白銀とかぐやのすれ違いラブコメは二期になっても変わらない面白さ
第一期ではいい感じになりかけたシーンとか有ったはずなのに、この一話ではそんな気配は微塵も感じさせないのが、なんとも……
早坂があれだけ舞台を整えているのに全く進展しない白銀とかぐや
それを嘲笑うかのように何処まで進展してるか不明な柏木カップル
進んでいるはずなのに関係はちっとも近づかない。双六上の遣り取りがまるで現実を反映しているかのような構図は面白いね
いや、そしたら白銀は藤原とくっつくことになってしまうのだけど
個人的には白銀と藤原のお祝い金としてリアルマネーを取り出すかぐやの姿に笑ってしまいましたよ
ゲーム主人公がアニメ化された際、個性が薄いとか、物語への関わり度合いが低いとかは見た事あるけど、知能が感じられないって初めて見るパターンかも
……記憶を失ってるから仕方ない面はあるけど、お金をもぐもぐするとか一周回って可愛らしいのかもしれない
でも、それ以上に可愛らしいのがヒロインたち
主人公を母親のように面倒を見るコッコロからは多大な母性が感じられるし、トラブル発生時のバッテンお口も非常にキュート
ペコリーヌは腹ペコキャラなんだけど、その分とても美味しそうに食事をしているね。また、人の悪意を疑わない純真さも好評価
そしてヒロイン達の可愛らしさを描くだけに留まらず、戦闘シーンがダイナミックに動いている点には驚かされた
第一話でこれならキャラが増えて物語が動くようになったら、更に素晴らしいシーンに出会えるんじゃなかろうか
それでも、幼児退行したかのような主人公が理知的になるシーンは想像もできないのだけどね(笑)
一部界隈では大人気の悪役令嬢モノ。本作はそれに則った作品なわけだけど、こうして見ると悪役令嬢モノとして必要とされる要素を第一話で判りやすく示しているね
物語的には悪役ポジションだからどうしたって最後には不幸になってしまうのは決まりきっている
だからそれを回避するためには並々ならぬ努力が必要だし、時には本来のヒロインに恋するヒーロー達を奪わなければならない
ただ、ここで打算的に動いたらそれこそ悪役なわけで
カタリナは憎めない天然タイプだけど、キースに手を差し伸べる姿は格好良く主人公然としているね
本人としては破滅フラグを回避しているつもりが主人公が立てるべきフラグを成立させてしまっている面白さ
こうなってくると他のヒーローともフラグを立ててしまうんじゃないかと思うけれど、そうなってしまったら今度は本来の主人公との兼ね合いが問題となってくる
本作がどのような方向へ進んでいくの興味が湧いてくるような第一話だね
何はともあれ、悪役令嬢なのに畑を耕したり、木登りする姿があまりに元気溌剌としていて微笑ましい気分になってしまうのでした
原作既読
ベテラン漫画家の久米田康治先生の自伝的要素を含みつつ、でも自伝じゃないしギャグ漫画でもない作品の正体は可久士と姫の遣り取りがとても尊い作品なのです
下ネタ漫画を描いている事を隠すために二重生活ならぬ二重仕事をしている可久士
何があっても姫には描く仕事をしていると知られてはいけないと必死に漫画に関わる物を隠そうとする可久士の姿は面白おかしい
と言うより、ベテラン漫画家である久米田先生が描く漫画家あるあるネタが本当にツボにハマる(笑)
漫画家として色々な作品を作ってきて、色々なやらかしのある久米田先生だからこそ描けるあるあるネタの数々は漫画を好む人には容赦なく刺さりそう
そうしてしょうもない漫画家ネタで話を転がしつつも要所要所で姫の純真な発言で話を締め、それに対して可久士が父親としての言葉を返す
コメディ描写とは全く異なる空気感で描かれる後藤家のゆったりとした親子の時間
これがとても尊いものに見えるからこそ、姫が可久士の隠し事を知る未来の話へ本編がどう繋がるのか気になる作りになっているね
ペテルギウスや指先を打倒しながらも死んでしまったスバル
あと一歩という所まで行ったからこそ、今回のエピソードからは「今度こそ!」という想いをひしひしと感じるね
死に戻りを理解してすぐに意識憑依について話したスバル。また指先が居る場所にも先回りして行動を封じている
事前準備の無い情報開示には危うさを感じるが、彼が「今度こそ」ペテルギウスを確実に倒したいとの想いがあるからか
意外に見えたのはエミリアの前に出たこと
エミリアとの間に色々有ったスバルからすればエミリアの前に出るのも緊張する筈。その緊張を無視しても村人に嫌われていると考えているエミリアを説得し、且つ子供達にも根回ししてるなんて随分周到に思える
でも、それもやっぱり「今度こそ」失敗したくないから
それらの労力は正しく報われる
村人は事前に逃し、商人に紛れていた指先も騙す
ペテルギウスにも前回より慎重に接近し、対策としてユリウスとの協調も充分。
全てが前回よりも素晴らしい出来栄え。それらの描写は終盤の物語を彩るに相応しいものだね
23話も22話と同じ構図が続く。
スバルは望む場所に至る為に更にユリウスに踏み込みつつ、ペテルギウスの指先に懐に挑み続けなければならない
それだけでなくハーフエルフを恐れる村人達の心にも踏み込まなければならない
それらを越えないと手に入らないものが有る
流石にこれらは難行となったけど、ここでも助言をくれるフェリスやスバルの言葉を補強するラムの存在が力強い
諦めず、下を向かず、戦い続けたスバルだからこそ到れる局面
遂にはユリウスと曖昧な言葉だけで意思疎通が図れるようになった描写からはスバルの著しい成長を感じさせたね
遺恨ある相手との和解、ペテルギウスや指先との戦い。幾つもの試練を越えた先に待っていたのはまさかのスバルが操られるという展開
ようやくエミリアの前まで来たというのに……
スバルは自分が死ぬしかない状況を越えられるのだろうか?
因縁有るユリウスと行動を共にすることになったスバルが向かうのはこれまた因縁有るペテルギウスの元
けれどそれらを越えた先に待つエミリアにこそスバルは謝らなければいけないわけで
スバルにとって試練となる回
スバルがまず踏み込んだのはユリウス相手だね
ただ、この場面は先に礼を口にしたユリウスの方が大人か。彼の言葉があったから、スバルも彼に対して以前の非礼を詫びることが出来る
両者が互いに譲り合い、そして踏み込んだ為に越えられた遺恨
大嫌いだと伝えあった事で二人の丁度いい距離感は定まったようで
次にスバルが対峙したのはペテルギウス。恐怖も憎しみも有るはずなのに、それらを越えて囮となる道を選んだスバル
ここでも彼が相手の懐に踏み込んだお陰で奇襲は成立する
スバルの姿勢が打倒ペテルギウスへと繋がったわけだ
ただ、ここで終わらないのが厄介な驚きであったけど……
因縁が終わらないなら、味方を死地に追いやった悔恨があってもスバルは姿勢を変えてはいけない。変わらずに戦い続けなければならない
ヴィルヘルムの言葉は俯きかけてしまったスバルに必要なものだったね
最終回ではどんなキャンプをするのかと思いきや……
良い意味で野クルらしい、へやキャンらしいキャンプになりましたな
場所は校庭で、食べるのもツナ缶鍋にマシュマロと手が込んでいるわけではない
それでもいつもと変わらず温かいキャンプ模様に見えるのは梨っ子スタンプラリーでの蓄積が有ったからこそ。ぱっと見は寂しいキャンプでも、ラリーに関する思い出話や裏話をするだけで楽しい空間になる。想いがこもったキャンプになる
楽しいをたくさん教えてもらったなら、今度は自分が知ってる楽しいをたくさん教えたくなる
野クルがなぜこれ程までに「楽しい」に満ちた空間であるか、伝わってくるかのような最終回だった