誘拐されてる状況で相手は闇の魔力を持つ正体の見えない男、とこういった要素が揃っているのにカタリナは警戒心無さすぎでは……
不安定な状況でも爆睡と食事とお茶が出来るってもうメンタル最強じゃん……
でも、そういった他者に影響されない強さが他者を変えていくんだろうなぁ
キースなどの時と違い、カタリナはルーファスの過去も心開かせる言葉も知らない
それでも、まるで彼が大切にしている思い出をなぞるかのような言葉を使えたのは、相手をしっかりと見て相手の特徴を捉えているからなのかな
闇の魔力を持っていても、スラム出身でも、ルーファスが目の前にいる人間であることは変わらない。カタリナの言葉は真にルーファスを思い遣ったものとなる
一方で相手を純粋に見すぎてしまうから、相手の中に芽生える欲に気付かないのだろうけども
ホント、ベッドに押し倒されてからの行為を「虫に刺された」と解釈するカタリナの異性関係の知識ってどうなってるのさ(笑)
遂に我慢の限界から実力行使に移ったジオルド。これによってカタリナの周囲への認識は変わるのか、そしてマリアの逆襲はどうなるのやら(笑)
イルルが家族になった直後の日常回。イルルには考えなければならない事も多く、街を破壊しようとした罪悪感も有る。そういった普通の子供として過ごすには邪魔な負の感情が才川によって雑に翻訳されて、子供たちの輪に混ざれるようになる流れは秀逸だったね
遊ぶ資格を真剣に悩むイルルの姿は子供らしさからかけ離れているけど、そういった悩みが必要になるくらいイルルは変化を必要としている。それこそ自分が乱暴者なのに混ざって良いのかと確認しなければならない程に
対して才川は良い感じに子供らしいね。カンナの謎を気にしても、あっさり目の前の欲を優先してしまうし、イルルの乱暴という言葉も『不良』と適当に置き換えて答えている
悩むことは大切だけれど、一人で出せない悩みならいっそのこと何も考えず子供の世界に入ってしまえば良い
そうすれば可愛いものを愛でる才川やちょっと腹黒い翔太、皆から好かれるカンナに混ざってあっさりと子供らしさを取り戻せてしまう
街を破壊しようとした、なんて悩んでいたイルルが人生ゲームの場で「悪魔~!」とか抗議する姿は微笑ましい
メイド服への憧れを語る小林の言葉はトールに翻訳されファッションアイディア大喜利に、更にジョージーに翻訳されてメイドの心を語る場に
コロコロ話が変わっているように思えるけれど、小林にとってそうやって他人の目を通してメイド服へのこだわりを再確認する事で、嘗ての自分が何故メイド服を着たかったのかという初期衝動を思い出せたようで
それがトールのメイドとしての在り方を褒める流れになるのは良いね
おおよそを如才なく出来るトールにとって心動く趣味はないと思われた。それが偶像(アイドル)崇拝という翻訳を通して、小林を賛美する魔窟のような空間が出来上がってしまうのは面白おかしい(笑)
おまけにそれを怒ったっていい小林も、その惨状を悪酔いした自分と比べて怒れないというのも面白い
また、別の角度から考えてみると、カンナの為にゲームの中とはいえ、全財産投げ売った才川の趣味はカンナと言えたりするのだろうか……(笑)
前回はかのんが歌えるまでの話で、今回は恋が反対する中での部活動設立。
もしかして本作は「無理」や「出来ない」を打ち破りながら、かのん達の成長を描いていく作品になるのだろうか?
恋が突き付けたのは学校代表としてのレベルを提示できるのか?という点。何も実績が無い二人にクリアできる問題ではない
でも、ここで他の学校に逃げてしまってもそこでアイドルが出来るとも限らないし家族に迷惑がかかる
だから二人は無理を通すために自由を求める戦いをする必要があったわけだね。それにしたって悪目立ちする方法だったけど(笑)
でも、その戦いが突破口を開いたのだから良かったのか
理事長から出された課題。難易度は高いが無理ではない。が、ここで「出来ない」と新たに示されたのは可可の体力面。簡単なステップですらへばってしまう体力じゃ踊るなんて「無理」
流石に体力問題は運動を続けることでしか解決しないけどノートにあった「あきらめないキモチ」の言葉通り、可可は家でも早朝でも諦めずにレッスンを続けていくね
可可の姿勢や音楽科の存在がかのんにも影響したのか良い曲作りができたようで
受験失敗で終わったと思ったのに続いた道。部活も出来るかもしれない。けど、フェスで一位になれるとは限らない。終わらないためにはもっと何かを始めないといけない。
今回、手を貸してくれた千沙都の加入はかのんが「無理」と言って断ってしまったが、この『無理』も打ち破るのだろうかと期待してしまうが……
ファンに塩対応した過去とか、紅華に入ったのに役の希望がない愛の姿勢は不思議だったのだけど、その原因となった過去が想像以上にエグい……
彼女はあの経験の中で親が自分を守る存在ではなく、家も安らぎの場所にならないと知った。だから閉鎖環境であり男が少ない紅華を目指したのか
幼い頃の愛は不躾な質問をする大人を小気味よくあしらい、男子の下世話な発言にも上手く返している。それらは世間から自分を守る壁であり演技だったのだけど、一方で大人にとって都合の良い子供を演じているようなもの
だから家を侵略した男は彼女を反抗しない子供として扱い、自分の欲望を一方的にぶつけたのかもしれない
幼い愛にとって受け流せる限界を超えた侵略の苦痛。保護する者の助けが必要なのに母親は取り合わなかった。愛が幸せな子供を守っても、自分を守ってくれないなら嘘は傍に居られない。でも、それを引きずり出してしまえば愛まで空っぽの存在になってしまう
だからこそ、愛が一番辛い時に自分の場所を守る鍵と自分を守ってくれる場所の鍵をくれた太一に懐いたのかな
だとすれば愛にとってさらさはかなり特別な人間となり得るのかも
第一話で愛はさらさの場所との区切りを作った。なのにさらさは平然と越境していた
再び愛の前に現れた因縁の男性。そんな愛を守る壁になるかのようにさらさは立ち塞がった
さらさは愛を守る場所となるのか、それとも侵略者となるのか。さらさはどう対応するのだろうね
カタリナ誘拐に不安で眠れないメアリ達に対して、暢気に食っちゃ寝してるカタリナのギャップが酷い……(笑) 誘拐した側のセリーナですら「平気なフリ」と受け取るくらいの状況なのに(笑)
でも、この暢気さがセリーナの悩みを受け止める土壌となり、事態解決の糸口になっているんだよね……
でも、この回最大のお笑いポイントはセリーナ説得の言葉なんだろうなぁ
イアンから嫌われていると不安がるセリーナに「人の気持ちはその人にしか判らないもの」と話す事を勧めるけど、カタリナこそ周囲の話をそんなに聞いてませんよね……(笑)
セリーナを慰める事には成功してるけど、カタリナ自身に特大ブーメランな言葉では?
というか、本当にカタリナは愛されてるね
一睡もできないメアリとアランに始まり、カタリナの為なら継承権を放棄して構わないジオルド、いつの間にか護衛を付けていたラファエル、怪しい人物を片っ端から潰す気なメアリ…
よくよく考えたら、あのメンバーの中でメアリの愛が一番重い気がするよ……(笑)
歌う事は好きなのにいざという場面で歌えない。そこに音楽科不合格の烙印が絡み、歌うことすら否定されたかのような心境になりかけていたかのんの変化が丁寧に描かれていた第一話だったね
また、彼女の『好き』と歌を引き出すために感情豊かな可可が良い働きをしていたね
普通科と音楽科の制服の違い、そして音楽科である恋による注意
それらはただでさえ必要な場面で歌えないかのんに更に歌の道を諦めさせようとするもの。音楽科に入れなかったのに音楽の道を進もうとするの?と言わんばかり
でも、何も進路がそのまま自分の進みたい道を制限するわけではないんだよね
音楽科に進んだ千砂都は新しいバイトを始めているし、可可は普通科であるにも関わらずアイドルになろうとしている
進路や所属がそのまま自分の在り方を縛るわけではない。だからかのんが歌を好きであると知っている千砂都や可可は何度もかのんに歌うように促すわけだね
かのんはいざという場面で歌えない事に劣等感を覚えていたようだけど、一方で道端であろうと自分の世界を形成してミュージカルばりに歌い上げる。それはそれで凄い才能だと思うけどな……と思っていたら、最後の最後でやってくれたね
これで歌えない性質が解消されたかどうかは判らないけれど、誰にも遠慮しなくて良い自分の『好き』は取り戻せたのかな
役者怪我で主人公が劇に突如投入されるって定番ネタだけど、本作の場合はカタリナは台詞も覚えられないし他のメンバーはカタリナを巡って私情ダダ漏れの有様。
だけど、これはこれで非常に面白い光景となっているね
学園祭で生徒会主催の演劇であれば、来場者を楽しませる事を真っ先に考えなければいけない筈なのに、私情優先な面々
長靴借りてウキウキのマリアとかニコルの為に筋書き変えるソフィアもニコル投入で焦る男性陣も、お客よりカタリナを優先してしまうのが本当にらしいというか
その中で劇を成功させようとするカタリナが無邪気で暢気に見えてしまうおかしさ(笑)
台詞は飛んでるし筋書きは変わってるし当初の予定からは大きく変わった劇の形
それでもお客は大盛り上がりで家族も喜んでいるし最高の学園祭になった。トラブルがあっても終わり良ければ全て良し。なら、学園祭がもう少しで終わるタイミングでカタリナに迫る魔の手は学園祭の楽しさをどう変えてしまうのだろうか?というか、これが新たな破滅フラグ?
同好会だけでなく他校も巻き込んだフェスの開始!
だというのに共通衣装ではなく個別衣装で別々のステージで歌い踊る同好会の面々には驚かされるね
でも、それは本作が大事にしていたバラバラを尊重したもの。一方で曲を繋ぎ一体感を出す演出は素晴らしいね
侑が夢見た素晴らしいフェス。でも、侑はアイドル達を応援する立場だからライブを見ずにスタッフ業務。アイドルが大好きだけど、アイドルの道を選ばずに応援する道を選んだ侑にとってはいつもの光景
その中でふと零した夢を目指す言葉は、侑がアイドルを応援する立場のみで立っている訳ではない点が見えてくるね
盛り上がっていたのに雨で中止となったステージ。これはアイドルを応援する侑にもどうにも出来ないこと
ここで副会長や他のファン達がライブを繋ぐ展開は素晴らしいね。今や歩夢達を応援するのは侑だけじゃないからあのような光景を生み出せる
そしてファンによってステージに押し上げられたアイドル達が述べるのはファンを応援する言葉
ファンがアイドルを応援してステージを輝かせて、アイドルがファンの夢を応援して世界全てを輝かせて
応援する立場だった侑がファンとしてステージを楽しんだ。それが自分の夢へ進む原動力となるわけだね
バラバラであることが十人十色の輝きを生み出し、それがファンにも侑にも波及していく。素晴らしい連鎖を幾つも描いた作品だったね
久方ぶりの本作。いきなり大事件が起きるというわけでもなく、第一期に作られた人間関係や雰囲気を丁寧に、それでいて小気味良いテンポで展開する内容は見ていて非常に楽しめるものになっているね
というか、何度も笑ってしまうね!
普通、鈍感系主人公って視聴者から嫌われやすいタイプだと思うんだけど、カタリナの場合は自分に向けられる好意に全く気付かない所か、色気より食い気が明確になっている為に周囲の牽制を含んだドタバタを嫌味なく見ていられる作りになっているのは好印象
想い合っていると勘違いされて目が死んでるキースとメアリには笑ってしまう
カタリナは友情エンドを迎えたと思ってすっかり油断。新しく登場した人物達も今の所は怪しい人物は居ない
けれど、カタリナならそういった安心を壊して破滅フラグを引き寄せてしまうのだろうな(笑)
演劇に巻き込まれた事で新たな破滅フラグが始まるのか、ただのトラブルに終わるのか
どちらにせよ賑やかな騒動が繰り広げられそうだ
まさか本当に鹿児島まで行ってしまうとは……。その行動力には毎回驚かされる
桜を目指して南下する旅。温かい土地を目指したそれは同時に椎の心を温めるものになったようで
鹿児島を目指す長い旅。それは単純に長距離をカブに乗って移動するだけのものにならず、カブ乗りとしての心構えやカフェ経営の参考、琵琶湖の素晴らしい夜景を見せるものになる
それらは川に落ちて身体も心も冷えた椎の芯に熱を加えるものになる
遂に辿り着いた満開の桜。そこから椎が持ち帰ったのは桜の花びらだけでなく、カブに乗って最南端を目指した経験、そして旅の中で受け取った数々の熱。だから地元に戻れば鹿児島と同じように桜が咲いていたのかもしれないね
椎は無事、春になれた
小熊と同じようにカブに魅了された椎の姿にはちょっと吃驚。小熊にとってカブ仲間が増えたのは喜ばしいことだろうね
ないない尽くしだった少女がカブとの出会いをきっかけに世界を広げ、繋がりを広げ、自信と経験を広くした
カブという存在との出会いを契機とした変化をここまで描いてみせた本作には色々な意味で驚かされる3ヶ月間だったね
フェスティバルに向け同好会は上手く回り始めている。なのにずれを見せ始める侑と歩夢
最初は侑と歩夢の二人でアイドルへの道を歩み始めた。歩夢は侑との好きを重視したのに対して、侑は歩夢との好きを土台に更に好きの輪を広げてしまった。だから二人にずれが生じてしまったのだろうね
フェスティバル会場決めの為に街を巡る同好会。ここまで来てもやりたい事がバラバラなのは本当にらしいね。
そうして見えてくるのはやりたい事を統一せずバラバラである事こそフェスティバルの目指す方向ではないかという点。バラバラが逆に皆の好きを肯定する土台になる
一方で好きを統一しない事が侑と歩夢をバラバラにしていく流れが憎い……
今の侑が目指す方向性はどちらかと言うとせつ菜に近いね
自分の好きを侑や皆に知って貰いたくてアイドルを始めた歩夢と、自分や皆の大好きを肯定したくてアイドルを続けたせつ菜
アイドルを好きだという気持ちから同好会に入った侑が今や皆の好きを体現する場所を作ろうとしている
だから侑と歩夢は同じバスに乗れず、標識が示す行く先は異なってしまう
今の侑が何をしているか歩夢は知らない。むしろピアノの件でせつ菜の方が侑をよく知っているように見えてしまう
好きがバラバラなままなら本当に二人は離れ離れになってしまうかもしれない。それを嫌がった歩夢が口にした独占欲のような我儘
好きの和を大きく広げようとしている侑にとって難しい分岐点となりそうだ
ファイドの停止から始まる最終話はやはりスピアヘッドの終焉が描かれるものに
そんな時に訪れた学校跡はクレナ達の子供らしさを強調するとともに、彼女らにとってそこが学びの場ではなく戦地における休息地にしかならない点が露わになる流れは残酷
食料は限界を迎え最後のドロップは口に含まれハイキングの終わりが訪れた
でも前には進めるから彼らは運命共同体で居られた。けれど、その中でシンエイだけは別の運命も見通す事が出来た
絶対的な死と高確率の死。それらを並べた時にシンエイが願ったのは仲間が僅かでも生き残る可能性
それは死神が役割を放棄した瞬間なのかもしれない
でも、ライデン達にとって変わらずシンエイは運命共同体だから見捨てるなんて出来ない
だから戦場に立つのだけど、唯の歩兵でしか無い彼らは囮にも成れず散るのみ……
馬鹿だけれど最後は一緒に散った彼らは本当に死んでしまったのだろうか?そしてラストの首なしはやはり……
それだけにようやく隔絶を越えて86の拠点まで辿り着いたレーナには驚かされる
既にスピアヘッドは居ない。それでも彼らの痕跡を探し続けた彼女に褒美の如く与えられたスピアヘッドとの対面
一方でこれがレーナにとってはゴールではなく、長い長いスタート地点に立ったのだと判るラストはいずれ来る続編を期待させるものだったね