戦う相手もシンエイの立ち回りも変わっていないのに、彼の呼び名である死神の意味が変わっている点が印象的だった
スピアヘッドでは仲間を死んだ後も覚え連れて行く役目として死神と呼ばれていたけど、連邦では死を呼び集める者として死神と呼ばれているように感じられたな
再び現れたファイドはスピアヘッドの始まりから終わりまで全てを見た存在だった。そんな彼が戻ってきたのはスピアヘッドの再興であるように思える
でも、中心となるシンエイの役割は大きく変わっているね。誰からも記憶されない86だからこそ、シンエイは名前を連れて行く必要が有ったけど、連邦兵士相手にその必要はない
シンエイが死神として忌み嫌われる分、マスコット扱いされるフレデリカの立ち位置が際立つね
フレデリカのようなか弱い少女なら守りたいと思う。それが兵士たちの戦う理由になる。
一方でシンエイがかつてスピアヘッドで担っていた役目はフレデリカに受け継がれた感じだね。帝国の遺児である彼女は全ての兵士を記録・記憶しようとしているのだろうか……
ユージンが最期、シンエイに死を願ったのは彼が死を運んでくれる人間だからなのだろうな。そしてシンエイも彼を連れて行く約束はないからドッグタグは自分で持ち帰らない
連邦の人間からは見えてこず、86にしか共有できないシンエイの戦う理由。連邦での死神の役割が明確化する中、共和国で存在した断絶が連邦でも別の形で出現しそうだ……
前日譚。第一話で皮肉屋でピアノ馬鹿なタクトを見ていたせいか、陰鬱さを撒き散らす今回の姿には驚かされるね
でも、これも全ては人生に豊かさを齎す音楽が世界から失われてしまった事と関係しているのだろうな。音楽を守ろうとするあまり、己の人生を失いかけていた
コゼットがウザ絡みするようにタクトの世話を焼き、外で音楽を弾かせようとするのはタクトに自分の人生を取り戻させようとしているからなのだろうね
今のタクトの人生は薄い。今の生活が変わる可能性も想像できず、傍にいるコゼットの価値に気付かないくらいに
一方で世界が音楽を捨ててしまったから、タクトの人生の中核を成す音楽の価値も不鮮明になっている点は印象的
そう考えると、コゼットも実はピアノを弾けたというのは大きな意味を持っていたのではないだろうか。タクトを外に導いたのは実はコゼットの奏でた音が大きな理由だったのかもしれない
祭りで連弾した2人。それは世界に音を満たす行為となり、タクト本人にも生の歓びを注ぎ込むもの
直後、コゼットの音を止めてしまうD2襲撃は衝撃的だったけど、本当の意味でコゼットを別の存在に変えてしまう展開には絶句してしまう
終わらせない為に続けてしまったコゼットの人生。こうしてタクトと運命の旅は始まったのか……
かのんの歌えない問題は第3話以降歌えてる事により解決済みかと思いきや、改めて掘り下げるね
Liella!は上昇志向が強いのか、ラブライブ優勝の為に出来る事は何でもしようという気概が感じられるね。それがリーダーへの荒療治に繋がる展開はちょっと意外性が有るけども
メンバーはかのんが何故歌えるようになったか理解しきれていないし、かのん自身も理解できてない。だから下見の時も気を落ち着かせなければならなかったし手を握って貰わなければならなかった
そういった意味では千砂都は友人として、かのんが苦しみの種を懐き続ける姿は思う所があったのだろうね
小さい頃からかのんは皆を引っ張り勇気を齎す少女だった。なら、かのんの手を引き勇気をくれるのは誰か?
昔の自分は「一人で怖かった」のだとかのんは知った。では今は何が変わったかと言えば「皆が居るからもう怖くない」。かのんが手を引いた仲間が今はかのんをステージに立たせてくれる
昔の、何も怖いものなんて無かった頃のかのんの言葉が今のかのんに勇気を奮い立たせ、そして昔のかのんが勇気を持てるように今のかのんは奮い立たせた。
それが念願のステージに繋がる。観客を前にして柔らかく歌い上げたかのんは本能の意味で恐怖を克服できたようだね
それを大きく喜ぶ千砂都の姿もとても良かったのですよ
果たしてシンエイ達に平和な街は釣り合うのかと思いきや意外と馴染んでいる様子だったね。それだけに破壊の跡残る広場の語りやクレナの発言で彼らの真意が明かされる後半部には痺れる
彼らはどのようにして生きるを自由と捉えているかがよく判るね
仕事仲間と談笑するライデンも調理教室に馴染むアンジュも他の3人も平和な街の一分かのよう。エルンストは平和と同調する様子を持ってシンエイ達が平和を手にしたと認識しているね。
でも、5人の背中を見るに彼らにとって平和とは遠いものなのだろうなと思ってしまう
共和広場でのセオトとアンジュの会話。それは平和が零れ落ちるように、東屋で周囲と隔絶されるように、平和な街に5人がそれ程染まれていない点が見えてくるね
また、人々に国の威容を見せる軍事パレードも彼らにとっては戦争の足音であり、平和から日常へ揺り戻すスイッチであるのだと察せられるね
彼らにとって自由とは平和ではなく、自分で選ぶ事であり戦い続ける事であり。そういった意味では平和な街を見るのは自由に含まれても、留まるのは自由を差さないのだろうね
ただ、その平和が何も影響しないわけでは無いのは良いね。エルンストが提示した戦争が終わった時。それは彼らにとってまだ想像できないものだけど、自由の為には不可欠なもの
同調していなかったのはシンエイ達だけでなく、フレデリカもそうだったのは面白いね
幼娘に見えた彼女は帝国の遺児。フレデリカは自身を平和ではなく罪人と同調していたけど、それはライデンに一蹴される。代わりに口から出たのは彼女の本願
フレデリカの願いから新たな局面を見せ始めたシンエイ達のこれからが気になるね
前回は衝動に任せて描き続ける事で自分の中にあった複雑な感情を引き出し、それを絵にぶつけ心臓の鼓動を確かに出来た。
今回は絵に感情を乗せられるようになった事で見えてきたもの、不足するものに悩む回だったと言えるのかな
というか、今回の内容は母を前にした八虎の発言が全てだね。それ以外の解釈が難しくなるくらいに
言葉や文字だけでは伝え切れない。美大への進学も進路調査票の文字だけでは理解されないし、巫山戯ていると思われる。森への卒業祝いも言葉だけでは足りやしない
絵を見れば絵が好きなのだと伝わるが、学業的な進路と結びつかないし、八虎もそれを説明する言葉を持たない
母へ請う場面でも学業として美大を選ぶ言葉は出てこない。代わりに提示したのは絵。それによって母の献身を知ったと、世界が広がったと八虎は示す。それこそが八虎の志望動機なわけだね
森の絵を見た瞬間から美術の道を進み始めた八虎はつまり、森の絵から沢山の感情を受け取った。だから森の描く姿こそ八虎の美術の始まり。
卒業祝いに渡した絵はキャンバスに向かう森の姿。これは八虎にとって印象深い姿であるとともに、美大へ進学できた森へのお祝いが説明しきれない程に籠もっているのだろうね
八虎の絵を受け取り涙を浮かべた母と森。思えば、前回では八虎も自分の絵の感想を言われて涙を流していたっけ
絵を知って単調ではない世界に飛び込んだ八虎が、絵を通して重層的な感謝を伝えられるようになった
この技量が予備校で何処まで通じるのだろうか?
予想以上に丁寧な作りに驚き
スタイリッシュでお洒落なOPに始まり、悪人を少女達が華麗に倒すド派手な序盤。一転した空気の中、凄腕の暗殺者が己の職責を果たしながらも組織に殺される無念さを描いた上で女神に拾われるラストへ繋ぐ展開
まだ見えない部分は多いものの、今後が気になる作品かも
センターに焦がれていても、いざ任される段になると自信の無さが顔を出してしまうすみれ
成功体験が無いから無事にセンターを務められる自分を想像できないし、反対の声で逃げ出してしまう
すみれにとって必要だったのは、それこそ自分をセンターだと認めてくれる人だったのだろうね
そういった意味ではいつもすみれを批判する可可だからすみれを変えられる
可可は自己練に励み、素晴らしい歌声を持つすみれこそセンターに相応しいと思った。だからそれに見合った選ばれし者のドレスを仕立てられた
反発してばかりの2人がステージを挟み、名前で呼び合う展開は良かったね
待ってました!と言いたくなる第二期が遂にスタート。
キシリカのシーンだけコミカル度合いが凄まじい画になっているのに、それによって全体のバランスが崩れていないのは凄いなぁ…
また、ストーリーも要所を抑えつつテンポよく進むのだから堪らない。あと、EDの空気感がとても良いですよ……!
ヒトガミが語るのは「物事は結果が全て」、ルディが手にした予見眼は結果を見通すもの。けれど、結果よりもルディやルイジェルドそしてエリスが気にしているのは過程だね
結果の為なら何をしても良いとは思っていない。だから過程に思い悩む
ルイジェルドに一発入れ大喜びしていたエリスが、ルディに負けた事を過剰に悔しがるのは負けるまでの過程が無い点もあるのだろうね。
ルディがエリスに組手で勝てる要素なんて無かったのに魔眼を手に入れ、いきなり結果に届いてしまう。自分の努力という過程を無視しているからエリスは機嫌を損ねてしまう
また、ルディは金の工面の為に杖を売ろうとするが納得していたわけではないし、ルイジェルドもそんな遣り方は納得できない。ルイジェルドが諭すのはルディが杖を貰った過程やそれによって間違った結果を導くだろうという点
彼らに必要だったのは金が手に入る結果ではなく、どうやって海を渡るかという過程を話し合う事だったのだろうね
あっさりルディの近くまで追い付いたと思ったらニアミス続きのロキシー。彼女がルディと再会するのってもしかしてまだまだ先?。だとしたらシルフィ達との再会も…?
家族や仲間との再会という結果が待ち遠しい中で現れた謎の男。彼の登場はルディ達にどのような過程を齎すのだろうか?
生きてた!あの5人が生きてた!
いや、第一期ラストの描写からてっきり全滅したものと思いこんでいただけに、この展開は驚き。一見、ご都合主義的であるけれど、死の世界に突き進むしかなかった彼らに生きる道が残っていた点をとても嬉しく感じてしまうね
共和国軍が掲げる道理に従わず孤軍奮闘するレーナの傾向は更に強まっているね。
一房だけ染めた髪は見た目だけ綺麗な世界に染まりきらない自分を体現しているかのよう
変わらない絶望的な戦況、それを前にしてもシンエイ達から遺された物を胸に戦い続ける彼女の行く先が気になるね
連邦に受け入れられたシンエイ達、状況をあまり喜ばしく思っていない?
エルンストは彼らが戦場しか知らないからだと解釈しているけど、都合よく自分達を助ける存在への不信感が有るように見える
連邦の風景は理想そのもので、自分達に共感してくれる声もある。でも、それを居場所とは思えないのだろうな
エルンストがこだわる人の理想。この言葉は第一期8話の共和国理念を思い出させるね
あれも結局は自分達の利と欲の為に聖女を処刑した事で理念は地に落ちた
今回はシンエイ達を助けるものとなった理想。けど、いつまで理想が味方で居てくれるのか、そしてシンエイ達はそれを受け入れ続けるのか。一抹の不安を感じてしまうね……
不良ぶるのも優等生ぶるのも定められた努力に則っての結果。認められても満たされない、単調で深みがない世界。
それが変わるのは肌色の下地に緑が有ると知った瞬間から。運命のような出逢いによって八虎の感情が変わっていく流れは良いね
空の青さの深さを知り、美術が才能だけで成り立たないと知り……
そうして描き上げた複雑な青で構成された絵は、けれどそれだけを持って八虎を変えてはくれない。本当に八虎が変わるのは好きの気持ちによって。止まる事を知らない衝動によって深められていく絵と手は八虎の感情の複雑さを明確にさせていく
何をすべきか判っているし、定められたノルマも知っている。その上で「美大って、俺、入れると思います?」と聞いた際の八虎の表情変化とその直後の覚悟はとても素晴らしいものだね
200倍の狭い門。ヤバいと判っていても止まらない八虎の心臓がこれから彩っていくだろう複雑な色の数々が楽しみになる初回だったね
2期を見た後に見る1期のボーナスエピソード。2期とはテーマ等に対するアプローチの違いが各所に見られて面白かったね
バレンタインを通して色々な人が誰かに贈り物。そこに込められた想いの多様性には本作の懐の深さが感じられるね
バレンタインは恋心を伝えるイベントのイメージが強いけれど、友チョコ等が有るように他の想いだって伝えられる。だから会社でも男性が配っていたり、エルマが貰う側に居たり。そして小林は仕事で人を助けているからその感謝で多くの人から貰う
対してトールがチョコを通して渡そうとしてのは想いではなく情欲だから小林の注意一つで渡せなくなった
でも、小林もちゃんとトールから受け取っているものが有ると判る前半部終盤は良いね。カンナを通して食べてしまった薬入りチョコ。傍迷惑なトラブルだけど、去年は傍迷惑な事すら無かった
だから、こうして騒がしいのは誰かとの繋がりを手にしたからだとも言えるんだよね。まあ、普通に迷惑だけど
滝谷主催の温泉親睦会。これも一種の贈り物だね。何か大変な事があった小林を慰労する為のさり気ない贈り物
他にも翔太に小さなプレゼントを贈っていたり滝谷は本当に気遣いのできる大人だね。
そしてこの親睦会は余計なものをチョコに混ぜて渡せなかったトールにとってリベンジの機会になったようで
今度は何も混ぜていない普通のチョコ。だからこそ、大きな想いが籠もっている。小林はその想いを受け取りすぎる事はなかったけど、代わりに疑うことなく口に含んだ。それこそきちんと受け取った証
その後はふざけ合いながら手を取って帰り道へ。2人のこういう姿を改めて見れた事はとても嬉しい機会だと感じられるボーナスエピソードだったね
メンバーが集り、ラブライブが開幕する事で意識する事になった自分達は何者かという点。それをグループ名やラブライブ用の楽曲作りを通して描いていたね
単純に結ヶ丘のアイドル部と名乗ったのでは味気ないし、名前を繋げてもつまらない。そこにはアイドルとして何をやりたいかという課題が絡んでくるわけだね
初期案は迷走だらけ。それぞれの好みを主張しているだけだから決まらないし、他の生徒も案を返せない
どういう存在かというイメージを自分も、そしてファンも持っていないと名前もあやふや
ステージを学校の皆と作ったサニパは名前もファンから。彼女らは支えてくれる相手とアイドルを作り上げていったタイプなのだろうね
なら、新設校でアイドルになろうとしているかのん達はどうなりたいかといえば、まずは自分達が真っ白であると知る事から。何色でもないからどんな色も結び付けられる
気付きや下校風景、異国の言葉を結びつけて『Liella!』という名前と歌詞を作り上げる展開は良かったね
過去の世界でやるべき事をいつの間にか勘違いしていた恭也が、何もかも不味い方へ進んでしまった未来を経験して改めて芸大生としての日々を焦がれる最終回
ここまでの紆余曲折に思う所が無い訳ではないけれど、それでも本来の目的であった自分達の夢をリメイクする道へ戻れたのは良かったかな
改めて芸大の日々に戻っても恭也がゲーム制作の中で犯した失態は消えやしない。貫之は居ないし奈々子や亜貴も以前と違う。でも、失態が全て無駄でないなら悪い事ばかりじゃなく、挽回の余地が有ると言える。それが本来望んだ未来へ繋がるのかな
それはそれとして、赤面する奈々子や河瀬川がとても可愛らしい最終回でしたね
もう卒業の時期とは早いことで
カタリナの思い出は食べ物ばかりだったけど、彼女に話しかける人の多さや多様性がカタリナが在学中に作り上げた思い出を代わりに表しているかのようだったね
その一方で気になるのは誰がカタリナの心を射止めるか、という点だったのだけど……
その点に関してはジオルドが先行しつつ、まだまだカタリナは心を決めかねているという感じなんだろうか?
ジオルドに迫られ、キースに押し倒され。ワタワタするものの決定的な何かはなく
ただ、好みのタイプについて答えが無いのではなく答えられないという辺りに変化を感じさせると言った所だろうか
最後は皆で収穫作業。やっぱり土いじりしている時が最もカタリナらしさに溢れているね。また、こうして皆も一緒に土いじりする様子が入る事で、皆もカタリナの世界に染まっているし、その状態を好ましく捉えている点が感じられて良かったな
それにしても恋愛ゲームの続編で主人公続投って凄いな(笑)