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良い


良い

杖が前面に出るとその回のキーワードにはどうしても『想像性』を挙げたくなるね
シャミ子は杖の活用法を様々に考える中で桃とどうなりたいか?自分は役に立てるのか?桃はどう生きてきたのか?
そういった点をどうしても考えてしまう。その様子がひしひしと伝わってくるね

杖のあれこれが始まる前のミカン宅訪問
一見するとズボラ感満載の部屋。けど少女が慣れぬ土地で突然一人暮らしを始めたと考えれば仕方ないかなという気もするし、桃からの無茶振りが頻発する事も考慮すれば大目に見るべきかなとも思う
ミカンの汚部屋という宜しくない印象から、彼女の来歴を想像する事でミカンの人となりが改めて見えてくる

ミカンに対して想像を広げれば、話の中で出てくる桃についても想像してしまう
ただ、ミカンの話から過去の桃を想像しても見たこと無いから想像は広がらない。だからこそ、シャミ子は夢を通して覗き見ようなんて考えてしまったのだろうね。想像する為に見る
まあ、自分でブレーキ掛ける辺り、シャミ子って本当に良い子なのだけど

改めてシャミ子に杖の使い方を考えさせる後半。うちわなんて判定が怪しい棒は作れるのに、空想の武器を模した棒は作れない
これは先述したシャミ子の人の良さと、見たこと無いものは想像できないという点も関係している
だから、結局はゲームで見たずるい武器くらいしか満足に作れない。これはまだまだ修業が必要なようだ

他に、リリスと良が念願の対面をした点を話の締めに持ってくる構図は良いね
互いに深い結び付きを持ちながら対面が叶わなかった二人は互いを想像していたと言える。だから良はリリスの見た目に驚いてしまった
次からは驚かずに済む、想像を介さぬ交流をと思っても念写力の不足で想像を補えないラスト。リリスはまだまだ想像の世界から脱せないようだ(笑)



とても良い

風邪で寝込む和、運命の日を思い出す一果。モヤモヤして動き出せない感覚を雪と共に語る事で独特の雰囲気を醸し出していたね
二人の運命の分岐路に居る雪平巴、彼の人となりが見えてくると同時に一果の父代わりとなる和の立ち位置も見えてきたような

実家を継ぐ道が危うくなっていた和にとって、自由な音を響かせる巴は未知なる道と未来の象徴かな
巴の跡を追うようにしてギターを続けても巴にも自分の道にも出逢えなかった
結局、帰った実家で菓子を続ける事が巴との再会に続く道であり、自分の道かもしれないというのは不思議な話

雪の日の判断で捨てられたと考える一果にとって、雪は孤独と停滞の象徴かな
寒々しい雪は身体だけでなく心も冷たくする。一果の和への対応も出会った頃まで行かなくても素っ気無い感じに
一果の心を温める存在が有るとすれば父だけかもしれないが、その代わりを和が担っていたね

モヤモヤする風邪が雪と共に去った和は雪を停滞と思わない。雪を見てはしゃぐし、一果の時間が停滞したあの雪の日の続きをするかのように雪だるまを作り始めて心を温めた
おまけに手作り善哉で身体まで。もしかしたらこの日のお陰で一果の中で雪の意味合いが変わったかもしれない

「雪が溶けたら何になる」なんて問い掛けが某作品であったけど、和もあの彼女と似たような答えを返すんじゃないかと思ってしまう
雪によってあまりにも大きな寒々しい感覚に身を浸してしまった一果。そんな彼女に手を差し伸べた和は、一果に有り余るほどの温かさを与えてくれる存在になっていると思えるね



普通

何度も衝突して、素直に認められなくて、その間に戦争まで始まってしまって
沢山の回り道をしたリオン達が自分の認識を改め、何を一番に望んでいるかを理解するエピソード
主人公がヒロインとの間柄を認めるというその一点を時間を掛けて描いただけ有ってクライマックスに相応しい盛り上がりを見せたね

リオンに焚き付けられた学生達による反撃。それは貴族らしからぬ第一印象を覆し、更には虐げられていた男性陣の頼もしさも見せつけるものに
また、リオンから貰った御守の力を借りてオリヴィアとアンジェリカが戦場をひっくり返す場面は強烈
それは強大な力を持つリオンに付いて行く資格が有るのだと訴えているかのよう

オリヴィア達は互いの会話によって自分が望むもの、相手に望むものを認められたようで
そうして心を定めたなら、幾らリオンでも逃げられない
間違いだらけの世界にとって間違いかもしれないオリヴィア達との関係。それでも望むなら、認めなければそれこそ間違いになる
迷いを振り切ったリオンによる大暴れを期待したくなる続き方だったね



とても良い

部への昇格という今までと異なる未来を夢見て浮足立つ同好会の様子はどこか新鮮
一方で未来を想うからこそ、その未来に自分が居ない点も想像できてしまう果林の孤独が徐々に描かれる構成から、全員集合で終わる本作には虹ヶ咲らしさが溢れていたね

部に昇格しての公式大会、同好会としての自分達を肯定する為に選ばなかった過去の道
今更選ぶわけないからって、何も想像しないわけじゃない。あり得なかった未来を想像して、けれど今を肯定したなら、今から続く未来の為に時間を使うのは当然の話
ただ、未来像にずれが生じるのが三年生組となるわけか

同じ時を過ごす同好会の中で、学年という別の時を持つ三年生組は卒業を想像せずにいられない
けど、そこで必要以上に寂しがるのではなく、三年生組も未来への希望を持って今の時間を肯定するというのは良いね
過去や未来が有るから今は有る。今を続けていくから未来へ向かえる

今の集大成としてのファーストライブ、これを聞いて皆が果林達の居る場所に駆け集まる描写は素晴らしい
色々とバラバラな部分があって、仲間だけどライバルな同好会。同好の士が紡ぐ2つ目の物語はゴールというよりも、スタートと言える目標を見つけられたようで、見ている私達もその未来にワクワクしてしまうね

今回は同好会としての時間、学年としての時間を想像させる描写が目立ったけど、他の時間に関する描写も有ったね
生徒会長の未来を目指す栞子、作曲者の未来を進む侑。歩夢にも何らかの知らせがあったようで
同じ時を過ごしつつ「バラバラ」が趣味嗜好以外にも広がる一抹の寂しさもつい感じてしまうエピソードだったね



とても良い

あれだけ苦労して立体音響ホラー創り上げたのに、自分で壊すミコに笑ってしまう。いや、あれはイチャツイていたカップルが悪いのだが(笑)
ホラー目的と違う楽しみ方をされても、好反応を引き出せたという意味では楽しだ者勝ちなのだから良いのだけどね…。良いのだけどね……

出来ない子を出来るようにと面倒見た藤原としては、白銀の評価を崩さない目的は達していたけど、「努力して克服した」という一点で萌葉が好感触を抱くのは想定外な事態
地獄目当てのお手玉等も普通に良いのだから手に負えない。いや、それはそれで正しいのだけど(笑)

結局、萌葉の中で白銀のイメージが下がるどころか高まるのは、白銀の実像を知る藤原としては何とも言えない事態か
一方で萌葉の認識が実像からズレているかと思えば、同じく白銀に惚れるかぐやと意気投合出来てしまうのだから、萌葉もなんだかんだ白銀の魅力を正しく理解できているんだろうなぁ

ホラーが的外れに終わった石上はとんでもない的を当ててしまったね!
石上はハートの目的を知らず告白のつもりなんて無いのに、子安は目的を知っているから告白として通じる勘違い展開(笑)
脈なんて無さそうだった石上・子安ラインが繋がる兆しが見え出した……?それを白銀が自分勝手な思惑で見守るのは別の意味で面白い



とても良い


良い

正攻法でない変則的な遣り方がまかり通る面白き日常が描かれていたね
桃が強制闇堕ち状態になったのは精神だけ闇堕ちなんて変則的な眷属化をしていたから。闇堕ちを正攻法でも邪法でも直していなかったから、問題の根幹を放置すれば闇は顔を出してしまうわけだ

前回は光のショックを与える方法を取ったけど、これは闇の魔力を霧消させる意味では正攻法だけど、変則的な遣り方の後始末としては不適当だったのかも
だから真の対策も変則的なものが求められる。闇堕ちの解消に手作り弁当なんて妙な話だけど、これこそ桃を闇から救うのだから仕方ない(笑)

魔法少女桜による大量の罠、普通なら魔力的な罠を想像するのに物理トラップに使い魔のオンパレード(笑) してやられる桃の姿は貴重
ここで弱点が分かれるのが面白いね。桃は物理トラップにやられ、シャミ子は使い魔にやられる。相手が想像と異なる攻め方をしてくるから上手く対応できない

シャミ子は使い魔の弱点を突くのではなく、乱れ打ちという邪法で攻略。正攻法でなく変則性がまかり通る面白い描写
だから結末も変則的なものに。宝物はすり潰され残ったのは想い出だけ。でもそんなの誤魔化しだから悲しさは無くならない。今回のシャミ子は流石に気の毒だったかも(笑)



良い

暖かい春を待つ冬の季節、そこで出逢うのは過去に想いを置いてきてしまった人たちか
春に向け想いを一新したい。その為には今抱えている想いと付き合い方を改める必要がある。そういった事を感じさせる話だったかな

和が出逢った男性が気にしているのは些細な事ばかりだけど機を逸したままだから足が進まない。墓参りして今までを改めたいのに、改めた自分でないと墓へ向かえない
和の解決策が良いね。中途半端だから心を決められない人へ中途半端な自分が作った菓子を渡す事で折り合いをつけさせたわけだ

未熟だから、知り合いだから。それは詭弁だけど今の男性にとっては負担なく折り合えるポイントだったのだろうね。そして中途半端だから次を約束できる。その『次』は再びの墓参りも含むのかもしれないね
……和はあの男性が再訪する前に未熟者からの脱却が求められてしまったけど(笑)

名前イジりは小さい時分には響くし引きずってしまう。まだ自分の名前との付き合いが短いから、名前の魅力を知らなくて他人の意地悪を跳ね返せない
だから小梅は嫌いになりそうな名前よりも好きなアニメヒロインの名前の方が折り合いをつけられそうだったのだろうね

お鶴さんの記憶に眠っていた過去の恋物語。親に許されず、許されない事を許せず。折り合いをつけられなかったから開かなかった恋の花
とても長い時を超えて吹いた梅の風。未開紅を好きと知って「良かった」と呟いたお鶴さんはあの頃を温かい記憶として捉えられたのかな

祖母の来歴や名前の由来を知り、自分の名前を大好きと言えるようになった小梅。彼女にとって『小梅』という名前がとても格好良くて、そして綺麗なイメージを抱けるようになったのだろうね
そういった変化にとても心温まるエピソードだったよ



普通

アンジェリカにもオリヴィアにも謝れないリオンを他所に突如深刻さを増す事態
それはリオンに謝らなくて良い口実を与えているかのよう
でも、口実を得ているのは何もリオンだけではなかったのかな。誰も彼も立ち向かわなければならない相手から目先を変えるものを求めていた

西洋風世界での和風夏祭りと世界観滅茶苦茶な中でのお参り。三人は疎遠な筈だけど、巫女には友情を願っているかのように見られていた
口を開けば諍いの言葉が出ようと神様へ願う際には言葉は出なくなる。祈りを口実に三人は一時的に以前の空気に
一方でオリヴィア達がどのような願いをしたかは示唆する程度に抑える描き方は憎いね

公国の宣戦布告にアンジェリカだけが人質になる展開。国を背負う貴族が揃い踏みしている筈が気骨の有る者は居らず。アンジェリカが進み出た事で彼らは無力な被害者となる口実を得た
だから公国の使者の言いなりになるし、状況も打開できない
それをひっくり返すのが目上の存在だろうと戦いを挑んできたリオンであるのは痛快

リオンは戦おうとしない彼らを煽るわけだけど、それは彼らに公国に立ち向かう口実を与えるものになっているね
公国は恐ろしくてもそれ以上にリオンが憎い。それが誇りを無くしていた貴族達を立ち上がらせるきっかけとなるわけだ
これはいつも通りなリオンの役目となるけど、いい加減オリヴィア達との仲直りもして欲しいものだね



良い


良い

第2期になってから視聴に覚悟が必要なエピソードが多い印象だっただけに今回みたいな同好会の和気藹々を純粋に楽しめるエピソードは貴重に思えたり
かすみは部長の威厳を示そうと四苦八苦していたけど、彼女の尽力があったから今回の話は成立しているんだよね

普段は可愛さにこだわるかすみが今回は部長としてのこだわりを見せる
目論見通りにならない様は行動が空回りしているように見えるけど、かすみが口実にした「親睦を深める」という意味では大成功しているんだよね
部長の威厳はあまり認められてないけど、かすみの発案と行動が有ったから同好会は親睦を深める機会を得られた

その恩恵をもっと設けたのが嵐珠だね
誰かと一緒に居られない悩みを抱いていた彼女は今回のお出かけにも悩みがあった。望みは有っても彼女一人では踏み出せない。前回のミアのように彼女の手を引っ張る人物が必要
その役割を今回はかすみと栞子が担っていたね

かすみが嵐珠に示したのは素直さ。栞子が嵐珠を導いたのは本音。二人から滅気ずに行動する勇気を得た
まず練習に栞子と写真を撮って、その際に猫が見つかる好経験をしていたから踏み出せた
嵐珠の望みが同好会親睦の証となるラストは良いね。嵐珠達が同好会に受け入れられたのだと感じられたよ

かすみの裏で今回最も貢献したのは璃奈かな。果林に発信機をつけ迷子防止、散策ゲームを作って皆を楽しませ
初期は目立つアイドル達に隠れがちだった璃奈。普段からの貢献や前回のミア含め、今となっては同好会になくてはならない人物になったね

あと、「綺麗だね、月」と言っていた歩夢は短いシーンながらインパクト大……



普通

今と結びつかないグレていた白銀。彼の目を覚まさせたのはかぐやの行動か
かぐやには打算があった。けれど表舞台しか見えなかった白銀には無償の行動に映る。そのズレが白銀がかぐやに惚れる理由になって、かぐやが今の白銀に惚れる理由になったわけか

白銀はそのようなかぐやに惚れ込んだわけだけど、見返りを求める事は悪ではない
それを示すのはかぐやの紅茶。一人の為に極めた技術は白銀にこそ捧げられるものだけど、一方で技術そのものがかぐやにとって恋の証。侮られたなら目的である会長より優先度を上げて見返そうとする

何故ならかぐやは会長に美味しい紅茶を飲んで欲しいわけだけど、会長だけに飲ませたいわけじゃないし、その紅茶で告白したいわけじゃない
かぐやが望む見返りは1つだけ
さり気なく紅茶を出して、当然のように「美味しいな」と言って貰える。かぐやにとって行動の見返りはそれで充分なのだろうね

悩む石上に助言する三人は深刻な話じゃないから見返りを求めない。むしろ助言の中で恋の先輩風吹かせたり惚気けたり
その果てに石上の誘いが通ったのは二人が抱く「美味しい思いがしたい」という見返りが釣れたからかな

それぞれの恋模様がじっくり描かれる様には焦れるようなワクワク感を抱いてしまうね



良い

奔放な人物は多くても自由人は少ない本作にて、上司の白澤や魔法少女の桃を惑わすリコは大物。彼女が喋り倒しているだけで面白いが、彼女に翻弄される者に取っては堪らない
でもリコは仲良くなりたいという純真な善意で近付いてくるのだから尚更厄介だ(笑)

弁当相談に訪れたシャミ子に斜め上の助言をするリコはヤバい……
けどその後の調理指導は真っ当だし、弁当箱まで面倒を見ている
自由奔放なリコの台詞は彼女の本質を誤魔化してしまうけど、場が楽しくなれば良い以上の事を考えてないと捉えれば彼女を好意的に見られるのかもしれない
多分……

ただ、冷静に相手と向き合おうとする桃にとっては苦手なタイプ。本人に言えない不満をミカンに言ったのに聞き取られてしまうし、小動物へのスタンスも異なる。あと、シャミ子との時間も妨害されたわけだし
桃と仲良くなろうと接近した際もシャミ子の姿で自身を誤魔化してやってくるのだから桃にとってリコは何一つ好印象を持てない厄介者に見える

おふざけが過ぎるせいで判り難いリコの本心。それでもちゃんと話し合えば判り合える余地はある。例えばお弁当を囲む時間を持つとか
ただ、話に寄り道が多いから時間が掛かってしまうのが難点で
お目当てとは触れ合えなかった桃。リコのモフモフや善意で誤魔化された気分になるけど、こうした誤魔化しで少しずつ蟠りを解いていくしかないんだろうなぁ(笑)



とても良い

誕生日とクリスマス、幸せを祝って、幸せを願う特別な日
和は保護者代わりとして一果の誕生日を気にしていたけど、和だって誕生日を持つ一人の人間。和を祝おうとする人達は確かに居るし、祝われる側の和だって誰かの幸せを願う事が出来る

母との約束に怯える一果、それは母から祝われたい、母に幸せを伝えたいという想いがふいにされた経験があるから母を信じ切る事ができない
でも、母と完全によりを戻すのではなく、祝う気持ちを受け取り、母に祝う気持ちを伝える約束なら受けられる
一果と真理にとって貴重な一歩目になったのかな

和に季節を知らせる柚子羊羹が和の幸せを願う象徴というのは温かい気持ちになるね
和の誕生に合わせて作られた絞り器。自分の誕生日を祝う気になれなくても、兄弟のような絞り器は壊れたままにさせられない
和にとって絞り器を直すと決めた事が誕生日の祝い事のようなもの

そして問題のBパート。いや、流石に美弦の誘いに佳乃子連れていくのアウトでしょ……
5話で表面上は折り合いをつけた佳乃子と美弦でも、時が時だけに競争心を完全に無くせるわけじゃない。相手の行動や心境を分析して「自分はどれだけ和の心に届いているのか」と考えずにいられない
それはもしかしたら祝い事の空気を壊しかねないもの

でも、和にとってあの夜はあくまでも相手の幸せを祝って、相手の幸せを願い合う場。だからプレゼントは純粋に喜ぶし二人が一番喜べるプレゼントを渡せる
……まあ、それでも危うい流れであった事は変わりないけど。一果が願うようにあの三人にとって幸せな何かが訪れる事を願うばかりだよ(笑)



良い

オリヴィアの慟哭に向き合えないリオンの弱さが目立つ回。ルクシオンやミレーヌの力を借りて好き勝手してきた彼はだから成長していないからオリヴィアと向き合えない
対してリオンに負けて駄目駄目になったブラッド達に成長の萌芽が見えるのは面白い構図かも

オリヴィアに挑戦や失敗をさせなかった為に成長が阻害された
見方を変えるとマリエの愛を得る挑戦を手にし、リオンにより大きな敗北を得たブラッド達は成長が促進されたという事になる
苦手分野に挑戦しリオンにすら頭を下げた。それは以前の彼らなら考えられない行為
まあ、ユリウスは変わらず酷い有様だったけど(笑)

状況を変える為に甲板に飛び出たオリヴィアの決意、そしてブラッド達の成長はゲームにおける理想の在り方に近付いたかのようにリオンに映るのは残酷
ゲームのキャラとダブらせて目の前の人間を見てしまうから、自分をモブだなんて扱ってしまう。オリヴィアとの間に壁を作ってしまう

ブラッド達に功績を譲ろうとしたのは自分に失敗を与えようとした動きとも取れるのかな。オリヴィアを慰められず、アンジェリカから平手され、おまけに功績すら手に入れられないとしたら、それは大きな失敗となる
でも願い虚しくそれすら昇格へ。他者の力を借りるばかりで成長を得られないリオンに求められるのはモブから脱却しようとする挑戦なのかもしれないね



良い

諦め去ろうとする嵐珠の心境を、パートナーであり似た立場のミアを通して描いたエピソードだったね
嵐珠は誰かと一緒にやるなんて無理だと諦めた。ミアは自分の夢を叶える居場所が無いから諦めていた
そんな二人を変える始まりをあの璃奈が担う構図は本当に憎いね

夢に手が届かないからと、「遣り切った」からと去ろうとする嵐珠の諦めを許さないミア。この違いは手を伸ばす先の違いか
嵐珠は憧れた同好会に近付いた上で手を伸ばしても届かないと知ったから諦めた
対してミアが手を伸ばす先は嵐珠でも同好会でも無い。伸ばす先を履き違えているから嵐珠の諦めを通せない

テイラーのステージではミアらしく歌う事が許されず、且つ居場所まで失った
ミアが求め手を伸ばしているのは自分らしく歌えるステージとなるわけだから、その夢を嵐珠に重ねてもいつまでも届きはしない
そんな彼女に、自分のステージで自己実現を達成した璃奈が寄り添う構図は良いね

ミア・テイラーではなくミアとして夢に手を伸ばす
それを知ったミアなら嵐珠に別の話が出来るわけだね。諦めさせないのではなく、夢は掴めると教える。その為の自己実現のステージ
そうして手を伸ばす先を変えたミアの姿を目前にしたからこそ嵐珠も本当の夢を明らかにせざるをえないわけだ

ソロからユニット、そして皆へ。一人から皆へ繋がった絆の形。そこに孤高の嵐珠は入れる余地が無いように見えて、実は嵐珠の在り方が同好会に影響を与えていたという事実
なら嵐珠が同好会に入れない謂れなんて無い。そして入ろうとするなら夢を掴む手を再び伸ばしたという事であり
新たな自己実現、それを友達と歩み始めた彼女のこれからが楽しみになるラストだったね



良い

兄のファッションに散々文句を言い放つ圭。白銀を気落ちさせるその言動はけれど、「白銀御行は格好良い」と見せたいし言われたいとのブラコン的な想いがそこに有ると思うとニヤニヤしてしまう
センス皆無な兄を着飾る苦労、望んだ一つを得る為なら圭は厭わないわけだ

遂に白銀への好意を自認し早坂にも打ち明けたかぐやの変化は驚き
自覚したばかりの恋を叶えたくなるが、告白の勇気を持つのは難しい。だからって諦められる程、欲していないわけじゃない
白銀への告白に悩むかぐやの様子はそれだけの恋心を抱いているのだと伝わってくるね

団長と大仏の件は驚きというか、普通に子安と付き合っているものかと……
それを知って直情的に動くのではなく、子安に告白出来る特別な人間になってから動くという石上の姿には覚悟を感じさせるね
出遅れる可能性があっても、彼女に相応しい人間に成りたいという本気の想いが見て取れる

皆が皆、望むたった一つの月を手にする為に動き出した文化祭。
「告らせたい」という意地から始まった物語は「告りたい」という本気へ
副題の『ウルトラロマンティック』が決して軽い気持ちで付けられたものでないと判る展開にこれから文化祭がどのような場になるのか楽しみで仕方ないよ



良い


良い

大きなエピソードが終わった後は整理する時間が必要。それは絵日記だったり小休止だったり
それなら学生らしく夏休みを満喫したい。けど、夏は独りで満喫できるものではない。そうして満喫を分かち合いたい相手、桃やミカンを求めるシャミ子にはニヤニヤしてしまうね

独りでは夏エネルギーの行き場はない。誰かと分け合ってこそ。独りで夏アイテムをフル装備するより、桃やミカンと屋台巡りをした方が楽しいに決まっている
それは夏祭りだけでなく、夏休みの宿題にも当て嵌められる点は学生の夏休みっぽさに溢れていて良いね

一人と一人では宿題に対する意見が分かれて進まない。けどそこにトラの赤ちゃんという別の要素を加える事で夏を楽しめると知れる。宿題も頑張れる
途端に桃に宿題を勧めていたシャミ子が引っ張られる側に回ってしまうのはモチベーションの違いが見えて面白いというか、桃ってそんなに猫科の動物が好きなんだ(笑)

そんな賑やかな中で見えた寂しさ。孤児として一人だった頃の桃が抱えていただろう感情
なかなか素直じゃない桃がポロリと零した望み。これを眷属とか桜に頼まれたとかそういう理由ではなく、桃が笑顔になれる日々を取り戻せるようにと奮起するシャミ子の様子には心温まるね



良い

佳乃子へ向けられる「何で京都に?」 それは行動の中身を問う言葉
茶道を楽しむ為でも和菓子を味わう為でもなく和の為。かといって復縁に向け行動しているわけでもない
中身が伴っていないと自覚しているから、意地を張った時から変わっていないと不安定になる

そこには実家に戻って和菓子の道を進む和の中身は自分が寄り添えるものなのかという不安もあるのかな。今の和はバンドよりも和菓子に一直線になっているようにみえる
ただ、以前の佳乃子はきちんと相手の中身を見れていたような。栗を被った和の姿に最初は絶句しても、その後は魅力を理解している

被り物に誤魔化されず、中身から和の人柄を見ていたのがズレてしまったのは和が現状より実家を優先してしまった際か
和の中身に自分が占める割合が低かった事に納得できなかった時から和の中身が見えなくなってしまった
また、和の人柄が変わったように見えるのも理由かな

一方でバンド時代も和菓子を被っていた点から、元々の中身は何も変わっていなかったと知れるのは面白いね
和の心にはずっと和菓子が有って、それはバンド時代も変わらず、だから実家に戻っても変わらない
なら、あの頃の佳乃子が見ていた和の中身だってきっと変わっていない

別れた際は「洋菓子が好き」としか気持ちに被せた言葉しか伝えなかった
だからこそ、気持ちの中身を伝えるべく「和菓子も好きだから」と言えたのは良かったね
変わったのではなく、変わってないと伝える二人の交流。なら関係性も元通りの形にできる日も来るかもね



とても良い

奇妙な世界構造ながら第一話から確かに存在した身分格差、それが遂に牙を剥いた印象
人間扱いされたいとか自分はモブだとか嘆いてきたリオンがオリヴィアから「私は人間です!」と訴えられる衝撃。自分への卑下がいつしか大切な相手をゲームキャラと扱ってしまっていたわけだ

空賊退治に挑む理由を説明する際などから明らかなように、リオンは完全にあの世界をゲームと捉えているし、王子達もオリヴィアもゲームキャラと捉えている。だから自分もモブ扱い
かと言って、王子達に一欠片も人間性を見出していない訳では無い点は少し面白いかもしれない

ブラッド達は恵まれた特別な立場のキャラではなく、彼らなりの苦労が有ると認識できている
また空賊も人間だと認識し、それを殺す事で自分が普通じゃ居られなくなる事を気にしている
後少し認識を変えればリオンは世界すら捉え直せるのだと思わせる

それが出来ないのはゲームの知識が有る為だね
ゲームでオリヴィアは主人公だった。ゲームに自分は居なかった。それが認識の歪みを生んでいたのかな
キャラは何でも知っている。でも人間を知ろうとしなかった
オリヴィアの糾弾はリオンにオリヴィア達と向き合う必要をこれでもかと訴えているね



とても良い

嵐珠と同好会を対比するような回
嵐珠はジェットスライダーの助けが無くても自分一人の力で輝いてみせた。それは孤高のスーパスターそのもの
対する同好会は皆で助け合い一つのステージを作り上げる。でも全員で一つではなく、全員が『一人』を持ち共鳴し合い『皆の虹』となった
そういった違いを感じたかな

ソロで挑む嵐珠に対し同好会は「お互い頑張ろう」「応援しに行かないとね」と嵐珠を一人として扱わず皆に含めるかのよう
その象徴がジェットスライダー。学園中を巡る船は学園そのものが嵐珠を応援する意味を体現しているかのよう
けど嵐珠はそれを必要としなかった。人から与えられるものを求めない

これは侑の引っ掛かりに通ずる要素
侑は同好会だけでなくファンや嵐珠に与えられる答えを曲に込めようとしたから行き詰まった
でも、侑の初期衝動はそれじゃないんだよね。与えたいから同好会に入ったのではなく、アイドルのファンになったから同好会に入った。支えたいと思ったから同好会に居る

アイドルの全部にときめいたから、ときめきを伝えたい。与えられたから、与え返す。これこそ侑の答えだよね
同じステージに立つわけじゃない。でも皆のステージを作り上げる
同じ曲を歌うわけじゃない。でも皆が歌えるように伴奏で支える
それが侑や同好会だけの答えじゃないのはペンライトの輝きが教えてくれるね

侑がステージの一部でピアノを披露するというクライマックス、更に全体曲が披露されてボルテージが最高潮になった後に描かれた侑の安堵の表情、見事に魅了されましたよ、ええ……

2回目のフェスによって示された虹ヶ咲の新たな答え。これを前に嵐珠は何故去ろうとするのだろう…?



良い

文化祭という大イベントを前にしての準備回。けど、準備の意味を飾り付けだけの意味に留めず、本番へ向け意識も整え直しているように思えるね
これまで蓄積してきた経験を研ぎ澄まし、そうして文化祭をより良いものにしようとしている

実行委、というより子安の雰囲気に同調しつつ補足意見を出せる石上は経験の蓄積が活きている。けど馴染みないミコは雰囲気から浮き針のむしろ
そのまま終わるかと思いきや、キャンプファイヤーという本音から変わるのが面白い

避難されるのはいつもの事。そこで突っ走るのもいつもの事
けど突っ走った果てにこれまでの経験の蓄積を元手に報われる展開は良いね
誰もがやりたいとは思っていた。でも無理だからと諦めていた。それをミコの本音と実直さが切り開く描写は確かにアガる

白銀は風船すらあのザマなのか……
でも普通の人が普通に出来る事を出来るようにする為に孤軍奮闘してきた白銀はいわば経験蓄積の宝庫。それは経験の蓄積ではなく理想の再現にて好成績を残しているかぐやにとって魅力的に映り、惹かれる理由となるのかな



良い


とても良い

芸事では先達が作った完璧な物がどうしても目に入るから、それを目指さなきゃみたいな気持ちになるのかな……
でも、完璧な物は完璧ではなく失敗に拠って作り上げられていたり、そもそも完璧に作る事が目的とされていなかったり
そういった事が伝わってくる少し素敵なエピソード

完成形だけを見れば誰をも魅了する芸術品も小さな技の連なりで出来ている。同様に職人の仕事も、助っ人へ最初に任せるのは掃除
関係ない、又は美しくない物の積み重ねで完璧は出来上がる。緋色の仕事熱心さは褒められる点だけど、彼女が見下す和の人懐っこさも一果が言うように大事な技術

和菓子の体験教室、これも完璧を前にしての実技と言えなくもないのかな
平伍が手本で作るのは完璧な形。そこに上手く作れる一果まで居れば、どうしても「上手くない」が見えてしまう
それを失敗だと笑ってしまえば、その人自身の否定にも繋がってしまう

でも、あの場ではそもそも完璧を目指す必要なんて無いわけで
和の公私無視も激しい非難とならないし、和菓子作りも美しさより楽しさが優先される
完璧でないと決め付けて笑うよりそこに有る可能性を尊重する
別の見方をすれば、母親も完璧でなかった接し方を改める機会となったのかもしれないね

完璧さを目指すのではなく、夢を目指しいつか褒めて貰いたいと目標再設定した緋色
最後には和菓子を美味しく食べれて、母親の言葉に笑顔になれたみゆ
どちらも良い変化だったね

それはそれとして、何度失敗してもひょうきんさを失わない和って実は最も強いのかもしれない、なんて事を思ってしまったよ?



普通

婚活や世界構造の珍妙さよりも人間関係にフォーカスされた分、リオンの小物感が目立つ内容になっていたね
けど小物は小物でも気持ちの良い小物。ルクシオン頼りで無双しつつも最終的にはピンチに陥る。このバランスが彼を嫌味な人物にしない要因となっているのかも

リオンは小物だけど一応の弁えはあるんだよね。カーラを助ける理由はオリヴィアの為だし、レースに出るのもアンジェリカを困らせない為。
リオンは傍若無人に振る舞うけど、守るべき者の為なら理不尽も受け容れている
そういった理不尽を受け容れつつ、その先で自分勝手に振る舞うから気持ち良いキャラになるのだろうけど

またリオンの良い点は自分勝手に振る舞った先でジルクに拠って理不尽な目に遭っていたクラリスにけりを付ける機会を与えた事か
また、他にもオリヴィアとアンジェリカとの仲が戻るように助言もしている
悪役のように振る舞いつつ嫌味にならない程度に誰かを助ける彼は主役ではないかもしれないけど主人公としての貫禄は付けつつ有るように思えるね

そういや、もう一人の小物として台頭して来たのがマリエかな。こちらはこちらで笑えるタイプの小物に成りつつ有るような
ハーレムは完成している。けれどそのハーレムによって苦労している。おまけに前世の恋愛でも厄介な男を引っ掛けていたようで
リオンもマリエも大物になれないタイプなのに、厄介事の中心に居てしまうのはどういう運命に生まれたのやら(笑)



普通

規模を拡大し不可能を可能に変えた合同フェス、それは大勢から夢を託されたから実現した形。その形が回り回って来場者や関係者に夢を与える構図になっているね
その中で栞子はフェスを支える側だったけど、フェスに夢を託しているわけではなかった。その夢の行き先が描かれた回だったと言えるのかな

栞子の挫折と言うか、諦めは少し特殊な形
栞子は自分の夢を姉に託す形で応援していた。「高校生になったらアイドルに」というのも姉の道をなぞる形
だからこそ姉の夢が叶わぬ形で終わった瞬間を自分事として捉えて夢が止まり、応援する要素だけが残ってしまったのかな

『適正』を盾に自分の可能性や夢から目を逸らす栞子の様子に付け入る隙は無いように思える。けど栞子の諦めは自身の諦めじゃないから、実は余地が有る
夢に不義理な形で蓋をしている栞子の諦めに納得がいかないから、大勢の人々から夢を託されてステージを彩る同好会は栞子の夢の為に動き始めるわけだ

だから栞子に必要だったのはかつての自分が姉を応援していたように、踏み出せない自分を応援してくれる存在であり、夢を託した姉も後悔していないという事実であり
また、「やりたい気持ちが貴方にあるんならそれだって充分適性」との台詞は良かったな。栞子を夢から遠ざけた『適正』が一転してアイドルへ進ませる後押しになった

一方、人気は高まっているのに孤独感を強める嵐珠の様子は気になるね
栞子もミアも夢や好きを与えたり与えられたりして繋がりを増やしている。「与えるだけでいい」と言い放っていた嵐珠の夢は誰の為に何処へ行けるのだろうね



良い


良い

前半で描かれた三者面談は夢や進路を問われる場。でもそれを真に問うているのは教師ではなく自分自身
自分に問い答える事で他人に教えられる。かぐやは自分に問い掛けないから答えがない。白銀はきちんと問うているから進路だけでない答えも欲するようになる

白銀は自分で答えを決めた。告白も自分の力で進み始める
すぐに自分から告白できないのは変わらないけど、期限を決めていずれは自分から告ると決めた。それは大きな成長だけど、そもそもは自己への問い掛けが行われなければ得られない成長だろうね

ただ、自分への問い掛けなんて普通は上手く行かない。藤原が言うように客観視、他者からの問い掛けと答えの方が自分を正しく表す場合もある
そういった意味では白銀が他者から自分がどう見ているか聞くのは珍しい姿でありつつ、これまた彼の成長を感じさせるシーン

かぐやだけが良い答えを返したのは、かぐやは白銀に問い掛け続けているからかな
三者面談でも自分より白銀の進路を問うていた。だから白銀が求める答えを持っていた

でも飛躍を遂げようとする白銀と変わらないで欲しいと願うかぐやの認識がズレている点は気になるけれど……



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