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とても良い

仕事や作品よりも個人を評価されたいというむにの姿勢はなんとも現代的
それを時代錯誤感のある屋敷に住む麗がむにの家に泊まり込む事で理解しようとする工程
ある意味、纏めようのない二人。それがお泊りを通してユニットメンバーとしての仲を深めていく様子は微笑ましいね

今回のお泊り会の主目的は麗がむにをイメージした曲を作る事なんだけど、一方でむにが麗と仲良くなっていく要素も持っている
お泊り会の中でむには麗のリズム感の良さを理解し、更にはウサ耳のお返しにと贈り物をした
これらはユニットに遅れて参加した二人を強く結びつける切っ掛けとなっているのは印象的
ステージ前に励まし合う二人の様子はお泊り会前なら想像もできない光景

最初に麗がイメージしていたむには「猫踏んじゃった」のような騒がしさ。けれど、お泊り後に麗が作り上げたのは纏まらないイメージを多面的に織り交ぜた纏まりのない構成
一聴すると無茶苦茶なそれを真秀は「面白い!」と評し、更には麗がステージに上るきっかけとなり、真秀もダンス参加することになる
曲の纏まりの無さが逆にユニットとしての進歩へ直結していく

個人的にりんく達のユニットをどう呼んだものかと悩んでいたものだからこうしてユニット名が定められ、更には麗もメンバーとして明確に定着した様子が描かれたのは良かったな

今回、ハイタッチはなかったけど皆で「Happy Around!」をしたのなら、それはハイタッチ以上の纏まりを手に入れたという事なのだろうね



普通


良い

イスカとアリスの関係性が絶妙
これは王朝内で起こっている事件であり帝国の人間であるイスカは表立って頼れない
だから中立都市で交わしたハンカチの恩に隠して想いを伝えようとするアリスの姿はなんだか素敵
また、すぐに気付けなかったと悔やむイスカの姿も良いね

前回、戦場のライバルであることを確認し合った二人は決して協力関係ではない。だからイスカにアリスの敵を倒す理由は本来ない
でも、イスカとアリスに限っては「敵の敵は味方」ではなく「敵の敵は自分達の邪魔をする敵」になるのかもしれない
今回だけと言って燐を庇いアリスの敵に立ち向かうイスカの戦いぶりがどのようなものになるのか楽しい



とても良い


とても良い


とても良い


普通

リョウマがこれまでに築いた人脈や信頼が露わになる回
やっている事はスライムを用いた洗濯業なんだけど、お披露目会に大勢の知り合いが集まり、そして開業初日から大行列になるのはリョウマの貢献や実力が認められてきた背景があったからか

ただ一方で、このまま洗濯業に本腰を入れられてそちらの描写がメインになってしまうと、こちらが見たい話からずれてしまうので、洗濯業も程々にやりつつエリアリアとの仲も深めて貰いたいところだけど……



とても良い

死者の魂が戻ってくるハロウィン。ココアはチノの母親であるサキと遭遇するけどそれをチノの母だと理解することはなく、またチノも母親と遭遇することはない
けれど、ココアに授けられた手品を介してチノを元気にさせる魔法が受け継がれる流れは良いね

トリック・オア・トリートならぬモフモフ・オア・トリートで始まる今回
でも、モフモフではお菓子は手に入らないように、欲しい物と驚きはセットなんだろうね
だからか、驚きを介さないシャロはお肉を手にすることは出来ないし、欲しい物無くチノを驚かせたリゼは手痛い仕返しを食らってしまう。
一方、シャロから薬を受け取った千夜はロシアンお菓子で驚きのお返し

甘兎庵では悪戯とお菓子の応酬が繰り広げられているね
マヤメグを驚愕させる店の外観や千夜の本気演技は同時に美味しい甘味も二人に届ける
対してマヤメグのドッキリはかぼちゃタルトに化ける
なお、それまで表に出てこなかったお婆ちゃんがお菓子そのものに驚きを詰めてしまうのは強者感がある(笑)

ハロウィンの夜に驚きの邂逅を果たすココア。けれど、ココアは彼女の正体を知らないからその出会いは驚きにならないから対価は不要
むしろ子供を驚かせることが出来ず対価を手に入れられないココアに驚きを齎す手品を指南する流れへ。そしてサキが教える驚きの手品の対価は「妹達を喜ばせること」

ティッピーのようにチノの近くに居られないサキ
だから今回のトリック・オア・トリートはチノを元気にさせる飴玉を渡す役割がサキからココアに委ねられた驚きの夜であったのかもしれない

ラスト、手を取り合って祭りの喧騒へ飛び込んでいく二人の様子は本当に仲良い姉妹のようだね



良い

麗みたいに音楽を好きな理由が曖昧になっていたキャラクターが、音楽制作を始めたばかりの天真爛漫な子を通して音楽の楽しさに目覚める話って本当に好き……!

りんく達が認知度を上げる為に挑んだ楽曲コンテスト
麗を巻き込む形となったこれは両者にとって思わぬチャンスとなっている点が面白いね
りんく達は新曲作りへ繋がった。麗は作曲活動へ
特に麗に訪れた変化は大きいようだね

親や周囲の大きすぎる期待に拠って敷かれたピアノの道は偉大な先人が作った楽曲をなぞるというもの
けれど、りんく達から求められたのはオリジナル。自分の中から湧き上がるフレーズをメロディに起こし、修正点を指摘されればそれに応え
落選した際には自分がもっと上手く出来ていればと悔やむほど

だというのに自分の作ったフレーズが楽曲になって、それがステージで披露され、りんく達に涙を浮かべさせるまでになり…
最後にはステージに立っていたりんく達とハイタッチ。
曲作りを共有できた事は音楽の楽しさを見失いかけていた麗にとって変化を導くチャンスになったんじゃなかろうか

それにしても麗に対しても有効だった貝殻攻勢
見ている側からすると「アレに一体何の価値が?」と思いそうになるけど、第一話の描写から貝殻がりんくにとってとても大切なものであることが判る
りんくから貝殻を渡されるということは、りんくにとって大切なものを託すに相応しい相手と認識されているということなのかもしれないね



普通


良い

アリスと燐の主従コンビは思っていた以上にポンコツ……?
二人して前回、今回と矢鱈やらかしが多くないかい?と言うか、自分と手錠を繋ぐのではなく、何か支柱のようなものに繋げば良かったのでは……?

ただ、それに拠ってイスカとアリスの距離は強制的に近づいた
平和な中立都市でさえ出来なかった互いの考えている事を平和にぶつけ合えたようで
未だ対立陣営に属する二人にとって、想い合う恋仲などよりも戦場のライバルが関係性として納得できるというのは面白いね

でも、それだとイスカとアリスが恋愛関係になるという展開は益々難しいように思うのだけど……
やはり、いっそのことミスミスをメインヒロインに据えた方が良いと思いますよ?



とても良い

卒業を間近に控えて一つずつイベントを大事にこなしていく中学生組
抜け駆けのようにそれぞれ個別に髪型を整える展開が、偶然の一致から三人が揃って裏切り者となる事でズルさよりも仲の良さを感じられるようになっているね

卒業アルバムって考えると微妙な代物で、中学の総決算として自分を写すか、これから高校生になる自分を写すか、どちらの認識でいるかで写されたい自分の姿は変わってくる
結束を確かめつつもお洒落を諦められなかったチマメ隊。この前の高校訪問で高校生になった自分を想像できていた為か、後者の認識が強かったのかな?

パン祭りの筈が実態はコーヒーが主体なBパート
ココアのパンを目当てに集まった客達はあっという間にチノのコーヒーに夢中になる。ホイップの花で彩られた特別ブレンドのコーヒーはシャルや凛だけでなく、コーヒーが飲めない子供すら楽しませる
見た目だけでなく中身でも人を魅了するコーヒーからはチノの努力と成長が垣間見える

だからこそ、チノとココアの遣り取りは印象的
ココアは髪型に拠って尊敬する姉に近づこうとしているが、トリミング失敗を理由に「髪を伸ばしてもお姉ちゃんになれる訳じゃないよね」と見た目から重ねる方法を諦めかける
一方でBパートでは子供を喜ばせるチノにココアは姉を重ねるけれど、リゼはむしろココアを重ねている

トリミング失敗でお揃いになった二人の髪型は姉妹めいて見えたけど、見た目ではなく中身によって尊敬する存在に近付くという描写
冒頭のシーンではシャロが居なければ兎と触れ合えなかったチノがラストシーンでは一対一でも触れ合えるように
その変化はチノが憧れの高校生に近づいているのだと如実に表しているように感じられるね



良い

新メンバーむに参加回。まさかりんくの幼馴染とは
真秀だけでなく、むにまでりんくの貝殻に買収されてたのには笑ってしまう
意外と効果あったのか、アレ

むにがりんく達に絡んだシーン、真秀は自分の絵に難癖つけられて苛立っているだけなんだけど、直前にりんくと仲睦まじい真秀の様子が描かれているものだから、まるでりんくと仲良いむにに嫉妬してるように見えるのが面白い

そして本編。既存ユニットに新メンバーを迎え入れるとなればどうやって両者の波長を結び合わせるかが問題となってくる。
りんく達から近付くのは勿論のこと、むにもりんく達の店舗に合わせる必要がある。それがフライヤー制作であり、VJと認められるための素材制作となるわけだね

その中でりんくはむにと真帆の波長を合わせる良い結び役となっているようだね
また、むにのステージへのトラウマとも言える失敗への恐怖、それにより自分への批判から目を逸らしてきたむにを暗くて狭い遊具から明るく広いステージへ引っ張り上げた功績は素晴らしいね

良いと思えた描写はステージ直前の遣り取り
むには心配そうにりんくを見上げるけれどりんくはむにを見ない。繋いだ手に拠ってむにを安心させている。
それを感じ取ったのかむにが最高のステージを演出する流れは最高

最後には三人でハイタッチ!
綺麗に繋がりあった三人は新ユニットとして纏まったようだね



良い

表面上はいつものギャグ回ながら、水面下では色々進展してるのかな?
今は古風な隣人に見える鈴乃も只者ではないはずだし、強盗かに思えた覆面もエンテ・イスラの関係者のはず
けれど、それらの異変は表に出て来ない為、日常に飲み込まれてしまう異様さ

鈴乃は恵美と魔王が親密な間柄と勘違いし、エメラダは真奥と恵美の日常をすれ違いの多い恋人と喩えた
これだけでも微笑ましいのに、恵美の日常はもはや気になる男をストーキングするものにしか見えない
そこに千穂からのSOS。魔王を監視する筈がラブコメ空間に巻き込まれていく恵美が面白可愛いね



普通

ミスミスの身に起こった異変により深刻さが増すイスカ達に対して、いつも通りのテンションでイスカ探しをしているアリスの対比は幾ら何でもギャップが有りすぎる……

これまでは平和主義的な意味で戦争を止めたいと願望を抱いていたイスカ。それが魔女になってしまったミスミスの存在によってより強い根拠を持つ望みとなったようだね
ただ、こうなるとアリスよりもミスミスの方がヒロインらしくなってしまう気もするけれど

敵同士だから同じベンチには座れない。けれど対等な関係なら座れる。アリスの無茶苦茶な理論武装は中立都市だから通じるものかもしれない
だとすれば、そんな場所で一線を越えてしまった燐、力の一端を示したミスミスの存在は異端
それはまるでイスカとアリスに許されていた中立的な触れ合いが脅かされているかのよう



良い

魔獣討伐に出向くリョウマを送り出すエリアリアの姿が幼妻にしか見えないのですが……!
メタルスライムを介して和やかに戯れる二人の様子含め、この二人は早々に結婚しても良いんじゃないかな?

限りなく増える大量のゴブリンには限りなく増える大量のスライムを
準備も何も無い状態からのゴブリン討伐。それが危ういものにならなかったのはリョウマとスライムの存在有ってこそ
けれど、テイマーギルドでは評価されないその実力。これからは洗濯業をしながらリョウマの実力が広く認めて貰う流れになるのかな?



良い

DJ活動について欠片も知識を持っていないりんくの存在は視聴者がDJとは何かを理解するのを助けると共に賑やかしとしても一役買っているね

第一話ではユニットを組む、DJ活動を始める点についてはりんくの方が乗り気に見えただけに、宣伝目的の課題曲を上げる為に徹夜する真秀の姿には驚かされた
と言うか、自分を奮い立たせる為にりんくから貰った貝殻を見つめていたり、メールで済ませるより一番に聞かせたかったと赤面する様子とか、既に染まり始めてますよね……

ライブは新人ながらに立派なもの
真秀の実力はこれまでの描写を裏付けるものでありつつ、りんくはりんくで中々に凄いのでは?
初ステージながら歌詞を完全に覚え、ステップも軽やかに踏んでいる
それらは完璧さよりもステージを楽しんでいるのだという雰囲気をこれでもかと主張しているね

ラストシーン、ライブ終了後の勢いで手を合わせて名前まで呼んでしまってちょっと気恥ずかしい空気
けれど、手を振りほどくこと無く改めて手を固く握りあった二人。良い締めとなる絵だったね

活動は回り始めステップも跳ねるかのよう
次回、りんくと真秀のステージを見たむにが加入の流れになるのかな?



とても良い

特訓すると豪語しても朝起きることは出来ず、鬼ごっこの際も罠と判っていながらチノに抱きつき……
今回はココアのポンコツ具合が凄まじいね(笑) でもそれが可愛らしい

そんな今回は新しい自分、懐かしい自分を発見する回でも有ったのかな?

良い所を見せるため特訓を始める千夜
少し走ればへたり込んでしまう、そんな彼女にとって特訓を繰り返し、最終的にマラソンを完走した事実は未知の経験。「こんなに走れるなんて知らなかった」と言わしめる程に新しい自分を発見させるもの
スタンプカードや朝焼けの風景はご褒美みたいなものか

凛から逃げ回る青山さんというのはいつもの光景。でも、それが仕事ではなく遊びであれば高校時代に思いを馳せる切っ掛けになる
青山さんはマスターとの約束、凛は青山さんとの関係の原点を
関係は少しだけ変わってもやっている事は変わらない二人の友情が見えた内容だったね

それらの発見は何となく日常を送っていたら見つけられたものではなく、走り続けるという努力を辞めなかったからだね
そう考えると、特訓に起きることも出来ず、鬼に自ら捕まってしまうココアがいつもと変わらぬ平常運転であったのはある意味当然の成り行きだったのかもしれない…(笑)



良くない


普通

ルシフェル改め漆原は前回あれだけ折檻されたというのに平然と真奥を使いっぱしりに出来る大胆さは見上げたものだね!
ゲート探しの肝試しが笑い話にもならないオチに終わるとは誰が予想できただろうか(笑)

回避した筈が時間差でやってきた大家さんの水着写真
同じようにオルバ達とは時間差でやってきた異端審問官は真奥に危機をもたらす存在になるのか?それともあのアパートに入居したということは勇者も魔王も関係ない存在となっていくのか。果たしてどちらだろう?



普通

対立する両陣営ともに不安要素や裏切りを抱え、更に相手陣地に潜入すれば強敵に出会う状況。だというのにそんな混迷した状況よりもイスカに会うことしか頭にアリスは微笑ましいね(笑)

そういや、ボルテックスに落ちた事による影響は次回以降に現れるのだろうか?



普通

リョウマとエリアリアの見た目が子供であるために魔法で新しい遊びを模索したり、廃坑でカマキリ相手に実戦経験を積む様子を純粋に楽しむことが出来るね

エリアリアとのお別れフラグが立ったぽいけど、今のリョウマならラインハルトの支援で普通に学校へ通えそうだけど……



とても良い

前回のお嬢様学校潜入はマヤ達に将来の自分の姿を想像させる一助となった。
今回も同様に甘兎庵社長を目指す千夜や進路に迷うチノを助けるイベントとなっているね
でも、それだけに留まっていない辺りが本作の良い所

社長として皆を仕切る将来に不安を感じていた千夜。それは自分一人だけの将来として社長になる光景を考えているからプレッシャーに負けそうになる
でも、友人達に作業を振る行為は社員に指示する行為に通じる。既に社長になったかのような文化祭の準備は千夜から将来への不安を取り除くものだね

それを千夜に気付かせてくれたのはココアの存在が有ってこそ。手を重ねて微笑んだ後、「おー♪」と気合を入れる二人の様子はまさしく最高のコンビといった風合い
と言うか、この二人って見ていて面白いと思うと同時に最高に可愛いと思ってしまう組み合わせだったりする

一方で文化祭というイベントは学校色が強い為に異なる学校のリゼやシャロは微妙な心境に。ここで彼女らをお客として持て成すのではなく、巻き込んで一緒に文化祭を盛り上げる側にしてしまうとは驚きの展開

最初は共通衣装を着せて学校が異なるという事実を曖昧に。そしてココア達の制服をリゼ達にも着せて文化祭を満喫する事でまるで同じ学校の生徒かのように
もしかしたら有ったかも知れない光景を四人は夢のような時間として体験するけど、それがチノの図らいで残る形でプレゼントされたのは良かったね

前回、凛の言葉に感銘を受けたチノが進路を決めた理由はココアの存在とあそこなら楽しめそうだという確信
だから将来の自分というものはそこまで想像していなかったのだけど……
ココアの制服を重ね見て高校生になった自分を想像するチノの姿には途轍もなく微笑ましい気持ちになってしまったよ



普通


普通


全体
良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
普通
音楽
とても良い

一言で表現すると原作がある事で作品をより深掘りできた部分と、原作の枠に縛られてしまった部分が如実に見える映画だった

本作で描かれた「無限列車編」はそもそも別々のテーマ性を持った2つのストーリーが連結されている。それはまるで本作の舞台となる列車を模しているかのよう
列車の大半を占める客車では人々を守る戦いが展開された。その戦いでは元凶の鬼は倒せないが人々を守るという絶対の意志は揺るがずに貫かれる
同様に映画の大半にて描かれるのはどんな状況でも人々を守ろうとする炭治郎の物語。危機的状況であっても鬼の協力をしていた少年少女や車掌を助け、逆にもう助けられない夢の中の家族には背を向けた炭治郎の優しさと強さがこれでもかと描かれている

対して列車の構成の一部である先頭では鬼の首を狙う攻めの戦いが描かれる。その戦いは人助けよりも鬼の討滅が優先される。その場においては夢から覚めるために何度も自分の首を切りつけなければならなかった
同様に映画の最終盤になって描かれるのは自分の身を犠牲にしてでも猗窩座を倒そうとする煉獄杏寿郎の物語

この2つには共通項が無いように見える。でも冒頭でお館様の発言が有る事でこの2つの物語は連結されている
お館様は死がそのまま負けになるわけではなく、想いを引き継ぐことに拠って人は戦っていける、その戦いに意味は生まれると説いている
炭治郎の物語において炭治郎を夢の中に留めず自害という道を何度も選ばせる理由と成るのは既に家族が死んでいるという事実。そして生きていた頃の家族から受け取った思い出が炭治郎の原動力となっている。だから夢の家族の言葉は炭治郎を振り返らせるものにはならない
同様に杏寿郎が鬼の誘いがあっても既に死にかけた身体であっても刃を振るい続けたのは死んだ母の言葉があったから。母から与えられた弱きものを助けるという使命が有る限り杏寿郎は止まらない

お館様の言葉によって連結された2つの物語が最終的に一つになる構成は良いね
猗窩座は逃げ、杏寿郎は死ぬ。それだけを見れば杏寿郎の負けだけど、杏寿郎が言ったように炭治郎が生きている限り杏寿郎は負けていない。そして炭治郎、善逸、伊之助は杏寿郎の意志を受け取る事で新たな戦う力を得ていくのだろうと感じられるラストと成る

けれど、一方でこの映画には幾つかの不満点も見えてしまったことも事実だった
元々が漫画原作である為にどうしたって動的な描写が有りつつも、その動的な流れをぶち切るように台詞での遣り取りが多くなってしまう。本作は漫画的な大枠を変えないまま映像化してしまっている為かテンポの悪さを感じるシーンが多かったように思う
特に炭治郎が夢の世界から脱出しようとする悲痛な覚悟が伊之助や善逸のギャグシーンによって挟まれているのは原作どおりとはいえ何らかのアレンジをして欲しかったかも……。
また、意味合い的には物語が連結されていても最終的な見せ場が杏寿郎の戦いとなっており、更にエンディングイラストでも杏寿郎のみ描かれていては鑑賞後に抱く感想が杏寿郎に関するものがメインになってしまって物語中盤で描かれた炭治郎の悲痛な覚悟の印象が薄れてしまっているようにも感じられた

ただそう思ってしまうのはufotableが作るアニメーションが本当に一つの映画として完成されているだけに、ストーリーラインが原作に縛られているという印象を抱いてしまうからなのだけど
本作は一つの映画として制作されたのではなく、TVシリーズの続きであり、もし存在するならTVシリーズ第二期に繋がる物語。だからか、アニメーションとストーリーのギャップが目立ってしまったように感じられたのは一つの不満ではあった

こうなったら是非ともufotableさんにはTVシリーズ第二期を作って、炭治郎達が杏寿郎から受け取った意志を明確な力として描いて貰わないとね!



良い

人々を助け街を修復し悪に立ち向かう真奥の姿には魔王らしさを感じられない
それらの行為は笹塚という場所が魔王という価値観をまっさらにし、真奥として生き返らせたのだと判るね

対して恵美はまだ以前の価値観を捨て切れていないのかな
悪に立ち向かう姿は勇者として求められるものだし人助けも同様。「私は勇者。その真実だけは変わらない」なんて言ったりもしている
恵美は笹塚で暮らしていても芯の部分を変えていない
それでも僅かに変わったのは魔王である真奥への態度が軟化した点に見て取れるね

最後には魔王城とも思えないボロアパートに勇者も魔王も人間も関係なく集っていた
何かが変わる兆しの見えるラストだったね



普通

運命によって結び付けられているかのようなイスカとアリス
今回はニアミスで触れ合いなど生じていないのに、息の合った様子をこれでもかと描かれて新手のイチャイチャを見せられているかのよう

こうなってくると、「ボルテックス攻防編」においてもどうやって敵同士のままイチャイチャを始めるのかと期待してしまう自分がいる(笑)



普通

冒険者になって初めてと二番目の仕事が清掃作業って斬新
ただ、それもリョウマがこれ以上無いほどの適任だったからか
ここで他の面々は無理にリョウマの仕事を手伝おうとせずに、それぞれが自分に適した仕事に精を出している様子は良いね

母を亡くしたことで無人の家に帰る生活の中で死を迎え、転生した後も森の中にひとり暮らしていたリョウマ。
彼を人と触れ合わない生活から街に連れ出したラインハルト一家がリョウマを家族として迎え入れ、そして大仕事をこなしたリョウマを勢揃いで待っていてくれた描写には胸が温かくなるね



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