視聴者はシーローン王国にロキシーは居ないと判っているけど、それはルディに明かされていない為に今回の展開にはヤキモキさせられる。結果、ルディは又しても囚われ人になってしまうのだから
そういった意味では真実や正体を隠す事に拠る弊害が幾つも見える回だったかな
ヒトガミはその胡散臭さや正体が見えない事により、幾ら助言しても前世の男から信用されない
また、前世の男も普段は隠れている自分の真の姿を目にすることになるから心穏やかには居られない
ヒトガミは成功の対価に信用を持ち出したけど、ヒトガミは隠れて前世の男は隠されない空間では何をどうしたって信用は生まれない気がしてしまうが…
ルディは名を隠したことによりアイシャと会話できた。けれど、そもそもはアイシャが隠されていた御神体を発見したことによりルディへの印象が最悪に落ちてしまった事が原因
今は正体を隠しているから信用され普通に会話できている。でも、もし真実が明らかになったら……
変態のお兄さんを見る目はどうなってしまうやら(笑)
真実や正体が隠される現象は最終的にルディへと牙を剥くね
ロキシーがもう居ないと知らなかった。案内された場所の怪しさに気づけなかった。相手の力を見誤った
唯一の救いはパックスが魔法は使えても頭は回らないタイプっぽい点か。ヒトガミはルディを導いたのか騙したのか?果たしてどちらだろう?
連邦の理想、それは隅々まで行き渡るが為にこれまでシンエイ達に嫌な思いをさせる事が多かった。それが大決戦を前にして個々人が掲げる信念へと深堀りされ、最終的にシンエイ達を戦場へ力強く送り出す力へなっていく流れには痺れる
戦場へ送られる点は変わらなくても受け取る思いはとても大きいものになった
哀れな子供達をどう処遇するか。この問題に対し前回までは冷たさの方が目立っていた。けれどリヒャルトを始め、積極的に庇うわけではないがせめてもの義理は通そうという大人の対応が見えたね
特にグレーテの戦場へ送り出す事は反対しつつ、反対するが故に最後まで同行すると決める姿勢は尊敬する
でも、抗議が駄々と表現される大人ではないフレデリカは別か。フレデリカに対するシンエイの言葉は大人の論理。それ故に話が逆になっても筋道が立っているように思え、フレデリカの言葉が幼稚に見えてしまう
暗い部屋で紡がれるシンエイの言葉は、反転した明るい部屋でシンエイに突き刺さる構図は痛ましい
「何故じゃ!」と繰り返し問うフレデリカの言葉に論理はない。だからこそシンエイが過去にした後悔とフレデリカが今味わおうとする後悔が重なってしまう
そこにあるのは理想でも信念でもなくフレデリカの親愛。でも、そういった言葉を持ってしても戦場へ行くしか無いと決めつけ、死に惹かれるシンエイを止める事は出来ないのか……
帰路が考慮されない決死の作戦。あれだけ86を嫌っていた筈の他の兵士達がスピアヘッドを送り出すために命をかけた
また、大統領として激励の言葉を送ったエルンストも最後には親として「帰っておいで」と言った。
これらがせめて子供達にとって少しでも帰る理由になれば良いのだけれども
遂に始まった藝大受験。たった一枚のキャンバスに何を描き出すか?無難な絵では通らない。そこでは持てるもの全てをぶつける必要がある
だからこそ、自分がこれまでに身に付けてきた技術を活かす必要があるし、自分に足りない課題点も見えてしまうのだろうね
受験中のトラブルとかメンタル崩壊してしまいそうな事態。でも八虎はそこから突破口を見つけ出したね
受験中の煩悶もトラブルも全て自分が持てるもの。それに負けてしまえば失敗に終わるだけだろうけど、活かせれば実力に加わり自分を助けてくれる
また、佐伯の教えも活かしていたね
全てが上手く回って脳が活性化すれば受験の緊張なんて消えて、むしろ描くことを楽しめる
でも、そんな状態で受験週間を乗り切るなんて出来やしないから息抜きも必要になるのか。次に息をする為に息を吐く
……そんな時間も受験生であれば課題挑戦の時間になってしまうのは酷だけど(笑)
受験の空気に面しても自分の足りない部分が見えてしまう矢口。また、課題では視点の狭さから改めて自分を凡人と感じたようで
八虎は実力や他者からの評価は伸ばしているのに、この点だけは変わらないね
それでも一次試験は通った。更に厳しい二次に向け表情を引き締める八虎が格好良い
商人として求められる仕事を為し、暗殺者としての本業も疎かにしていない。勇者暗殺という大目標に向かってルーグは着々とプランを進めているね
仲間になったばかりのマーハも拷問に参加できるようになっているなど、既に陣容は整いつつ有るように見える
それだけにティアとの関係には驚かされたり
3話で別れたきりかと思いきや、普通に交流は有ったのね。ただ、タルトやマーハのように暗殺業に勧誘したりはしてないようで
ルーグが居なくても支え合う様子を見せるタルトとマーハ、ルーグと仲睦まじいディアの姿が交互に映ることでディアの特別感が際立つね
この特別な関係からどのようにディアも暗殺業に加わることになるのだろう?
前回においても運命の成長を感じ取れる描写が有ったけど、今回は更に顕著な。ただ、運命として成長するということはコゼットから離れていく可能性に繋がるのか
運命をコゼットと結び付けるのが難しくなったアンナの表情があまりに哀しい……
作曲を始めたタクト、ピアノが手元に無く、書きたい旋律も曖昧な状態の作曲は困難
そこでタクトが結びつけることになったのは鍵盤ハーモニカとピアノ、旅の思い出と父との思い出
ただ、そうしても作曲には神経を使うから他の諸々が疎かになる。そこで運命がタクトをサポートするように動いていたのは本当に意外だった
タクトの為に鍵盤ハーモニカを探し出し、タクトに知らせずD2退治。それだけでなく、タクトが何を考えているかも知りたがっている。
これらは運命が成長した背景が有るのだろうけど、アンナもタクトも自分をコゼットと結び付けなくなった事で、自分の存在を不安定に感じるようになった為も有るのだろうかと考えてしまう
コゼットとタクト達の関係を運命が知ることはなく、タクトもそれを言葉にできず。運命にとって自分とタクト達の結び付きが曖昧になっているのかもしれない
そんなタイミングで現れたシントラーは最悪の真実を告げてくれたね。彼の陰謀によって結びつく過去の因縁。この戦いは一つのクライマックスになりそうだ
15話でルディは「人は変わる」と言った。けれど、17話では決して変わらない大切なものも見えたように思う
今回の話も同じように前半でロキシーの成長が語られつつも、お話そのものは変わらないものへと集約される作りになっているね
ロキシーとノコパラの会話からは特にロキシーの変化が伝わってくるね
昔の自分の未熟を落ち着いて振り返られるようになったなら、それは成熟の証。また、それを語る際のロキシーの仕草からは大人びた色香すら見て取れる
ただ、デッドエンドの名を聞いて過剰に怯えたり、帰省を恐れる姿勢からは自己の中心に関わる部分が未熟なままだとも判るね
だから村へ着いても幼い頃の恐怖は克服できておらず、実家も安息の場所と出来ていない
家族の大切さよりも自分の中の恐怖心や疎外感を優先してしまうから、逆に家族を悲しませてしまう
でも悲しませてしまうなら、自分が居なくなれば両親は喜ぶに違いないとの考えが間違っている事になるわけで…
母の涙、そして自分の涙の中に見つけたのは変わらない大切な想いかな
念話が通じるから家族なのではなく、喜びも悲しみも分かち合えるから家族なのかもしれない。それはきっといつまでも変わらない大切さなのだろうね
最後、青い鳥の如く弟子の痕跡を実家で知るのは面白い構図。いつか、ロキシーとルディが再会する光景も見たいものだね
予備校の日々を経て遂に受験日へ
ここまで来たら他者と比べてどうのではなく、単純に自分はどのような武器を持っているかを主題としていたね
八虎に足りない物が指摘されるのも武器を手にする為だし、恋ヶ窪が秘密を打ち明けてくれたのも八虎の武器の結果
大葉が見るのはそれぞれの武器。中でも橋田は判りやすいね。理屈先行だけど、この受験を楽しんでいる。そういうメンタルを持っている
対して八虎がこれまで持っていた武器は真面目さと空気が読める力。それが課題対応の助けとなったけど、合格を手にするには足りない
大葉が八虎を挑発気味に諭すくらい、八虎はあと一歩の所まで来ている
八虎が武器を手にするヒントは最も八虎の自分勝手力が発揮された、絵を描き始めた時期、それを見ていた親友から見つかるという展開には胸が熱くなる
八虎の自分勝手が恋ヶ窪にも自分勝手を呼び覚ました。そして八虎の自分勝手を最も知る恋ヶ窪だから、八虎の武器が最も研ぎ澄まされる方法も知っているのか
禁止事項を知ってもそれを使おうとする仲間に対して、八虎は搦め手無し。彼は「実力以外で~」なんて言っていたけど、搦め手を使わずに挑める時点で立派な実力を備えている証左だと思うけれど。八虎が天性的に持つ武器に気付くのは何時になるのだろうね
泣いても笑っても受験で描いた絵が全てを決める。だというのに大きなバツを描いて去った龍二に何が……
タルトの時も思ったことだけど、本作は暗殺とは無関係に生きてきた少女がルーグに心酔して仲間になる工程をとても丁寧に描いているね
人身売買という不快な今回のお話。それだけに、その環境からルーグに見いだされたマーハがどれだけ救われたか判るというもの
暗殺者に必要な諸々を手に入れていくルーグ
それが必ずしも暗殺技術や力でないのは面白い。父はどちらかと言えば、人間性を重視しているように見える。ルーグもこれに応えるべく暗殺者以外の面で成長を見せていると感じられる描写が多かったね
象徴的だったのはロナハが突っかかってきたシーン。ルーグは相手を捻じ伏せるけど、ルーグの父は強さは重要でないと語る
それを証明するようにルーグのアフターフォローこそ重要。もしもの力として騎士のロナハを勧誘している
そういった見極めが出来る人間性こそ暗殺者として求められるものかな
そんなルーグが次に手に入れるのは商人としての資質ですか
それも必ずしも暗殺技術に繋がるものではないが、人間らしさの育みに繋がる経験
既に異なる人生を歩んでいるルーグが更に体感する別の人生。暗殺者の本分は失わないままに彼の人生は華やかなものになっていくね
ワルキューレ含め登場した新キャラ達はどこかテンプレ感に満ちた言動が見えるけど、それは他者をチェスの駒と捉え枠に収めようとするシントラーが居る事で余計にそう感じるのかな
それにより、逆に枠に収まらないタクトと運命が際立って見えるように思う
シントラーは中ボス的な黒幕、ワルキューレはチョロイン的なツンデレ、地獄は狂キャラ的な底知れ無さをそれぞれ感じる。それらは枠に収められそうな人物像
反面、外壁を破壊して外に出る運命も組織への従属を拒むタクトも枠に収まらないタイプだね
枠に収まらないから、戦場でも敵そのものを狙うのではなく戦場を壊すという戦術が取れる。枠そのものを破壊する
また、自分達を枠に収めようとする動きに反発するのも印象的。運命を兵器扱いしたシントラーに反発したタクト。コゼットが変質した運命を彼がどう捉えているか、明確な描写はこれまで少なかったけどその一端が見れたね
ただ、地獄は狂キャラらしい狂キャラだけど、本当にその枠に収まっているのかと疑問に思う。運命の目を欲しながらすぐに諦め、タクトにはワルキューレと契約すれば良いと真っ当な助言をした。どこか底が知れない……
何はともあれ、規格外に翻弄されるアンナは少し可哀想だ(笑)
ルディが思い付かなかった点、至らない部分がまさかの形で提示される胸の痛い回
これ、視聴者もルディの不作為が気にならないノリが続いていたからこそ、この回で突きつけられるあまりにも当たり前な事実の数々が衝撃的に映るんだよね……
ルディは別に大変な思いをしてこなかったわけではない。1年以上も見知らぬ土地でエリスを守ってきたのだから
でもルディ以上の苦難を味わってきた者達からすれば、それは余裕があるようにしか見えない。また、これはルディへの期待が高かったからこそ、それが反転されてパウロの怒りに繋がった面もあるのだろうね
母よりシルフィを心配してしまったように、転生者であるルディは家族や領民への愛が足りてないのではないかと思えてしまう。
ノルンがルディに逆らって父を庇う姿が描かれ、ルディから目を逸らす捜索団の姿が有るからこそ、ルディが家族や領民を全く心配していなかった事実が浮き彫りになってしまう
打ちのめされ、過去のトラウマも蘇ったルディは不出来な人間である自分に直面したかのよう。更には守ってきたつもりのエリスから慰められてしまう始末
異世界でルディを形作ってきたものが足元から崩れてしまったような逆転の構図。それでもここから本気出す事も出来る筈
ルディがここで終わってしまうのか、ここから始められるのか。これも一つのターニングポイントになるのかな?
今回は神回か!マジで迫力が凄すぎたんですが!
想定以上の大攻勢という絶望的な状況に対して、前線で縦横無尽の活躍を見せるノルトリヒト戦隊が格好良すぎる!
戦神と呼びたくなるシンエイの無双ぶりに惚れる。ただ、戦に呑まれておかしくなるシンエイに恐れも抱いてしまうが……
一般人にとってレギオンは屑鉄と呼ばれる程に無機質な存在。でもレギオンに宿る亡霊の声が聞こえるシンエイにとってそれは人殺しに似ているのかな。人殺しに塗れ過ぎたシンエイはそれこそキリヤと同じ
戦いの中で笑みを浮かべる彼は化け物めいている。雨によってその像がブレたように、人を辞めかけているのかもしれない
一方でレーナも重大局面に差し掛かったようで
共和国に迫る大攻勢。けれど、戦ってこなかった軍人は戦えないし、人間として扱ってこなかった86も信じられない。ジェロームがしたレーナのへの反論は国の総意と言える
生き残る力の有無ではなく誇りの面で共和国は詰んでいる
だからこそ86を信じ、この大攻勢に向け準備してきたレーナの存在が光るね
彼女は生き残る力を持っているからではなく、誇りの為に詰んでいない。8話において子供として見下されていたレーナは、子供でありながらジェロームと同じ目線に立ち理想を貫いた
誇りの為に戦いへ向かう彼女の女王陛下然とした振る舞いから目を離せないね
受験日程が明らかになり課題に向かい合う八虎。これは難しい時間だね
好きな事として絵を描きたい。その為には藝大に受かる必要があって、合格水準に達する絵を描けならなければならない。初期衝動が薄れていく
前回は死語と切り捨てられた『受験絵画』が纏わり付いているかのよう
目の前の物を切り取って描いてきた八虎にとって、見えない物を描くのは苦手で望んだ方向性ではない。でも、受験の為には必須技能
苦手で課題の攻略法が見えないから迷う。見えない答えは八虎の描き方すら駄目にしていくね
壁にぶつかったタイミングで森の絵やそれと出逢った感動を思い出させるイベントが有ったのは良かったね
大学では森に逢えなかった。けれど、方向性は変わっても主張が一貫した森の絵は八虎に初期衝動を取り戻させるものになっている
森の絵に込められた祈りが八虎の向かう道を教えてくれる
自分が何を得て、何と出逢ってきたのか。それを思い出した八虎の絵は良い物になったね
けれど『受験絵画』からは抜け出せていないから、結局良い描き方をそのまま答えとしてしまっている。
受験と好きの間で苦悩する八虎に世田介からの連絡は何を教えてくれるものになるのかな?
ルーグが求めた優秀な助手、それが女神の手引によって見つかった上にルーグを完全に慕う状態へ
この辺りはちょっと都合が良すぎる感が有ったけど、暗殺業に無関係の少女を巻き込む為にはこれくらいの強引さが無いと難しいのかもしれないな、なんて思ったり
一方で洗脳完了なんてほくそ笑むルーグを見ているとイケオジだった頃のニヒルな彼は何処へ…?と寂しく思ってしまう部分はあるのだけど、それ以上にルーグを心底信頼して全てを預けるタルトが可愛すぎるので、もうそれだけで良い気もしてきた
平和になった世界が完成品であるならば、それを作り上げようとするシンフォニカは一種の作り手、人々がシンフォニカの苦労を知る事はない
果たしてタクトはそれに加わるのか?運命と向き合えるのか?コンダクターになる道もならない道も選べるタクトの分岐点を彩るよいエピソードになったね
タクトに様々を教えるレニー。でもラスベガスの裏で飛び交う悪事は教えなかった。それはコンダクターとしての完成形をタクトと運命に見せたいとの想いが有ったからかな。
D2を粗方倒しても悪事はなくならない、平和は未完成。未完成品をお客に見せることはない
作り続ける事が完成への道なら、知ることだって完成への道なのかも
D2の気配をコゼットを通じて知ったタクトは見て見ぬ振りせずにカジノ場へ。また、戦闘中もレニーの指導に従ってコンダクターとしての自分を作り上げていたね
そして遂にやってきた開演の合図!タクトと運命の関係が完成されたのだと感じられたね
第一話で完成されたタクトと運命の関係を見た視聴者に対し、特別に2~4話を掛けて提供されたのは関係を作り上げるまでの工程。どのようにしてタクトと運命が今の姿になったのかが描かれた
こうしてコンダクターとムジカートとして完成されたなら、次回からは再び旅の続きが描かれることになるのかな?
3つの規模で停滞からの進展が見られる回だったね
雨季が過ぎるのを待ってからの出発、ギュエスの中で変わるギレーヌへの印象、そして喧嘩別れしそうになったエリスとミニトーナの仲直り
どれも気持ち良い変化が感じられる描写となっているね
ギュエスの中でギレーヌの印象は停滞したまま。でも変わった後のギレーヌを知っているエリスにとっては納得出来ないギャップ
止まったものを動かすには刺激が必要。エリスを通して伝わるギレーヌの剣術、ルディから知るギレーヌの立場によってギュエスの認識が変わり、進展する様は良いね
そんなギュエスだから、停滞しかけたエリスとミニトーナの仲を取り持てるのだろうね
止まったまま別れる辛さを知っている。停滞から進展したからあの時何をすれば良かったか判る。
また、人生をやり直しているルディも戻れない辛さを身に沁みて知っている
二人の仲介を受けたエリス達が仲直りする様子は心が暖かくなるものだったね
雨季は終わってルディ達は再び旅路へ。村に留まる事は出来なかったけど、代わりに彼らを模った人形が残る事に。それは両者の絆がちゃんと存在し続けると示しているかのよう
ラストに幾つかフラグめいたものが有ったけど、やっぱりここからの旅路も安穏としたものにはならないんだろうなぁ……
以前から連邦の人間が口にする理想論。それはシンエイ達を受け入れる土台と成ったけれど、所詮は彼らが彼らの為に用意した理想だからシンエイ達を真に慮っているわけではない
共和国とは別の形でシンエイ達の形を決めつける檻となっているね
軍規、形式、兵の統率。それだけを見れば連邦軍はそこまで大きな問題のない組織であるように見える
でもサインをファイドに任せ、異なる国からやって来て、規格外のレギンレイヴを乗りこなすシンエイ達には合わない風土。だというのに連邦は自分達が保護した哀れな少年兵いう意識がある為か、シンエイ達の都合は悪い意味でお構いなしになっている
その中でフレデリカはそこまで連邦の理想に染まっていないように見える。それは理想に染まりすぎて破滅したキリヤを知っているからだろうか?
自分を守る騎士として連邦軍を殺し過ぎたキリヤは可怪しくなり、終いには死体ではなく王族を示す衣装を見てフレデリカは死んだと思い込んだ
これで滅んだなら、フレデリカが死を与えたと言えるのかもしれない
連邦を形作る理想
けれど、グレーテの説明シーンから判るようにシンエイ達は連邦の主張にそれ程耳を貸していないようで。代わりに気にしているのはレギオンの襲来。彼らはあくまでも生きる場所を戦場と定めているね
だからこそ、逆に戦場を生き延びた先を想像できずに居る
エルンスト、フレデリカの言葉から先の未来を想像するのではなく、過去の思い出を想起したシンエイはまだ過去に囚われた人間のままなのだろうか?だから今もショーレイと自身の関係をフレデリカとキリヤに見てしまっている?
どちらにせよ、全ての為には生き残る必要があるが……。レギオンの大攻勢ではまた多くの命が消えることになりそうだ
前回ラストではディアが実力差を見せつけたように思えたのに、間を置かずルーグの実力が披露されるのは爽快感が有るね。でも、勇者暗殺の任務や前世の慎重さにより強大な力を持っても奢った様子が見られないのは良いね
……それにしたって金属を代償無しで生み出してしまうのはやりすぎな気がするけれど
魔法を教えに来たのに、術式を書き出した辺りから共に魔法を探求する立場に。だというのに新しい魔法を開発できるとワクワクした表情を見せるディアの純粋さは気持ちいいね
他では味わえないだろう貴重な経験。短い期間であってもディアにとってルーグが掛け替えのない相手になったのだと判る描写だったね
暗殺者としては充分過ぎる心構えを既に持つルーグ。けれど、ルーグの父は「人間らしさは暗殺に必要」と教えるんだね
忠誠を誓ったのに道具として処分された前世を持つルーグ。この世界で力だけでなく心も学ぶ事になるのかな?
いずれ人間らしさを備えた時、彼はどのような暗殺をする事になるのだろうか?
死んだ筈のコゼットが蘇りD2相手に無双。それはどう考えても普通ではない
事実を把握して前に進もうとするタクト、少しでも運命の中にコゼットを見つけようとするアンナ、2人の動揺を意に介さない運命
三者三様で統一感のないリアクションが事態の異質さを強調しているね
パーティーみたいな豪勢な食事を客人が用意するこれまた普通でない食卓で語られるのはD2との戦いの経緯、運命が普通でないムジカートである点
時間を掛けて語られるこれらはタクト達が以前と異なる世界へ既に飛び込んでいると受け入れさせるものになっているね
異質さの中心に居るのは運命なのだけど、それと生命共同体になっているタクトも普通でないものに成りつつ有るようで
使命の為にD2殲滅を何より優先してしまう運命はタクトの都合もお構いなし。一方でタクトも自分の為に戦いを止めろとまでは言わない。自分の家を壊す許可まで与えてしまう
こうまで普通でない2人に対して、何とかして運命がコゼットに戻る可能性に縋るアンナは良い意味で普通の女性
家やこれまでの人生を捨てるように普通を捨てたタクトと運命と共に旅するアンナの存在が2人にとって僅かばかりでも日常の居場所となる事を願ってしまうね
それにしても戦闘シーンはぬるぬると激しく動いていて素晴らしいね!
特にD2相手に高速移動を連続して刃を振るう運命の躍動感とか、タイタンが射撃の反動で後方に浮く動きとか、とんでもないこだわりと注力を感じさせますよ!