作品タイトルがサブタイトルになっているだけ有って、作品の集大成感が強い回
他人に絶望していた夕日が尊敬できる大人に出会い成長し、今では年少組からヒーローと見られるように
でも夕日が成りたかったのはたった一人の為のヒーローか…
夕日の成長は描ききっているからここで描かれるのはさみだれの内心。夕日にどう魅了されてきたか
姫であり病のあるさみだれは、騎士団であり長きを生きる仲間達と一線が引かれている
だから手に入らない物に焦がれ、手を伸ばす代わりに拳を向けたわけだ
そんな彼女にとって最高のヒーローはやっぱり手を差し伸べてくれる存在だよね
筆頭は夕日として、他の騎士団も夕日の手が届くようにサポートした。あの結果を見ればさみだれが独りだなんて思えない
星を砕く物語は終わり、彼女の希望が守られた様は大団円として納得できるものだね
あとは絵が良ければなぁ……
魔法封じに洗脳に敵の大群、これでもかと重ねられた危機的事態に立ち向かうおじさんとアリシアのバトルは素晴らしいね
本作っておじさんが圧倒的に強すぎるものだからこういう制限状況での戦闘は新鮮
アリシアも勇者として急成長しているし
だからそんな強者二人の違いが目につくわけだ
精神の均衡を崩すものは忘れるおじさん、記憶がないから記憶を大切にするアリシア
ここでおじさんがアリシアをただの異世界人と見ていれば彼女の意思を切り捨てたのだろうけど、そうでないから彼女を尊重し嘆願も聞く
それが結果的に二人が並び立つ、親しい存在になる絆となるのかな。又、アリシアとの大切な約束を守ろうとする点が何よりもおじさんの中でアリシアが特別な存在になっている証明だよね
……それで居ながら他者から向けられる恋愛感情に超鈍感というか無で対応できるのはもう本当に人間性がどうかしていると思うけど(笑)
四課の壊滅を知り呆然と涙を流す早川の反応が真に迫るだけに、人の死を何とも思ってないデンジ達、マキマや岸辺の異様を通り越した異形が目につく
悪魔が恐れるのは頭のネジが緩んでいる者。そう思えばあのように人間の道を踏み外している者達が生き残ってしまったのも納得だし、早川が普通という点にも納得してしまう
これまでもデンジのネジが緩んでいる点への言及は何度か有ったけど、今回は強烈。呆然自失の早川を前にして林檎を横取り、泣けない事を疑問に思っても深く考えない。果ては幼児還り…
ここまで来ると共感不可能な主人公だけど、一貫した個性だから逆に主人公として完成されている
ネジが弛んだもう一人岸辺と絡む事でデンジとパワーの個性が面白く映るね
指導という名の狩りに勝ち目はない。でも何処まで続くか知れない道を前に戦意を失わず進み続ける二人は頼もしい
あと、眼鏡かけたらインテリに成った証と思い込んでるの頭のネジがゆるっゆる過ぎて最高
大好き
対して早川は人為的にネジを緩めようとしている…?
惨劇を知りながら悪魔への復讐の為に戦場へ戻ろうだなんてまともではない。でも岸辺の基準では不合格
手紙を思い出し軸がぶれたように歩く姿にこそ彼の本質が詰まっている
悪魔に更なる代償を差し出そうとする彼は無理にネジを緩めようとしているかのよう
確かに早川は長生きできそうにないね…
女装男子が混ざる作品で性別入れ替えネタとか尖ってるなぁ(笑)
翼をお姫様にする事はできるかもしれない。でも同時に周囲を変えてしまう行為だから、その中で思わぬ反動も生じてしまう
翼が可愛がられるよりリッカの髪が騒動の中心になってしまう構図は喜劇めいているね
後半は自分をお姫様にしてくれる幻覚が巻き起こす騒動か。まあ、千代の幻覚は方向性が違ったけども(笑)
都合の良い夢を求めたら食われてしまう。教訓めいた話であるだけに、これから食べようとするエリンギが自分を食おうとした相手に見えるというオチは奇抜
最近は桜井のジム通いやら、宇崎が妙に距離感意識したりとかで二人の関係は揺らぎ始めていた。でも二人の間で揺らぐ程度じゃ停滞と同じ
だから二人の関係を面白がらない第三者の助言が必要となるわけだ
桜井父は真っ当な人間ではないけど、言っている事は正論。力で勝てない相手だと言葉でも勝てない
桜井父もマスターも藤生も桜井にとって人生の先輩。悩める若者に告げられる言葉なんて幾らでも持つ。それに桜井は勝つ必要なんて無いから素直に受け容れられる
…ただ、藤生は自分が第三者だと思っているからあのような助言が出来たわけで。桜井と藤生が真実を知った時、どのような波乱が巻き起こるか楽しみですよ(笑)
そうして桜井が宇崎との関係を真面目に考え始めて、二人の関係も遂に変わるのかと思いきや、宇崎のあまりにアレな言動に笑ってしまう
そういや、最近のラブコメ度合いが高まったストーリーで忘れてたけど、本作って宇崎のうざ絡みを楽しむ作品だったね
あんなんじゃ桜井も素直になるなんて難しい(笑)
新興宗教と勘違いされるおじさんの家、実態は宗教よりも異端な異世界鑑賞に興じているわけですが
でも、実際おじさんはセガを宗教の如く心の支えにして異世界を生き抜いたのだから彼は宗教家のようなものかもしれない。だからたかふみ達も異世界話に夢中になれるのだろうし
宗教家のような生き方をしているから常人とズレている。人の記憶をすぐに消そうとしたり、大事な話を聞かなかったり
そんなおじさんと付き合おうとするなら、エルフだって少女を脅すなんて非道に出なければならない
…なのにおじさんはエルフを振り切って一人で寝ようとするのだから大概だけど(笑)
アリシア達も混ざりわちゃわちゃ感が増す状況でもライバルになりかねない存在にマウントを取るエルフは隙がないね
ただ、指輪の経緯を省略している辺り、なりふり構ってられないだけとも言えるけど
かなりズレてるおじさんに合わせるように色々ズレてきたエルフ。ここにアリシアがどう介入してくるか楽しみですよ
人間性の保持が許されない必死の戦場。人質を取れば攻撃されないなんて常識は通じず。必死の戦場を制するのは人間らしさを捨てた者だけ
マキマとコベニが生き残っていた点は嬉しいのだけど、同時に彼女らが示した人外的な在り方がデビルハンターとは生易しい職業ではないと突きつけて来るかのよう
いや、それにしてもマキマの存在が改めて恐ろしい…
これまでも彼女に悪魔的な要素を感じてきたけど、今回はそれを超越している
死んだ筈が生き返って、生者を用いて死者を生み出す。更には部下達の死や恐怖にも鈍い反応
まるで神の戯れを見ているのではないかと錯覚してしまう
デンジを助けたのは姫野が早川へ向けた想いの残り滓、荒井は銃撃後すぐにコベニの盾になった
瞬間的な何かが欠けていたら助からなかった神懸かり的な展開。でもそれを実現したのが人であるならば、この悪魔的状況も神様の力を借りずとも変えられるのではないかと思える。けど、コベニ等の様子を見るに人の心では耐えられないのだろうな…
あまりに大きすぎる損害を被った公安
喪われた命は多く、早川は姫野消失の衝撃から立ち直れそうもない。コベニも公安を辞めてしまいそうで、デンジも全快するのかどうか…
誰も彼も大きな傷を抱えてしまった中で、出張に来た同僚を迎え入れたかのような雰囲気を崩さないマキマだけが本当に異様だ……
距離が近いと遠慮も配慮も無くなってしまうのか、桜井と宇崎は
突然脱げと促す桜井も、ホラー映画が怖いと抱きつく宇崎も、最早恋人を通り越して家族のよう
だから宇崎用の布団だって当たり前のように有るし、下着もストックしようなんて考えてしまう
それが逆に働くのが桜井家か。知らない間に妹が生まれてたとか割とヤバい話な気がする(笑)
家族として遠慮がない関係だから配慮を忘れ帰省を疎かにしてしまったのが原因か
クリスマスという一大事を前に家族がフォーカスされたのは桜井と宇崎がそういった関係に近づく前フリでないかと思えてしまうね
4人の間に嘘があるという事は当人達や周囲に開示されていない情報があるという事
エスパーやら宇宙人やら女装やら。そういった日常では有り得ない要素が半蔵の襲撃を台無しにしてしまう展開には笑ってしまうね
あと、軽々しく子供を作ろうとするリッカ怖い
4人の間には嘘が存在し続けているから全てを明かせない。嘘で形作られた穏やかな日常を守る為には新たな嘘を吐かなければならないし、嫌われる勇気も必要
それらが完全にコメディとして笑える展開になっているのは好印象
お互いの為に嘘を吐いているのにとばっちりで苦々しい思いをする関根と翼は御愁傷様(笑)
というか、翼(剛)は折角男子校に通えるチャンスが有ったのに自分からフイにしてしまうのか
彼にとって自分の在るべき場所より親しい友人が居る場所の方が居所と感じているようで
自分の場所を守る為なら奮闘する。それは千代にも当てはまるポイントか。だから昔は可愛がっていた半蔵にも容赦しない
今回のリッカはやらかしとアシストを同時に発揮していたね。しかも無自覚に
関根にとっては最難な存在、千代にとっては救いの存在。半蔵にとっては予想外の宇宙人
……改めて考えると忍者の任務を妨害する宇宙人って特殊すぎて意味が判らないな。だからオチの「オリジナルブレンド」なんて台詞も意味が判らなくて嵌まるのだろうけど(笑)
辿り着いてはいけない、もしくは辿り着けない終点。FFにとっては絶対死の罠、徐倫にとっては無限の空間
終点と自分の間には距離が有り、そこには障害も有る。ただ、アナスイと協力して緑色の赤ちゃんに対峙した徐倫より独りでプッチに立ち向かったFFの方が不利なのは仕方ないけどそれにしたって……
元々はただのプランクトンがスタンドにより知性を持ったFF。そんな彼女にとって自身を構成するスタンド能力よりも思い出を重視していたのか
知性を持った時がFFの始点。ならば重視する思い出の象徴たる徐倫に危機を知らせる事こそ今の彼女にとって終点
だからこそ終点に至る為の水道を罠に変えてみせたプッチの悪辣さが目立つ
近づく程に縮小するなんて、距離が存在しないも同じ。辿り着けない終点
なのに徐倫は終点は存在するとの信念から飛び込むわけだ。それが道を開くと
アナスイのした事は面白いね。終点に辿り着けないなら、自分達の行き詰まった場所こそを終点とする。更には終点の先の道すら作り出してしまう
この逆転劇からも彼の有能さが見えるよ
果たして赤ん坊は敵か味方か
現状は赤ん坊が徐倫に懐いたことで、赤ん坊がプッチという終点に辿り着く事態は取り敢えず防げたようで
ただ、赤ん坊が謎の存在である点は変わらず。プッチより承太郎より徐倫という終点を優先してしまうアナスイが余計な行動を起こしそうだけど……
おじさんを勘違いさせるエルフの言動がテンプレ外しのラブコメを誘発しているんだけど、一方でおじさんの人を勘違いさせる言動はラブコメじゃなくて余計なトラブルを誘発している気がする…
指輪渡して「俺の気持ちだ」とか他にどう勘違いしろと(笑)
おじさんとしては本当に精霊の声が聞こえている。けれどそう語る彼はどう見てもヤバい人にしか見えなくて
常人には理解できない感性を持ち精霊の声を聴くおじさんを理解するのは難しいし、そんなおじさんに惚れてしまったエルフの言動を理解する事はおじさんですら難しい
だからってエルフが指輪の為に身を滅ぼしかけた横で安易に指輪を渡すのは地雷原を全力疾走するようなものだけど(笑)
泥塗れで同じくらい汚い二人。オークもエルフも無くなったと思いきや、清潔感の壁は高かったか……
ホント、おじさんはもう少しエルフに優しくしたらそれだけで関係が激変しそうなんだけどなぁ(笑)
空いた口が塞がらないとはこの事か……!
前回の酷い呑み会を受けての冒頭から、穏やかなデビルハンターの日常に戻っていくかと思わせて、呆気なく日常が壊れ人の命が失われ……
以前存在していたものが全て無くなってしまうかのような衝撃ですよ……
だからこそ痕跡を求める動きが見られたのかな…
デンジを自分で連れ帰ったのに、敬意を覚えていないどころか、性行為に誘う姫野。ビールを飲んでいたように、彼女は前夜の痕跡を求めている。それはマキマに夢中な早川への苛立ちであったり、呑み会の楽しい記憶であったり
その流れでデンジを誘っている
デンジが姫野の誘いを断るのも同じく痕跡に拠るものだね
眼の前だけ見れば流されて構わない。でもポケットにはマキマが自分を思い遣ってくれた痕跡。それが有るからデンジはマキマへの純心を通せたのかな
その後、自分の中にあるポチタの痕跡に謝るのはデンジらしさに溢れた言動
…からの後半がもう衝撃的すぎて……
前フリも何もない強襲と強者。死を理解した姫野が自分を犠牲にしてでも早川を助けようとしたのは自分という痕跡を彼の中に残す為か…
姫野が消えた痕跡に瞠目する早川は何を思うのか……
4人は嘘を吐いている。そこには危険も含まれるから時には友達さえ巻き込んでしまう恐れが有る
関根を契機とした冒頭の展開はその象徴。それを理解しているから関根も研究所送りを受け入れる
寂しい展開を変えるのもまた嘘から発展した勘違いである点が本作の面白さだね
関根の不在を歌手デビューと勘違いするリッカ、そこから更に翼が誤解しているのも面白い
けど、それが関根を救うわけだ。リッカと翼に共通する考え、納得出来ない事は辞める
それは嘘吐きであっても受け容れられるから脱出する決意が固まる
関根はリッカの嘘の中身を知っている。けど知らないフリで遣り過し
二人の嘘は嘘のまま。だから困った事があった時は自分で何とかするとの関根の言葉も嘘
その温もりを感じ取れる内容だったね
…からの怒涛のカイジパロはギャップが有りすぎて大笑してしまったよ!
王国軍や教会のロジックにも司令官の倫理観にも勝る体罰凄い……
いや称賛しちゃ駄目なんだけど、ああまで雁字搦めになって変えるのが難しくなっていた認識をワンサイドゲーム的に変えた田淵先生は本当に凄いなって…
ほんと称賛しちゃ駄目なんだども(笑)
おじさんが田淵先生に頼るのはそもそも対人能力が低いから
アリシア達のダンジョン攻略も手伝ったのに、それを失敗扱いして記憶消去、攻略後も記憶消そうとしたり。ゲーム脳のおじさんは他人の都合を考えない
それが妙な勘違いや擦れ違いをコミカルな感じに描いてくれるから、本作は面白いのだけど
それだけにアリシアがおじさんを含めた4人での冒険を忘れないと言ったのは嬉しかったんだろうなぁ
それが見えるのが終盤のシーンか。司令官に謝れと促しつつ、アリシア達なら許してくれると考えていた。そう成ったのは、アリシア達との交流を通して、異世界で少しだけ他人を信じられるようになったからなのかな?
不可視で正体不明のヨーヨーマッによる攻撃、徐倫は必死になって謎を解こうとしているのに、アナスイは我関せずヨーヨーマッを無力化してFFに任せますか(笑)
相手の攻撃が予想不可能であるならば、予想を不要とする攻略法を用いれば良い。それはチーム連携として正しいかもだけど、スタンドバトルとしてそれで良いのか?と突っ込みたくなるよ(笑)
予想不可能という意味ではFFもそのような事態へ
プッチはこれまで通り、影に潜んで黒幕として動き続けるかと思いきやFFの前に躍り出ますか
骨の暴走によって予想外に天国へ近づけた。だからこそ手掛かりとなるDアンGを逃せない。結果、誰も予想していなかった行動に出ると…
ヨーヨーマッ以上の驚異が出現した今、FFは勿論危機的状況だけれど、DアンGの暗殺が難しくなった事で間接的に徐倫達の危機も続く。けれど双方共に遠隔地にいる味方の状況は判らない。予想が許されない
こうまで誰にとっても容易でない展開に成ってくると、頓珍漢に徐倫に迫り続けるアナスイが予想外の癒やし要素と思えてきてしまうよ(笑)
とてもじゃないが平静には見ていられない、初々しいにも程がある桜井と宇崎の遣り取り
名前を呼べない理由を大真面目に考えて、大真面目に「特別だから」とか気付くなんて中学生か?とツッコミたくなる
そして気付いたのに進展しないとか中学生じゃん…とツッコミたくなるよ(笑)
中学生通り越して高校生の桐はシニア層相手に無双しようとか目立ちたがりな中学生か?それでいて無双失敗とか恥ずかしい……
そんな彼を更に追い込むのは桜井ですか。彼は宇崎家を様々な角度から混乱に追い遣るね
最後、桐が男の尊厳でも大敗北して終わる点には流石に同情してしまう(笑) 相手が悪かったんだ……