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良い

これまでは86とそれ以外という分断が描かれてきたけど、今回はシンエイとそれ以外の分断が描かれていたね
ライデン達とシンエイは一蓮托生。でも、死神と死神になれない者という断絶が有る。ライデンはシンエイの深い空虚に寄り添いきれないし、シンエイもライデン達ほど生を考えられない

兄を討ち、レーナとも死に別れ、フレデリカの騎士にもなれない
今のシンエイに寄る辺はない。けれど、本来はライデン達が同じ命運を懐く者として寄り添えたはず
でも、ライデン達とシンエイの間には大きな差が存在する。ライデン達ではシンエイのように死者の名を抱え戦い続ける事はできないのだろうね

クレナ達はいつか海に行きたいと思える。戦争が終わればという、これまで存在しなかった戦後の未来を語れるようになった
でも、シンエイはそれすら思えない。死者を死国へ連れて行くシンエイは既に死国に片足を突っ込んでいるから、それ以外の場所を思えないのかもしれない
シンエイからすれば、ライデン達も死ねばその名を忘れない対象の一部

海を前にしたライデン達との間には光の帯による断絶、彼らの死を語る際には墓標を思わせる石に喩え……
シンエイは深い孤独の中にいるかのよう。でもフレデリカに言わせれば、そうして苦悩する事こそ正しく先を見据えようとしているからだという
なら戦争が終わった時、シンエイは何を手に出来るのだろう……
せめてレーナと再会できないものかと思ってしまうが……



良い


とても良い

奇策を重ね、出来る事は何でもやると言わんばかりの気勢を見せる八虎。何が何でも自分の作品を評価させるという全身全霊の本気を感じさせるね
そこまで行くともはや合格よりも上の目的が出来上がるのかもしれない。そういった領域に八虎は辿り着けたのかも

絵画で強い人とはどのような人か?
八虎は自信を持ってる人が一番強いと、自分以外を強いと考えるけれど、世田介は八虎の方こそ自信が有るように見えると返しているね
結局この二人が合格したわけだけど、二人だけを見ても合格できる程の強さが何であるかは見えてこない

才能面で言えば桑名が抜け出ていた筈なのに、彼女は不合格
だから才能とか自信ではなく、自分の武器を持っている人が一番強いのではないかと思えてしまう
世田介なら絵の巧さを事実と捉えられる武器
自信が無い八虎はそれを補う努力と戦略を遂に自分の武器だと思えるようになれた。それが合格に繋がったのではないかと思えた

八虎は試験の感想で受かるかどうかよりも、やりきれなかった点を反省している。自分が描く絵を完成させられなかった悔しさや絵を継続させようという意思の現れ。それは合格をゴールと、行き止まりと考えていない何よりの証と言えるのだろうね

合格は八虎の絵が評価された証。でも八虎はすぐに喜ばず、世田介に会い入学手続きを見て初めて喜びの感情が湧く。それは自分が世田介と同じくらい評価されたと判ったから
もう一つの喜びは八虎に知られない形で。八虎を絵の道に引き込んだ森がぽつりと漏らした言葉。それこそが八虎の絵を最大限に評価し、物語を締める言葉だと感じられたね



良い

ディアの暗殺依頼、実態は救出でしたか
それは他国への干渉を意味し、更には暗殺者の本分から外れるもの
前世のような道具であれば引き受けない仕事。けれど、人間としてどう生きるかを定めた今のルーグだからこそ、この依頼を引き受けられるのだろうね

タルトはルーグを愛しているからこそルーグが掲げる目的の為に道具であろうとするのか
でも、誰かの為に限界まで力を振り絞ろうと奮闘する存在が道具なわけ無くて…。そもそも道具であったら涙を流すわけがない
ルーグの為にと決めつつも、それに染まりきれないタルトの涙が辛い……

暗殺者の本分を越えて、更には家族やタルトに支えられる形でディアと再会できたのは良いものの、何やら雲行きが怪しくなってきたようで
もし危機的事態が起きるというなら、そろそろ4人全員揃って戦闘するシーンを見たかったりするのだけれど、描かれたりしないものだろうか?



良い

ボロボロの状態でも、命が残り少ないと知っても騒動の中心へ向かうタクト
タクトはザーガンと因縁が有るわけではないし、正義感を持っているわけでもない
それでも音楽のある世界を取り戻したいという想いで戦っている。それを理由にここまで来てしまった

タクトも運命はいつだって自分勝手。それに振り回される方は堪ったものじゃない
二人の安全を考えるタイタンも、二人の為に出来る事を模索するアンナも。
この状況になっても、周囲を振り回す理由が誰かの為じゃなくて自分の為だなんて、可愛くないを通り越していっそ清々しい

アンナでも制御できない自分勝手なタクトを唯一振り回せるのが運命でも有るのは良いコンビであると感じさせる。いつの間にか二人は最良のコンビになっていたようで
そんな二人の前に現れたのは地獄のオルフェ。いよいよラスボス登場で最終回が楽しみになる引きでしたよ

久しぶりに登場して戦闘にも参加したのに、「煩い」なんて理由で昏倒させられたワルキューレが可哀想だけど可愛い(笑)



とても良い

盃から零れ落ちる赤ワインは今回のエピソードにおいて印象深いモチーフとなっていたね
冒頭においては血や侵食を思わせ、ルディが失い壊してしまった諸々を想起させた
それが終盤には全く意味を変えてルディに降り掛かる構図は見事

故郷に辿り着いたルディ。けれど、そこは空っぽだから零れ落ちるものもない
だから代わりに満たすのはルイジェルドの言葉。ルディから多くを教えられたと語り、エリスに今後の道を示した
言いたい事は有っても今は言わない。心に満ちるものを零すのは再び会った時でいい。その考え方は素敵なもの

エリスの故郷にも有るべきものが無く、むしろエリスに求めるばかり
だからエリスが欲したのは自分を満たす何か、家族か
でも、最後の言葉に有るように今のエリスに満ちていたのは釣り合わないという感情ばかりだったのだろうね
特にオルステッドとの邂逅はエリスにそれを強く抱かせるものになったように思う

ルイジェルドはエリスに龍神に遭った意味を問う。様子を見るにエリスの中には龍神への恐怖が巣食っていたのかな?
エリスがそんな心境なのに、死にかけた筈のルディは再び遭遇する事態を想像し、更には対策まで練っていた。それは自身との差を感じる最大のポイントとなったのかもしれない

ルディとエリスの行為を思わせた赤ワインは一方で零れ落ちる様々を直喩していたかのよう
ルイジェルド、エリスの離脱。何もない故郷、見つからない大切な人。そしてルディの心から零れ落ちた涙や悲しみの大きさにこちらまで胸を締め付けられる
果たしてルディはここからやり直す事ができるのだろうか……?



良い

鬼の住まう遊郭にやってきて緊迫した展開になるかと思いきや、随分とコミカルな展開が目白押し。前回の覚悟完了シーンは何だったんだ(笑)
一方で、華やかな吉原の奥の奥に闇があるのだとも感じられる構図になっていたね

賑やかで自信満々な天元、遊郭を照らすまばゆい光。どちらも昼のような明るさを感じさせる、鬼とは対極の存在
だからそこで鬼を探そうと思えば、光が届かない奥深くへ潜らなければならないのだろうね
だからってあんな酷い顔にならなくてもと思うけれど……(笑)

女将さんの墜落死、奇妙な足抜けの噂、そしてまきをの不審な病欠
コミカルな入りから、鬼の姿は見えないままに気味悪さが増していく展開
今の処は視聴者からの好感度が低めな天元の印象がどう変わっていくのかを含めて今回のエピソードも楽しめるものになりそうだ



良い

八虎から体力と時間と視野を奪う体調不良。
でも、結果的に不良が解消された時の解放感が八虎に天啓を授ける構図になっているね
1日目が殆ど潰れたのは事実。でも、遅れ慣れている八虎にとって、それは不利とならないわけだ

それでもヌードモデルを課題として何をテーマにするかという点には悩まされたようだけど
『ありのまま』はすぐに思いつく。そのテーマを深める為には自分や他人を深める必要がある。それが体調不良からの回復に拠って、視界が開くように深まっていく構成は好み

どれだけ体調が悪くてもこの試験は誰かに変わって貰う事は出来ない。だから体調も精神も追い詰められる
自分しかできない。森のテーマ性も龍二の信条も自分のものではない。だから逆にそこに自分のテーマを籠められる
四角形の中に自分の世界を見た八虎。果たしてどのような絵を描き上げるのかな?そしてラストの行動の意味は?



良い

ディアとのデート回。でも、ルーグにとって本来の目的はディアの亡命だったはず。それは主題にならず、デートで茶を濁される
二人共貴族として領民を率いる立場、我儘のような望みを優先できない。それが結果的にデートの形として落ち着いたという事なんだろうなぁ……

タルトやマーハは水着で無人島。けれど、そういった雰囲気にはならず
対してディアとのデートでは何もかも特別な空気感。それだけルーグにとってディアが別格の存在なのだと判るね
そんなディアを暗殺しなければならない事態。任務に従うか人間として抗うか。ルーグにとって決断の時だね



とても良い

ああ、凄い回を見てしまった……
冒頭からレニーの回想で始まるように今回は何から何までレニーとタイタンの想いで締められていた。でも独り善がりなストーリーにならず、タクトを見守った一人の音楽家として最高のストーリーになっていたように思う

タイタンと出会ったばかりの頃のレニーが全く笑えなかったのは意外な姿。でも、タイタンの振る舞いが徐々にレニーを癒やしたと判るね
「一緒に戦ってくれる?」と戦いの光景を意識したレニーに対し、タイタンは笑顔の光景と約束を提示した
一方だけが笑顔になるのではなく互いが笑顔になれる約束

タクトに様々な道を示したレニーは師匠みたいなもの。一方でレニーはケンジの弟子であり師匠だった。教え教わる関係
レニーとケンジがそのようなものであったなら、レニーに教わってきたタクトはレニーに何を教えられたのかと言えば、それは新しい音楽だったのだろうなぁ……

肉体的な死は絶対的なもの。それに対して、タクトは自身の音楽に彼を含むと言った。それによってレニーを含む音楽は死なないと言った
だからレニーの死は描かれない。その代わり……

一人の音楽家がステージを去る姿には思わず涙が溢れてしまった



良い

つい先週まで「無限列車編」をやっていたけど、ストーリーが進むという意味では長い間待ってました!という気分になってしまう。
けど、遊郭へ行くのは次回のようで。今回は「無限列車編」での悔しい思いを受けて炭治郎達がどう感じているかをとても丁寧に描いていたね

乗客を守り魘夢を倒せても、猗窩座に逃げられ杏寿郎が斃れたなら負けも同様。だから炭治郎達にあるのは悔しい思いばかり。でも善逸が言うように蹲っていたって仕方ないから我が身を叩いて進むしか無い
炭治郎が痛む身体に鞭打ち煉獄家に遺言を届けに行ったのはそういった意味があったと言えるのだろうね

そこで出会った煉獄の父はいわば蹲って止まったままの人物と言える
息子への暴言を巻き散らし、日の呼吸への劣等感まで喚き散らす。それはまるで炭治郎の中にある不甲斐なさを具現化したような存在
だから炭治郎は逆上するまでに逃げてはならないと怒り、元柱だろうと構わず攻撃したのかな

千寿郎も別のベクトルで蹲って止まっていた人物。でも、自分の不甲斐なさに気づいている。だから炭治郎も彼に話す言葉は改めて気付いた自分の不甲斐なさを語る言葉になる
でも、それは会話の中で為されるから千寿郎にも影響する。兄のような剣士にはなれずとも彼は進むと決めたようだね

時が経ち再び鬼退治に戻った炭治郎達。でも、それは元通りではなく進展を意味しているのだろうね
杏寿郎の時は彼の戦いに付いていけなかった。それが悔しい思いへ繋がった。今度はアオイを庇う形で天元に同行する形へ
新たな戦場で見せるだろう彼らの成長に期待してしまうね



良い

オルステッドと邂逅したものの、結局は何事もなく済んでめでたしめでたし…というわけじゃないんだろうなぁ……
以前のターニングポイントと違って今回は目に見える判りやすい変化はほぼ無い。だからこそ、裏に秘められた分岐点に今後への恐ろしさを感じてしまう

ヒトガミを知っていると言っただけで全滅しかけたルディ一行。それは正しく理不尽であり抗いようのない暴力そのもの。いわば出会ってしまった時点で不幸であり、命を失っても仕方ないと言える類
つまり理不尽な暴力で命を落とすのが当然であるならば、生き残ったルディには当然以外の理由が有るのだろうね

異世界人は呪いの影響を受けない。それを踏まえてナナホシがオルステッドを恐れない理由……。ルディに助言を授け続けるヒトガミの正体……
そうした諸々の意味を思うと今回のターニングポイントはじわじわと意味を持ってくる恐ろしいタイプであるような……
今回は生き残った。でも次は?



良い

一瞬の油断が命取りとなる戦場、あまりに大き過ぎるモルフォ。それらは戦いが人の限界に近い領域で展開されているのだと感じさせる
だからこそ、ノルトリヒト戦隊が壊滅したと思われた際には堂々巡りの議論や自滅論が議論されてしまう
そういった戦場では86の戦う理由の不明瞭さが際立つね

エルンストは連邦の理想、兵士達は故郷を守るため、グレーテは復讐。それぞれに戦う理由があり、引けない背景が有る
けれど、祖国でもなく敵への恨みも無い状況で戦場から引かない86は改めて他と異なるのだと感じさせるね
中でもレギオンの声が聞こえるシンエイはとびきりに異質

ただ、それらが恐れではなく信頼に繋がるのはこれまでと違う部分か。
モルフォに辿り着ける力を持っているから、どんな戦場でも怯えずに進むから、仲間達は86に自分達の命を迷いなく託す。
けれど、当人たちはそれをどう受け取っていいか戸惑っているようだけど…

勝手に付いてきたフレデリカはそんな86を変えるかもしれない異物
今の処シンエイ達に帰る理由なんて無い。けれど、フレデリカを無事に送り返す為には自分達も生きなければならない
ただ、生への人質フレデリカに死への人質たる拳銃を軽々に預けたシンエイはもう自らの役目を重荷に思うようになってしまったのだろうか…



とても良い

自宅ではなく、画材も満足になく、海の音しか聞こえない、広い部屋でもない
そんな場所では話すしか出来ないし、お互いの見えていなかった諸々が見えてしまう
飛び込むつもりでやってきた海。けれど、飛び込んだ先は相手の懐になってしまったようで

蕁麻疹や部屋が空になった話。それらは今抱えた苦しみであるのは本当だけど、あの部屋では意味を成さない。二人が明かしたくなるのは別の件
自殺の件で引き合いに出したように龍二はまだ裸になれない。八虎もまた優等生の服を纏ったまま
そんな二人が裸になるなんて普通はない。でも、美術部として自分の裸を描くなら有り得る話

互いの裸は見えぬまま語る二人。龍二は小さい頃からの自分や家族との在り方、八虎は他者からの評価と自己評価の乖離と劣等感。それらは普段であれば明かす事のないような話
普段は見せない裸に潜り込むように互いの心情に潜り合う二人。中でも龍二の最深部に有った秘密は好きな女の子の話か。それを語る時の龍二は震えているかのように見えた

龍二にとって家族よりも進路よりも自分の姿よりも深い場所にあった別の好きの話
龍二は自己矛盾として抱えていたそれを八虎に語る事で、自分が判りやすい形に拘っていた、カテゴライズしていたという点が判ったのだろうね
また、八虎も自分を理解していくように龍二への理解も深まったのかな。それは他の場所では決して出来なかっただろう飛び込み

最後に龍二の認識を改めさせた八虎の受験への向き合い方。受かるも落ちるも自分のせい
なら突如訪れた身体の不調はやはり八虎の責任になってしまうのだろうか?それとも神様による意地悪なのだろうか。まだ本当の受験は始まったばかりだというのに……



良い

初仕事。それを依頼されたからとすぐに引き受けるのではなく、自分で暗殺すべき対象か見極めるルーグの暗殺は前世と別物だね
ターゲットが非道か悪影響は?そういったものを見極めようとするから、悪以外の部分も見えてしまったのかもしれない

今のルーグは多数の愛に囲まれて生きている。母からの家族愛、タルトやマーハからの恋愛、他にも数多の愛を知っている
だから他者へ向けるべき愛も知っている。ルーグが麻薬に人生を乱された親子を助けたのもそれが理由だし、疲弊する領民等を見て暗殺の理由としたのもそういった背景があるから

ルーグは自分の意志で暗殺すべしと判断した。それは前世のような機械的な暗殺者とは異なるもの
だからこそ、ターゲットが有していた夫婦愛にも気付いてしまうのだろうけど
それを自分は正義だからとか、任務だからと流さずに受け止めると決めたルーグ。彼の流儀が見える暗殺になったね



とても良い

穏やかで賑やかなニューヨークで戯れる運命達。それは別の道を選べば、それこそ別の人生を選べると如実に示しているかのよう
けど、音楽を愛するタクトにとって生きるとはただ穏やかに生き延びるを意味しないのだろうね。だからロッテの諭しに従わない

ロッテが示した運命とタクトの関係性は特異なもの。喰らい合っているのに支え合っている。正に共同体。
運命がD2を倒す、タクトは音楽を取り戻す。その目的の為には互いが協力する必要があるけれど、それによって両者とも大切なものを失う可能性に直面している
タクトは命を、運命はタクトの音を

その真実が明かされた後のお出かけ風景は有り得るかもしれない未来、手に入るかもしれない日常
でも、気を遣われて二人っきりになったのに二人が話すのは音楽の事ばかり。二人にとって音楽は生きる意味そのもの。それを語るということは自分がどう生きるかを語るようなもの

昔のタクトにとって、音楽の無い世界なんて想像できないものだった。今はそれを取り戻そうとしている。でも、運命を介せば自分はその世界に辿り着けないかもしれない
運命も音楽を取り戻した世界での約束に辿り着く為にはタクトの命を使うしか無いが、それでは約束は果たされないかもしれない
二人の目的は喰らい合っているのに支え合っている

偉大なミュージシャンの記念碑。それは音楽も、それを奏でた彼も生き続けていると示しているね。それをタクトと運命が訪れたということはまるでタクトの未来を暗示しているかのようだけど……
タクトが書き連ねている五線譜。それが完成する時が二人にとって未来を決定する時になるかもしれないな……



良い


とても良い

ルディの預かり知らぬ事情を多分に含んで始まったシーローン王国編、始まりと同じく解決もルディの知らない事情ばかりで進行するのは面白い構図
今回のルディは何もしていないに等しいのだけど、それだけに群像劇としての色味も感じられ、最終的にアイシャが兄の認識を改めるオチへ綺麗に繋がっているね

ルディはロキシー人形がシーローンに流れ着いていた事も、それがザノバの手に渡った経緯も、ザノバの正体も知らない
というか、そもそも結界の中に囚われているのだから出来ることがない。だから必然的に今回の主役はルディではなくなる
代わりにスポットライトが当たるのはエリスであり、アイシャとなるわけだね

エリスも大活躍をしたわけではない。でも、旅の中で培った経験により、自分が戦うよりもアイシャの面倒を優先できるし、ルディの正体をバラさない配慮も出来る
また、パックス王子を前に動けない兵士たちを安心させる言葉を放ちつつ、ルイジェルドの名誉回復も行っている。それが結果的にルディを助ける道に繋がっているね

誰よりも変化を見せたのはアイシャ。あの様子だと割と最初から飼い主の正体に気付いていたっぽいけど、その内心をルディが知る事はない
アイシャはひっそりと兄を探っていたのだろうね。最後の「旅の仲間に加えて!」という要求やそれに続く言葉も兄を試すものかな
それにルディが変態ではなく兄として答えたからアイシャは兄を信用に値すると捉え直せたのだろうね。

変態の兄から大切な兄に代わった人の物を手に家族との再会目指して旅立ったアイシャ達。ルディやパウロ含めて彼ら家族が全員揃う日が待ち遠しくなる終わりだったね

そんな空気なのに次回は『ターニングポイント』ですか……
以前のターニングポイントでは全てが変わってしまった。次は何が変わってしまうのだろう……



とても良い

色使い問題、赤は赤でも微妙な違いがある。それを雑に赤と纏めるのは正しくても、その色の美しさを理解しているとは言い難しい。色に対して神経を研ぎ澄ませなければ良さは見えてこない
これは家族や周囲から良さを理解されない龍二の境遇と重なる部分が有ったのかもしれない

冷静で優秀な八虎は正しさを理解している。だから自分を美術の道に引き込んだ龍二も美大に進むのを当然と感じていた
でもそれは八虎の正しさの押しつけだと、桑名の言葉ですぐに思い直せるように優等生の八虎は選ばない選択の大切さも理解している
嫌味なくらいに正しさを理解している

世間の正しさに背を向けているように見える龍二も自分の正しさに苦しめられているね。祖母に進路を話せない苦しみ、部屋が壊されるまで家出が手段に上がらない苦しみ…
龍二の行動全てが間違いではなく彼なりの正しさは有るものの、それは少しでも自分の正しさを優先する者には理解されない正しさなのかもしれない

バーミリオンの赤と同じように鮮烈な美を増す龍二。けれど、それは本人だけでなく触れる者をも傷付ける赤
試験直前の夜遊びなんて正しくない。でも正しいままでは龍二に寄り添えない。正しくない領域に足を踏み入れつつ、譲れない領分は譲らない八虎はどこまで龍二に触れられるのだろうか?



良い

前半にてイルグとして幸せにした少女達や成長させたオルナ、後半にてルーグとして幸せにした領民や栄えた土地を映す事で、父が示す選択肢がより現実味を持って感じられるように成っているね
当然のように暗殺者として生きてきたルーグ。だからこそ改めて暗殺者を選ぶ理由が必要になるわけか

その際にルーグが上げた理由が正義感ではなく、大切な人達が幸せで居られる平和を築くためというミニマムな視点で考えていたのはルーグが今生で手に入れた最も大きな変化であるように思えた。だから、今は切り捨てられる事も問題ないと思えるのか
それよりも幸せを求め、生き続ける道を重視するのか

あと、ここでディアの名を結婚を理由に持ち出すとは思わなかったな。もしかしたら何らかの思惑が有るかもしれないけれど、それでも使用人でも妹でもなくディアとの関係に結婚を求めたのはやはりルーグにとってディアは特別なのかな?

暗殺貴族ルーグを選んでからの初仕事、遂にルーグの本領が発揮される時が来たようで



とても良い

傷ついたタクトにこれまでに無い感情の揺れを見せた運命に始まり、音楽に関する真意を明かすタクト、そして運命を運命と認めるアンナ
シントラー&地獄との激突という状況の中で全てが善い方へ向かう流れは素晴らしいの一言!
けど、タクトに死亡フラグが立ってない……?

うわ言の中でコゼットの名を呼ぶタクト。この様子からタクトはコゼットの死に向き合いきれていなかった点が見えるね
コゼットの死を整理できず曲を聴かせたい相手を失ったままだから、作曲も上手く行かない。運命をコゼットではない存在だと認めることが出来ない

昔のタクトにあったのは音楽と向き合わない者達への憤りか。皆は音楽を手放したと思うから独りになった
けど、コゼットによって他者と繋がれた。だというのにそのコゼットを失ってしまった。その時から曲を聴かせたい相手は消えてしまった
だから今のタクトに必要なのはコゼットの消失を認め、今は誰に聴かせたいかを見定める事

同様に運命も自身と向き合っているね
タクトの為に楽器を探し、タクト喪失の可能性に動揺した今の運命はタクトへの執着を持っている。後はただ認めるだけ
タクトは運命の名を呼び、運命は自分の心を明確にした。この瞬間に二人は本当のパートナーになれた気がするね

タクトと同じようにコゼットではなく運命と認めたアンナ。それに応えながら姉妹っぽい遣り取りは継続する二人の様子は最高に微笑ましい

タクトは五線譜の先を書き続けると決めたようだけど……。肩の侵食と向かい合う彼は何を考えているのか……



良い


良い

視聴者はシーローン王国にロキシーは居ないと判っているけど、それはルディに明かされていない為に今回の展開にはヤキモキさせられる。結果、ルディは又しても囚われ人になってしまうのだから
そういった意味では真実や正体を隠す事に拠る弊害が幾つも見える回だったかな

ヒトガミはその胡散臭さや正体が見えない事により、幾ら助言しても前世の男から信用されない
また、前世の男も普段は隠れている自分の真の姿を目にすることになるから心穏やかには居られない
ヒトガミは成功の対価に信用を持ち出したけど、ヒトガミは隠れて前世の男は隠されない空間では何をどうしたって信用は生まれない気がしてしまうが…

ルディは名を隠したことによりアイシャと会話できた。けれど、そもそもはアイシャが隠されていた御神体を発見したことによりルディへの印象が最悪に落ちてしまった事が原因
今は正体を隠しているから信用され普通に会話できている。でも、もし真実が明らかになったら……
変態のお兄さんを見る目はどうなってしまうやら(笑)

真実や正体が隠される現象は最終的にルディへと牙を剥くね
ロキシーがもう居ないと知らなかった。案内された場所の怪しさに気づけなかった。相手の力を見誤った
唯一の救いはパックスが魔法は使えても頭は回らないタイプっぽい点か。ヒトガミはルディを導いたのか騙したのか?果たしてどちらだろう?



良い

連邦の理想、それは隅々まで行き渡るが為にこれまでシンエイ達に嫌な思いをさせる事が多かった。それが大決戦を前にして個々人が掲げる信念へと深堀りされ、最終的にシンエイ達を戦場へ力強く送り出す力へなっていく流れには痺れる
戦場へ送られる点は変わらなくても受け取る思いはとても大きいものになった

哀れな子供達をどう処遇するか。この問題に対し前回までは冷たさの方が目立っていた。けれどリヒャルトを始め、積極的に庇うわけではないがせめてもの義理は通そうという大人の対応が見えたね
特にグレーテの戦場へ送り出す事は反対しつつ、反対するが故に最後まで同行すると決める姿勢は尊敬する

でも、抗議が駄々と表現される大人ではないフレデリカは別か。フレデリカに対するシンエイの言葉は大人の論理。それ故に話が逆になっても筋道が立っているように思え、フレデリカの言葉が幼稚に見えてしまう
暗い部屋で紡がれるシンエイの言葉は、反転した明るい部屋でシンエイに突き刺さる構図は痛ましい

「何故じゃ!」と繰り返し問うフレデリカの言葉に論理はない。だからこそシンエイが過去にした後悔とフレデリカが今味わおうとする後悔が重なってしまう
そこにあるのは理想でも信念でもなくフレデリカの親愛。でも、そういった言葉を持ってしても戦場へ行くしか無いと決めつけ、死に惹かれるシンエイを止める事は出来ないのか……

帰路が考慮されない決死の作戦。あれだけ86を嫌っていた筈の他の兵士達がスピアヘッドを送り出すために命をかけた
また、大統領として激励の言葉を送ったエルンストも最後には親として「帰っておいで」と言った。
これらがせめて子供達にとって少しでも帰る理由になれば良いのだけれども



良い

遂に始まった藝大受験。たった一枚のキャンバスに何を描き出すか?無難な絵では通らない。そこでは持てるもの全てをぶつける必要がある
だからこそ、自分がこれまでに身に付けてきた技術を活かす必要があるし、自分に足りない課題点も見えてしまうのだろうね

受験中のトラブルとかメンタル崩壊してしまいそうな事態。でも八虎はそこから突破口を見つけ出したね
受験中の煩悶もトラブルも全て自分が持てるもの。それに負けてしまえば失敗に終わるだけだろうけど、活かせれば実力に加わり自分を助けてくれる
また、佐伯の教えも活かしていたね

全てが上手く回って脳が活性化すれば受験の緊張なんて消えて、むしろ描くことを楽しめる
でも、そんな状態で受験週間を乗り切るなんて出来やしないから息抜きも必要になるのか。次に息をする為に息を吐く
……そんな時間も受験生であれば課題挑戦の時間になってしまうのは酷だけど(笑)

受験の空気に面しても自分の足りない部分が見えてしまう矢口。また、課題では視点の狭さから改めて自分を凡人と感じたようで
八虎は実力や他者からの評価は伸ばしているのに、この点だけは変わらないね

それでも一次試験は通った。更に厳しい二次に向け表情を引き締める八虎が格好良い



普通

商人として求められる仕事を為し、暗殺者としての本業も疎かにしていない。勇者暗殺という大目標に向かってルーグは着々とプランを進めているね
仲間になったばかりのマーハも拷問に参加できるようになっているなど、既に陣容は整いつつ有るように見える
それだけにティアとの関係には驚かされたり

3話で別れたきりかと思いきや、普通に交流は有ったのね。ただ、タルトやマーハのように暗殺業に勧誘したりはしてないようで
ルーグが居なくても支え合う様子を見せるタルトとマーハ、ルーグと仲睦まじいディアの姿が交互に映ることでディアの特別感が際立つね
この特別な関係からどのようにディアも暗殺業に加わることになるのだろう?



普通


良い

前回においても運命の成長を感じ取れる描写が有ったけど、今回は更に顕著な。ただ、運命として成長するということはコゼットから離れていく可能性に繋がるのか
運命をコゼットと結び付けるのが難しくなったアンナの表情があまりに哀しい……

作曲を始めたタクト、ピアノが手元に無く、書きたい旋律も曖昧な状態の作曲は困難
そこでタクトが結びつけることになったのは鍵盤ハーモニカとピアノ、旅の思い出と父との思い出
ただ、そうしても作曲には神経を使うから他の諸々が疎かになる。そこで運命がタクトをサポートするように動いていたのは本当に意外だった

タクトの為に鍵盤ハーモニカを探し出し、タクトに知らせずD2退治。それだけでなく、タクトが何を考えているかも知りたがっている。
これらは運命が成長した背景が有るのだろうけど、アンナもタクトも自分をコゼットと結び付けなくなった事で、自分の存在を不安定に感じるようになった為も有るのだろうかと考えてしまう

コゼットとタクト達の関係を運命が知ることはなく、タクトもそれを言葉にできず。運命にとって自分とタクト達の結び付きが曖昧になっているのかもしれない
そんなタイミングで現れたシントラーは最悪の真実を告げてくれたね。彼の陰謀によって結びつく過去の因縁。この戦いは一つのクライマックスになりそうだ



良い

15話でルディは「人は変わる」と言った。けれど、17話では決して変わらない大切なものも見えたように思う
今回の話も同じように前半でロキシーの成長が語られつつも、お話そのものは変わらないものへと集約される作りになっているね

ロキシーとノコパラの会話からは特にロキシーの変化が伝わってくるね
昔の自分の未熟を落ち着いて振り返られるようになったなら、それは成熟の証。また、それを語る際のロキシーの仕草からは大人びた色香すら見て取れる
ただ、デッドエンドの名を聞いて過剰に怯えたり、帰省を恐れる姿勢からは自己の中心に関わる部分が未熟なままだとも判るね

だから村へ着いても幼い頃の恐怖は克服できておらず、実家も安息の場所と出来ていない
家族の大切さよりも自分の中の恐怖心や疎外感を優先してしまうから、逆に家族を悲しませてしまう
でも悲しませてしまうなら、自分が居なくなれば両親は喜ぶに違いないとの考えが間違っている事になるわけで…

母の涙、そして自分の涙の中に見つけたのは変わらない大切な想いかな
念話が通じるから家族なのではなく、喜びも悲しみも分かち合えるから家族なのかもしれない。それはきっといつまでも変わらない大切さなのだろうね

最後、青い鳥の如く弟子の痕跡を実家で知るのは面白い構図。いつか、ロキシーとルディが再会する光景も見たいものだね



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