後から全く違った側面が見えてきて驚かされることがある。

人攫いから守るため防柵が備えられ検問所まで存在する村。それならば豊かかと思いきや、実際は採石でぎりぎり保っている村であり囲いも村人を逃さないためのものだった
立て看板で人攫いを捕らえた者には褒美を出すとあった。となれば村は人攫いに困っているだろうと考えるのが普通。しかし、実際は困る理由は全く別のもので、褒美も存在しなかった
絡新婦は見た目からして恐ろしい妖怪。百鬼丸達と初めて会った際も男を喰っているように見えた。だから、どろろも人攫いは絡新婦によるもので退治すべき対象だと考える。しかし、絡新婦は精気は喰っても命までは取らない。人と妖怪が共に生きるのが長生きの秘訣だと知っているむしろ良い妖怪
眼の見えない百鬼丸はこれまで魂の色で倒すべき妖怪か判断してきた。第二話で見た目ではなく魂の色で倒すべき敵を判別したように、今回も魂の色を見て絡新婦を倒そうとする。しかし、二人の遣り取りを聞き、更には魂の色が変わったことで倒すべき相手ではないと判断できる。百鬼丸にとっては初めての経験

一方でそういった描写とは関係なしに弥二郎とお萩の触れ合いはとても麗しいものに見えた
弥二郎は茶碗に這っていたゴキブリを逃した上で「人も虫も同じだ。生きてることに変わりはねぇ」と言う。人によっては怒りかねない言動だが、蜘蛛である絡新婦にとって心揺らす言葉となる
自らの空腹を満たすために里に降りた絡新婦にとっては米だけでは足りない。しかし、弥二郎は自分の空腹を隠し、お萩に食事させた。ならお萩は弥二郎の精気を喰う訳にはいかない。お萩にとって傍に居るのが心地よい相手となった弥二郎が我慢するのなら、お萩も空腹はお互い様だと我慢できる

弥二郎は人と無視を区別せず、お萩は人と共生する分別が有った。お萩は「あんたみたいな人間には今後二度と出会えないだろうよ」と言う。それは弥二郎にとっても同じなのだろうなと思えるような内容だった



普通


全体
良い
映像
良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
普通
音楽
良い

今回はコードギアス新作を待ち望んだ多くの人の声に応えると共に同時にアニメ本編でルルーシュが土台となった平和な世界に疑義を呈す内容になっていたように思う

そもそもルルーシュはブリタニアが作り上げた世界への反逆として活動を始め、より多くの人が望む別の平和を作り上げた。けど、ありとあらゆる人が納得した平和ではない。今回対立したジルクスタンはそういった国であり、シャムナはかつてのルルーシュと同じように強者が作り上げた平和によって排他された弱者を彼女なりの方法で救済しようとした。相手の思惑や状況を飛び越えて世界や人々を操るシャムナは正にルルーシュと似たような存在だったわけだ。

それにしてもシャムナのギアスはメタ的にも面白いものだったね。死ぬことで過去に戻り采配を振り直す。これって視聴者的には昨年から続くコードギアス企画をまるでなぞっているかのよう。TVアニメでルルーシュは死んで終わった。それが総集編の形で再び描かれ、その中で話の取捨選択が有ったが最大の違いはシャーリー生存。これが分岐点になり映画ではシャーリーの存在がルルーシュ復活のキーとなる。
TVアニメからは決して成立しないルートだけに正にやり直した印象が強い

そして映画上ではTVアニメではやれなかった事が様々な形でやり直されている。
スザクはTVアニメでルルーシュの共犯者となってしまったがために、ルルーシュ死後の世界を全て押し付けられた不条理をぶつけることが出来なかった。それがルルーシュ復活によりその不条理をぶつけることが出来た。
ルルーシュは平和な世界の土台となったが、どのような平和が作られたかは知らない。それが神楽耶のアシストによってその一端を知ることが出来た。又、敵味方を問わず大勢の命を犠牲にした人間でもある彼は本来なら謝罪した上で断罪されなければならなかった人間。それがコーネリアとの対話の中でゼロの仮面を外し謝った上で、命令の形ではなく願う形で協力依頼する姿は良かったな
TVアニメでは視聴者のヘイトを集めた扇。一時は日本のトップになった筈の彼が一兵士の形で作戦に参加し、更にはルルーシュに謝ったのは意外だったなぁ。何と言うかあのシーンで扇は許されたような気がする
ナナリーはTVアニメラストの瞬間までルルーシュの真意を知らないままに過ごしていた。それが復活により、全てを知った上で再びルルーシュと会話できたのは良かったね。そして今度は互いが納得した上での別れ。この描写によりTVアニメラストで唯一悲しい想いをしたナナリーが救済されたかに思えた

そして彼女の為にこの映画は制作されたのではないだろうかと思えるのがC.C.。TVアニメではルルーシュとの「笑って死なせてやる」という約束は果たされないまま。それが形を変えて映画で果たされたのは感慨深い。
ルルーシュはC.C.と同じ不死となり、名前もL.L.と変え、二人で歩んでいくことになった。不死である為に孤独を強制されていたC.C.の生き方は変わった。もし終わりが訪れるとしても最後の瞬間にルルーシュが居るならば、きっとC.C.も笑顔になれるだろう。それが垣間見えるようなC.C.の喜びの表情はこの作品の最後を締めくくるものとして相応しく思えた

やり遺したことがやり直されたこの映画を見れたことは、TVアニメ放送当時、本作に熱中していた自分としてはとても喜ばしいことであり、改めてスタッフの皆さんに感謝の言葉を送りたくなった



良い

桐谷の人間性が判らない……。夏生にヤバイ距離感で迫ったと思ったら、美雨とも何やらありそうな感じ。仕事は完ぺきにこなすが変人という彼の思惑が今後、夏生達に大きな影響を与えそうだが……

後、話が進む度に夏生は好青年っぷりを披露していくね。適当にサボってもいいだろうチラシを全て配り、美雨との強制キスも回避。更には無理やり入らされた感もある文芸部の活動にも参加する気で居るとは
ここ数話で彼の評価が上がり続けている気がする

前回から続くももと夏生の恋人の遣り取り、そして夏生がいつの間にか美雨と親しい間柄になり、その絡みを目の前で見せられ揺れ続ける心境の瑠衣。
不器用で一直線な傾向が強く、陽菜に追いつくために平然と出会ったばかりの夏生と寝てしまうような瑠衣がこのように恋愛感情で心揺らすことになろうとはなぁ
夏生と再会した際はあの行為については忘れることにして家族として振る舞ってきた瑠衣。だというのに夏生に対して恋愛感情を抱いてしまったら、家族の境界線を飛び越えて男女として意識せざるを得なくなる。
マスターは心が向かうままに行動しても良いのではないかとアドバイスするけど、結局どうするか決めるのは瑠衣自身。彼女は今、家族と男女の関係性の境界線上に立っているように思える

そして、もう一組家族と男女の境界線上で揺れ動いているのは夏生と陽菜の二人。陽菜への想いを諦めることが出来ずに居る夏生と一度は夏生を男として扱ってしまった陽菜。
今度のデートでその揺れ動く関係性が家族としてのものに落ち着くことになるのか、それとも決定的な破綻を迎えてしまうのか、どちらだろう?



良い

生徒会第四のメンバー、石上登場回。
これは何と言うか随分とネガティブ思考のキャラクターだね。白銀とかぐやによる恋の駆け引きが行われているとはいえ、藤原書記によって和気あいあいとした空間が生徒会に形成されていることを考えると、ネガティブ思考の石上が絡めなかったのも道理というものか
だと言うのに、誰よりも早くかぐやの本性を知ってしまとは……(笑)
まあ、彼は思ったことを空気を読まないままオブラートに包まず伝えてしまうから自業自得の面があるのだけど。藤原書記の匂いに触れた上でいつもと匂いが違うと明言してしまうのは流石にキモいと言われても仕方ない

Cパートのネイルに気付いて欲しいんだけど、気付いてもらえなくてやきもきするかぐやは可愛すぎた



良い

浜面も一方通行も学園の暗部に関わる人間。だから彼らが罪を背負い、時にはその罪に追い詰められる展開は理解できる
けれど、ここに来て当麻の罪が提示されるとは思わなかったな

当麻の記憶喪失設定はインデックスを守るために始められたものだけど、その後当麻の記憶喪失について指摘するような人物はなかなか居なかったし、インデックスにバレそうになったことも無かった。だから、嘘の状況が安定してしまったのだが、それは嘘が無くなったという意味ではない。当麻がインデックスに隠し事を続ける限り、嘘という罪は消えずに残ってしまう
本作の中で誰よりも判り易い人助けという善で行動する当麻の唯一の罪。それに対して当麻はどのように向き合うのだろうか?

そして一方通行を追い詰めるために派遣されたミサカワースト。学園第一位を倒すためには役者不足だが、簡単に殺せることが逆に一方通行を追い詰めてしまう
かつて実験の過程で御坂妹を大量に殺してしまった彼は罪を背負いすぎている。普段の彼は自分を悪党だと定義して、悪事に手を染めることを肯定する材料としている。残虐な攻撃もこれが悪党の遣り方だと主張する。しかし、その遣り方をミサカワーストに向けることは出来ない。罪を背負った悪党が唯一守ると決めた者に対して力を向けてしまったら、それは悪党でも罪人ですら無い
一時はラストオーダーを守るために力を奮ったが、それはやはり彼を追い詰める結果を導いてしまう。あの一方通行が慟哭する姿は衝撃的
だが、その極限状態が逆に自分を襲ってきたミサカワーストすら守らなければという意識を持つきっかけとなる
ようやく一方通行もヒーローらしくなってきたように感じられる

一方通行が新たな次元に突入した段階で次回は当麻との再激突?あれから様々な戦いをくぐり抜けてきた二人がどのようなバトルを展開するのか、楽しみだな



とても良い

前回、起死回生の手として選んだ海への飛び込み。しかし、何でもすぐに凍らせてしまうギアッチョの前ではむしろ悪手となってジョルノ達を苦しめてしまう。でもそれによって別の道が出現し、事態打開に動いたのは確かなこと
今回はとんでもなく強いホワイト・アルバムを撃破するためにジョルノ達が様々な攻略法を試し、道を切り開こうとした回だった

前回ギアッチョを退けた植物生成は一度は失敗するものの、それによってミスタはボードを作り脱出する道が出来る。しかし、ギアッチョによって冷却が解除され脱出は失敗したかに見えたが、車の部品であった草が元に戻りギアッチョにダメージを与える武器に変化する道となる
ミスタは次にギアッチョが呼吸する穴を見つけ攻撃しようとするが、それはギアッチョに防がれる。ギアッチョはボルトを打ち込まれたことでミスタにはまだまだ自分を攻撃する道があることを理解する。だからそれを防ぐために更なる防御を固める必要性を抱く
ジョルノは状況の不利を悟りディスクの回収を優先するが、ミスタはギアッチョの撃破を優先する。それは結果として悪手となってしまう。だからこそ、その状況を打開するためには覚悟が必要となる
不利な状況がジョルノにもミスタにも暗闇を切り開く覚悟を固めさせる

そこからの攻防は素晴らしいの一言。
ジョルノの血で弾丸の通り道ができたと思えば、ギアッチョは空気穴を塞ぐ。跳弾によって吹き出した血はギアッチョの顔に張り付き、周囲を見えなくさせ鉄柱の棘に突き刺すきっかけとなる。吹き出した血はギアッチョを追い詰めもするが、それによって血を凍らせる守りとなる
極限の攻防は我慢比べとなるが、その長丁場がジョルノ到着までの時間稼ぎとなる。ミスタが切り開いた道はジョルノに届き、ギアッチョを真に撃破する道となる
本当に素晴らしいシーンだった

ブチャラティはミスタを誘った食事の席でブルスケッタを一時は4つ頼もうとする。4はミスタの忌み嫌う数字。もし、そのまま注文されていたらミスタはブチャラティの仲間にならなかったかも知れない。しかし、ブチャラティは何の導きか自分も食べる気になり4つの注文を回避した。これはただの偶然ではあるけれど、そこに運命を感じることは出来る。ミスタはこの瞬間にブチャラティ達と共に歩んでいくことを自分の道だと決めたのだろうね



普通


良い

「一口食うか?」と言われたのを良いことに鳥形態になってパンを全部食べてしまったフィーロ。これが「ちょっと食うか?」だったら別の結果だったのにね
今回の内容からは物は言い様というか言い方次第で物の見方は様変わりするのだなと感じさせた

ラフタリアは尚文との繋がりとして再度奴隷紋を付けられることを望んだが、かといってそれだけの関係性に満足しているわけでもない。尚文はフィーロに対して飼い主で、ラフタリアは娘扱い。そこにきちんと差はあるののだから喜んでも良いのだけど、ラフタリアは不満を覚える。彼女が言って欲しい関係性はまた別のもの
親に薬を届けたいという男に対して尚文は対価を要求する。人助けとして見るなら有り得ない言動だが、商売としてやっているからサービスとしてこっそり薬効果の上昇を付随することが出来るし、お礼ではなく対価として食料を貰うことが出来る
盗賊を返り討ちにした尚文は命が惜しければ宝をよこせと要求する。それを見たラフタリアは「悪人より悪人っぽい」と呆れてしまうが、商人は「全財産で神鳥の聖人より命を買った」と言う。まるで正当な取引が行われたかのように表現する
城跡の魔物は一番嫌に聞こえる声で尚文達を惑わせようとする。しかし、幻聴が解けた後の尚文の言葉も「簡単に捨てたりしない」などとそれ程優しいわけではない。けれど、見捨てようとしていないのは確か。だからフィーロは信じることが出来る。

尚文の言葉はいつもそっけない。戦後のラフタリアにも「一生残る傷なんか付いたら堪ったもんじゃない」と言い、魔法の服を手にしたフィーロに対しても「銀貨340枚か。きっちり働いてもらうぞ」と言う。
それらの言葉には優しさを感じにくいけれど、尚文の人間性を知っていればその言葉の裏に隠れた優しさに気付くことが出来る。だからラフタリアとフィーロの二人は尚文に懐いたのだろうね

何となく不安を覚えるのは元康が伝説の植物で飢饉に喘ぐ村を救ったという話。それを聞くと城跡で見つかった何かの種子が入っていたという空箱が頭をよぎってしまうが……



とても良い

「泣いたら負け」「泣きそうになったら歌うの」というミオの台詞が悲しい。その覚悟は一見強いように見えるけれど、悲しい思いをしている自分に気付いてくれる人が居なくなってしまう
本来なら自分が辛い思いをしていると誰かに訴えても良かったのかも知れないが、それを許してくれない時代に生きるしか無かったことが何よりも辛い

琵琶丸の「鬼神の居る道を迂回すりゃ良いことさ」という台詞が印象的。確かに道は幾らでもある。数多の道の中から敢えて一番辛い道を選ぶことはない
けれど、それぞれがそれぞれの理由で一番辛い道を敢えて選択している

百鬼丸は鬼神を倒すために旅を続けている。しかし、産まれた直後は生きている方が地獄と言われた百鬼丸も寿海の助けによってある程度普通に生きられるような身体を貰った。
それでも鬼神と戦う道を選んだのは奪われた身体を奪い返したいからだ

ミオも子供たちを守るため、青くて黄金色の田圃を手に入れるために男たちに自分の身体を差し出している。第一話の頃のどろろやその母が別のやり方で稼ごうとしたように厳しくても別の道を選ぶことは出来る。
しかし、戦で無くしたものを戦で取り返すと決めたミオは武士相手により厳しい道を自ら選んでしまう

多宝丸は親を喜ばせようと、自分の存在を訴えようと戦に出たいと願い出るが許されない。特に母親が自分以外の何かに心を砕く姿を知っている彼は親の愛をもっと得たいと藻掻く。けれども、あの母からすれば普通に生き長らえてくれさえすれば満足だということに多宝丸はきっと気付けない。
見方を変えれば彼も親から一身に受ける愛情を見も知らぬ兄に奪われていると考えられる

それらの行動は一方で取り返す何かが存在していると判っているから足掻けるものでもある
燃える中、ミオが泣きそうになった時に歌う声を聞いた百鬼丸。眼が見えず魂しか見えない彼はその幽かな歌を聞いた時になってようやく奪い返しようがない喪失が目の前にあると知る。喪失に怒り狂った百鬼丸は鬼神と見紛うばかりの殺戮を始めるがどろろによって止められる
ミオの命は奪い返しようがなくても、ミオが取り戻そうとした田圃の欠片はそこにある。ミオが負けなかったのなら、百鬼丸もどんなに悲しくてもミオに並び立つ為に自分の中にいる鬼に負けてはならない

敢えて辛い道を行く、それでも負けないように戦い続ける者たちの意地を見た気がした



良い

本作に置いてサイタマの実力は圧倒的であり、飛び級でS級認定されたジェノスをして「次元が違う」と言わしめるほど
けれど、そのサイタマの実力ってあまり周囲に認識されていない点は本作の特徴の一つとしてあげられるんだよね。ジェノスがS級なのはこれまでの活躍を見れば特に違和感はないのだけど、サイタマの活躍が全く知られておらず実技で異常な結果を出しているにも関わらず筆記試験の低さが原因でC級というのはちょっと理解しにくい構図
まあ、当事者のサイタマがその事実についてそれ程悔しがっていないから、気にする必要ないのかも知れないけど

むしろ試験を通してヒーロー認定される現状に「俺のなりたかったヒーローと違う気が」と愚痴るサイタマ。
第一話でサイタマが子供を助けるために怪人を助けたことがヒーローの道を進む始まりであったことを考えると、サイタマにとってヒーローとは強さをどうのこうの言うのではなくて、人を助けられる存在かどうかの一点に掛かっているのだろうな、なんて思ってしまった



良い

あのカップルは何故生徒会に恋愛相談に来るんだろうね?
白銀もかぐやもアドバイザーとしては酷い筈なんだけど、結果的に上手い具合に転がった為に、相談者の二人は更にお似合いのカップルへ。
それにしても共通の仮想的と言われて、この社会ですと返す藤原書記はクレイジーだけど、そこから腐敗した社会を連想するのはちょっと危なくない?でも、その決意の先にあるのが募金活動ならなんの問題もないのか……?
そもそも白銀とかぐやは他人の恋愛ごとにアドバイスする前に自分たちの恋愛をきちんとしなさいと言いたくなる

そしてどの話でも余計な横槍を入れているように見えて実はナイスアシストをしてばかりの藤原書記。特にBパートの話は彼女の苦労を心から称賛したくなる
あの面倒くさい運動音痴会長を周囲からわーきゃー言われるほどに育て上げるとは…



とても良い

何で座薬のシーンをちゃんと描かないし

瑠衣の件で父親は年頃の男女が二人という状況に不安を感じていたが、ちゃんと兄妹としてやれていると感動する。その言葉通り、夏生は様々な誘惑に晒されつつも瑠衣を妹として意識することで看病をやり遂げる。少し前に男女の仲になったとはいえ、それが関係性の全てになるわけではなく家族になる道も選択出来るのだと改めて示唆するようなシーン
けれど、夏生はまだ陽菜に対しては家族になりきれていない。陽菜もそれを知っているから少し微妙な空気が流れてしまう

そして新キャラのもも登場。お近付きに成れば酷いことになるとここまで感じさせるヒロインは珍しい
女子からは危険視され、男子からもヤバイという評価。こういった場合、噂が独り歩きしているものだけど実態はそれ程違わず。噂がどうあれ自分の意志で関わるかどうか決めると考えたド不器用な瑠衣ですら、話してすぐに「ダメ男製造マシーン」と評するほど

瑠衣は自分の考えでももとの距離感を決めたわけだけど、逆にももの方は距離感の詰め方が滅茶苦茶。
突然瑠衣に話しかけてすぐにぬいぐるみを渡し、翌日は瑠衣の顔をした物も渡す。夏生に対しても少し優しくされた程度で惚れてしまい、翌日には名前呼び要求+デートの約束、更に次の日には手作り弁当を用意し行為を目的として自宅に招いてしまうなど距離感の詰め方が早すぎる。
そのハイスピード展開は男性からすればお手軽な相手として見られてしまうもの。実際に夏生も陽菜を忘れるための踏み台として見てしまっていた。ももが付き合う男子が酷い人間ばかりなのはもものそういった傾向が関係しているのだろうね

夏生がもものに飲み込まれること無く、そして手首の跡を見ても引くようなことをせず、距離を取り直したシーンは良いなぁ
ももに必要なのは恋人としての距離感ではなく、まずは友達であると気付き焼きうどんを振る舞い、寂しい時は声をかけてと伝えた夏生
少し前までベッドで男女になろうとしていた二人がこのような遣り取りをしても欺瞞でしか無いし、ももは夏生が自分を使って片思いを忘れようとしたと知っている。それでも、ももに対してあのような振る舞いが出来る夏生は意地悪でしか無い
けれど、その意地悪はとても優しさと思い遣りに満ちた意地悪であるわけで。

別の意味でももの特別になった夏生に対して、今後瑠衣はどう感じてしまうのだろうか?



普通

レッサーは何で当麻にぐいぐい迫ってるの…?というか何で彼女はロシアまで同行しているのさ
でも、一番気になるのは当麻はあの格好で寒くないのかという点。制服ってそこまで万能な代物じゃないと思うんですけどね……

ロシアが学園都市に宣戦布告するというヤバ過ぎる状況。そして期せずしてそこに集結する三主人公にかつて戦った敵達。
これから始まる展開に期待したくなる陣容だけれど、どうなるのだろう?



良い

ギアッチョは何であんな些細な言葉のニュアンスでブチ切れてるの?そういうのが気になっちゃうタイプなの?

リゾットは自分のしている行為が組織への裏切りであり、ボスに殺されると判っていても突き進むことを止めない。写真の復元をさせた男に対しても右手右眼さえあれば良いと生かし帰すつもりもない。
一度トリッシュを狙って行動を始めてしまったのなら、もう後戻りはできず前に進むしか無い。今回はそのような心境を感じさせるような内容だった

ベイビィ・フェイスは亀の糞が顔についたことで当初の目的を忘れ、メローネの命令を聞かずにジョルノを倒そうと突っ走る。対するジョルノもブチャラティを助けるために、そして自分自身の成長を確かめるために喋れるようになっても仲間を呼ばずに一人でベイビィ・フェイスを倒そうとする
その勝負は本来は前に進むための道具であるバイクが重石となることでベイビィ・フェイスは動けなくなる。そしてジョルノはベイビィ・フェイス撃破に留まらず、本体のメローネですら倒してしまう

ペリーコロはボスの指示によりブチャラティ達に次の指令を与える。ペリーコロは自分が動いていることがバレてしまっていると、トリッシュをボスのもとへ届けるために証拠隠滅の手段として写真を燃やし自分の頭すら撃ち抜く
後戻りできず、かと言って前に進む必要が無いなら止まる方法は自分の命を止めるしか無い

ヴェネツィアへ渡る橋を走っている最中にジョルノ達は襲われるが、ギアッチョの能力によりブレーキを掛けられなくなり車は暴走するように前に進み続ける。身体も凍り続け最早後戻りはできない状況に追い詰められる
ジョルノとミスタの協力プレイによって危機を脱しても、追って来るギアッチョから逃げるために止まるわけには行かない。追いつかれないようフルスピードで進むしか無い
こうなったら、考え方まで前向きなものになってくる。ミスタのバレたのが亀でなくて良かったというのはジョルノが評したように非常に前向きな考え方

けれど、ジョルノはミスタほど前向きには成れていない。だから、後戻りが出来ず前に進むしか無い状況だからといって正直に直進する必要がないことに気付き、起死回生の手として選んだ海に飛び込む道を選べる

非常にスピード感ある展開が続き、とても満足できる内容



普通


良い

ラフタリアに無駄遣いを窘められる尚文。二人の姿はまるで夫婦のようだ

交流とは一方通行ではなく双方向のもの。だから自分のした行いで相手の態度が変わったりするし、その反応で自分自身も変わるきっかけになったりする
今回はそんな事を感じさせる内容だった

災厄の波を乗り切った勇者たちに報酬が与えられるわけだけど、いつもの如く尚文だけが差別される。これまでであれば、尚文を庇う者はない為にその不条理を受け入れるしか無かった。しかし、前回の決闘の不正、そして災厄の波で尚文だけが村を守ったと知っていた二人の勇者は王の決定に異を唱える
それでも酷い態度を崩さない王に対して尚文が激高しかけた際、ラフタリアは尚文を庇った上で嫌味を一言残して去るという華麗な切り返し。
又、街に出ればリユート村の親戚だという店主が親切にしてくれる。
これらは尚文の尽力や優しさによって為された変化。それを受けて思わず彼もありがとうと返してしまったように様々な場所や人、そして尚文自身に変化が起こっていると感じさせる

対して株の暴落が止まらない元康。あんなに小さな村にやってきて早々に通行税をふっかけるのは幾ら何でも無茶があるだろうに
彼は尚文とは逆に周囲に居る者の為に何かをしている様子はないし、むしろ尚文などを相手に嫌な態度を取り続ける。それによって周囲からどのような態度を返されているかを全く理解していない。だから元康が変化するきっかけは存在しないまま
だから変化し成長している尚文と止まったままの元康が並ぶと途端に彼の器の小ささが目立ってしまうし、レースでは卑怯な手を使い続ける元康陣営に対して尚文はほぼ正攻法で勝ててしまう
最早元康には挽回の機会がないままなのだろうか?

ラストにはフィーロが早速人間形態に。このあまりにも早い成長も尚文がきちんと世話して心を通わせたからなのだろうな
だからっていきなりの全裸姿でご主人様呼びには驚かされるが



良い

ああ、そうだよなぁ…。地獄のような世界で女手一つで稼ごうと思ったら必然的に手段は限られてくるよなぁ……

ミオがあまりにも残酷な現実を見せつける一方で百鬼丸にも試練の時が
これまで彼は身体を取り戻すことを目的として旅をしており、何か部位を取り戻すごとにまるで新しい感覚を楽しんだり驚いたりするような表情を見せてきた
けれど、新たに戻った耳は彼に衝撃をもたらす。魂の形という微かな存在だけで周囲を観察していた彼にとって音による情報はあまりにも膨大なのだろうね。ただ、このような衝撃はこれっきりかといえばそうではなく、今後眼などが戻ってくれば更なる試練が彼に訪れるのは想像に難くない
更にラストでは以前取り戻した生身の足を鬼神に喰われてしまった。もしあれが作り物の足であれば味わうことのなかった苦しみ
失ったものを取り戻すということは、それによって喜びだけでなく苦しみも持ってくるかもしれないということなんだろうね

音のある世界には初めて触れて、でも慣れなくて耳を塞ぎ体を丸める百鬼丸。そんな彼が出会ったのが母性的魅力に溢れたミオであったのは印象深い
彼女は身寄りのない子どもたちの面倒を見つつ、彼女ならではの方法で働いていたわけだけど、もちろんその方法を楽しんでいるとか誇りを抱いているなんて欠片も思っていないことは百鬼丸が魂が見えると知ったときに襟元を合わせた描写から明らか
けれど、彼女がその方法を止められないのは子供たちを守りたいから。戦によって多くを失った子供たちを守りつつ、戦で失ったものを戦から取り戻そうとするために武士たちを相手にする道を選んだ
ミオも百鬼丸と同じように失ったものを取り戻す中でまた別の苦しみを味わってしまう

そして醍醐景光は百鬼丸やミオとは逆の状況になりつつある。
彼は自分の子供を生贄にして平和な領地を手に入れたのだけど、百鬼丸の活躍によってそれが脅かされている
戦に面している味方に兵糧を送ろうとするが、日照りが続いているために自分たちのために米を取っておくことを考えなければならなくなった。もし全てを守ろうとするのであれば、再び自分の子供を犠牲にしなければならない。
醍醐景光はせっかく手に入れた平和を失う恐怖に直面することになった

身体を取り戻したことで弱くなった百鬼丸。取り戻すことが必ずしも良いことではないと囁いてくるような回だった



良い

無免ライダー&音速のソニック登場回

無免ライダーは弱いけど、サイタマという圧倒的強者がどんな敵だろうとワンパン撃破してしまうせいで、どうにも忘れがちになってしまうヒーロー人情の部分を一身に背負った人物なので結構好きなキャラクターだったりする。
ただ、弱いから活躍の機会はないのが残念なのだけれど

何故か、敵のハンマーヘッドとシンパシーを感じ逃してしまったサイタマ。今回、彼は「趣味でヒーローをやっている者だ」という台詞通り正式なヒーロー登録をしていないことが発覚
自分がヒーローをやって怪人を倒しても何も変わらなかったと独白していたサイタマ。もし、ジェノスが現れず誰にも感謝されないままヒーローを続けていたら、世の中を憎みその力を民衆に向けるようなことも有ったのだろうか?あまり想像できないな



普通


とても良い

子供と大人の境界線の向こう側で陽菜がどのような生活をしているのかが垣間見えてくる序盤。4時間も立呑したり、お笑いライブに行って満喫したり、それでいて生徒の相談も聞いていたり。これらは大人ならではの余暇の過ごし方であるように見える
だからこそ、夏生にはしっかりと「大人」をしている陽菜が不倫をしているのが理解できない

喫茶店で鉢合わせてしまったシーン。夏生は自分の持っている情報だけで判断し柊に掴みかかる。しかし、それでは相手を理解した上で反対する道には繋がらない
だから、四人はテーブルに付き同じメニューを食べることになるのだけど、誰も食事を進めない。同じテーブルに着いているように見えても想いの共有はできず、間に分厚い境界線が引かれ続けたまま話は進んでいく
この構図は一方が不倫カップル、もう一方が不倫されている女性の家族となるのだけど、夏生はただ家族という枠組みに収まることが出来ない。柊の人間性を多少知っても彼の考えを受け止めることが出来ないし、テーブルの向こう側で繰り広げられる恋人のような遣り取りに焦燥を抱く。ここで夏生は陽菜の弟という立場ではなく陽菜に想いを寄せる男として柊に反感する
だから、ここで夏生が柊に暴力を奮っていたらそれは「男」としての暴力であり、瑠衣が行った「家族」の立場としての水掛けには敵わなかっただろうね

後のシーンで行われる柊と陽菜の遣り取りはちょっと凄まじい。
柊は夏生の話を出す。夏生が自分たちに反対するのは陽菜が好きだからだと説く。それに対して陽菜は大事な家族が悲しんでいるのを見て距離を起きたいと話す。微妙に論点がずれている
ここで柊がした行為は卑怯なもの。陽菜を抱きしめ「女」として扱いつつ、君はどうしたいのかと家族の問題ではなく個人の問題だとすり替えようとする
もし、先の喫茶店のシーンで先に動いていたのが夏生だったらこの時の陽菜の選択は変わっていたのかも知れないね

ラスト、陽菜と瑠衣の二人は夏夫の墓参りに混ざる。元は橘家の人間である二人は藤井母の墓前へ参る必要はない。けれど、この三人が家族であるなら話は変わってくる
どこか線が引かれたままだったあの家の住人がようやく家族になれた瞬間であるように思えた

ただ、不安なのは本当に陽菜は不倫を辞められるのかという点。ああいうものは一回始めるとずるずる続いてしまうイメージがあるけれど……



Loading...